川、照り映えて

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

食べ物

1987

1月17日。阪神・淡路大震災の発生した日であり、神戸の祖母の命日。朝早く母親からLINEが来た。タカハシ珈琲(神戸珈琲)に行きたい、と。 長田区にあった祖母の家を売却して以降、家族の誰も神戸に行っていない。親戚や母親の友人は神戸にいるが、現…

肝を冷やす

2年連続で年末に体調を崩す。今日は上野まで行って帰って、恢復の途上だ。 老齢の父親と一緒に仕事をしているのだが、彼も風邪をこじらせて痰のからんだ厭な咳をしているのに一向にマスクをつけない。仕事柄、不特定多数の客と近距離で接するのに。欧米か(…

今田さんへ中検2級合格を報告できる

この一週間で『NAGISA』(2000・小沼勝監督)と『本陣殺人事件』(1975・高林陽一監督)の2本の映画、さらにはNHKオンデマンドで「インド秘境 スパイス達人紀行 しゃく熱のラクナウ」(2023)を見た。それにしてもしゃく熱は「灼熱」…

女傑と開襟シャツの輝き

東京の東をちょこちょこ移動していたら昼飯を食い損ねて、気がついたら午後4時が近かった。隅田川に架かる橋の袂のファミレス和食店に入ろうとすると、こんな時間なのに先客が待っている。こだわりもないので、階下に下りてインド料理店を外から覗いた。見…

塩の瓶の蓋

お盆休み前からなんやかやバタバタしていた。 事務所の近所にある中国料理店の老板娘(ラオバンニャン 江蘇省出身)が突如来店、知り合いの部屋探しを頼まれる。昔は昼飯によく行っていたが、味がやたらと落ちた時期があり、それを境に行かなくなった。調理…

メヒカリ、アンコウ、ウナギ

旧聞に属する内容の話。数ヵ月前、Hさんに誕生日はどう過ごしたいのかと訊かれ、僕たちの習いで北関東を旅行しようと答えた。それで僕が決めた場所が五浦だった。そこから7年くらい前に泊まったホテルを予約し、プランを組んだ。しかし、その日が近づくに…

酒肉朋友

フェイフェイが春節を故郷の青島で過ごすため帰っており、FさんとHさん(男性)、プラス僕の酒肉朋友、そして今回ゲスト参加の中国語サークル仲間Oさんの4人で晩飯を食っている最中、フェイフェイがいないのなら、このあと(彼女が普段いるスナックに)…

令和の酔狂シリーズ

こんばんは。 家で長い文章を書く習慣がすっかりなくなってしまったので、自宅から歩いて来られる距離にある昭和のにおい芬芬たる連込み宿に泊まり、わりあいに清潔な布団に寝転がってこれを書いています。牡丹という名の部屋です。 と、書いてからまたしば…

また眠られない

日本時間零時に始まったアルゼンチン対ウェールズ、4時からのニュージーランド対アイルランド。手に汗握るおもしろさで、また眠られない。三ノ輪(住居表示でいえば台東区なんだが、荒川区南千住や東日暮里の感覚がある)ドールハウス猫のおてて『阿修羅和の…

膿を出せ

川の照りと題するならばこういうものを載っけるべきなんだ。午後4時過ぎの隅田川を下流に向かって撮る。西日に照らされて人気もなく妙に静かだ。おれの人生は物心ついた時から隅田川とともにあり、現在もまだ隅田川のそばに在る。初めて訪れた町ですぐに川を…

おもしろい女

夜半、Hさんが2階のトイレで用を足している音が3階の寝室まで聞こえてくる。しんしんと静かな夜だ。 アイリッシュコーヒーというのは自宅でもわりかし手軽につくれ、それなりの味になる。ジェムソンとホイップクリームを買い、ドリップバッグのコーヒーを注…

抱く神戸

人がいなくなった家なんてただのハコだと何かの映画で言っていたが、神戸の祖母の家が今そうなっている。神戸という街も祖母が在ったから訪れていたが、不在となり今後訪れる理由はそうないのだ(祖母の家を処分したらなおのこと)。といって他の観光都市と…

水の影

Hさんの誕生日は12月26日であるが、これは登録上そうなだけで、実際は違うという。じゃあいつなのとその答えを聞いた気もするが忘れてしまった。まあでも出会ってこの方24日と26日のあいだのクリスマスに一括して祝ってきたのだから、今年は特に日曜日だし…

電影?

母親がまだ脊柱管狭窄症のことだけで通院していた頃、『武漢日記』(方方著・2020)の日本語訳はなかった。コロナ感染がいよいよ日本でも蔓延し「これ、日本語で読めないのかね」と言うから、「そのうち翻訳されると思うよ」と適当に応えたら、数ヶ月経って…

西川口へ

何日か前の明け方にみた夢。北千住駅か池袋駅かどちらにも部分的に似ているターミナル駅前広場。曇天の空に変わったかたちのヘリコプターが何機も重なるように飛んでいる。かなりの騒音で、皆上空を見ている。すると突然、あらゆるヘリコプターの底が開いて…

アクアパッツァ

秋の美しい日というのがある。空は澄みきって微風が頬をなでる。高いところを飛んでいるジェット機の機体の白がやけにくっきり見える。落ち葉を踏みわけ土の路を進むと鳥の啼き声があらゆる方向から聞こえてくる。 翌日が雨予報だったので、この日老若男女が…

パンクチュアル

ティンダーを駆使して外国人女性と頻繁に会っている日本人サラリーマンのブログを覗くのだが、彼がよく書いているのが外国人女性と待合わせをする際は常に相手の1時間の遅刻を覚悟せよ、または甘受せよ。相手は悪びれもせずにあらわれる。ひどい場合には平気…

閑雅な午後

今年は詩人萩原朔太郎の没後80年でいろいろのイベントをやっているみたいだ。僕は詩というのはほとんど読まないのだが、この人と建畠晢、松浦寿輝は読む。 ある休日、池袋西口北でHさんと落ち合って、先日改装中で空振りだった火焔山で昼飯を食う。その後ル…

非凡(庸)

Aと半年ぶりに会った。彼女の妊娠が知らされ、つわりがひどく寝てばかりいる、本業にも差し障りがあると聞いていたので、そこから月に1回程度具合を訊ねるラインをこちらから送るだけだった。返事は都度あったので繋がってはいた。Aの副業はレンタル彼女だ…

タッチパネル

午後から池袋で仕事があるというHさんに、じゃあその前に火焔山で蘭州拉面と羊肉串を一緒に食おうと誘い、電車を乗り継いで久々この街に降り立った。彼女がいつも最短距離で店にたどり着けないと言うからおれが前を歩く。すると、遠目にもなにやら店の様子…

猫の額公園の遊具

明け方に夢をみた。母親が出てくる珍しいものだ。昔住んでいた川沿いのマンションの一室とおぼしき部屋に布団を敷いて母親が寝ている。彼女もおれも実際より若返っているようだ。朝の早い時間だと思うが、おれはすでに起きており、ベランダに行くとそこには…

オトナのパフェ

山の上ホテルのコーヒーパーラーでたのんだ洋梨のパフェは写真で見ると丸ごと一個どんと上に乗っかっており、同行の24歳女性とこりゃすごいねと言い合った。それが運ばれてくると、「こちら飴細工になっております。カポッとはずせますので」と言う。えーそ…

謝った話

午前11時25分。インド料理店に男の客は僕いちにんだった。奥の大テーブルもその手前のににん席も僕よりふたまわりは若い女性たちが陣取っている。インスタグラーム用をすでに2枚か8枚撮り終えているだろう。料理も内装も調度品も〈映える〉異空間なのだ。「…

八月のブルーベリー

頭髪の薄毛化並びにパーマネントウェーブ化が急進的に進む壮年です。薄毛はともあれ、パーマネントウェーブが加齢ともに著しくなることがあるのですね。今回もよろしくお願いします。 8月この時期のブルーベリー狩りはもう終わりかけている印象だが、Hさん…

東京湾

退院翌日の昼にMと会う約束をしていたが、1時間前に連絡がきて、ギリギリまで頑張ってみたんですが吐き気と下痢が止まらないのでリスケしてもらっていいですか麻酔後遺症みたいです、とあった。退院翌日はちょっとムリがあるかなと思っていたので、わかった…

昼晩羊肉串

Mは自分から何が食べたいとは積極的に言わない。ただ、会話の中で辣過ぎるものは苦手とか、酢飯があまり好きじゃないからみんなほど鮨は食べないとか、大人の苦味?にはまだ慣れられないとか、得られた情報は忘れずにランチやサパーの店を選択している。 数…

ハモの梅肉和え

今日は7月4日。風が暦をめくるようにいちねんの半分が過ぎた。最近はこの時期とは思えない猛暑で、きのう日曜日は少しマシなような予報だったが、結局猛暑日になった。おれはHさんの実家から送られてきた白茶を熱い湯で飲んでいる。冷たい炭酸や酒も飲む。 …

長い夏の始まり?

本日6月27日、関東甲信観測史上最速で梅雨明けしたんですってよ。長い夏の始まり? 灯台のTシャツを着ていたからか、匝瑳・旭までで帰ろうと思っていたのが、銚子まで足を延ばしてしまう。涙ぐましいブルーの空がどこまでも広がって、それに夏の海のブルー…

壮年の衰え

注文する人が少ないのか、他のスイーツ系カップがいくつも置いてあるのにこれは1個しか準備されていない。売れた状態じゃないように思う。 ぽつねんと在る。そういうものをたのんでしまうわたしがいます。 トマトは野菜か果物かについてはとりあえず措くとし…

裁量

3月28日、晴れのち曇り。今日、東京は桜が満開らしい。僕はまだ見ていないが、お客さんの何人もがそのように言う。やはり桜は特別なんだな。 数日前。仕事で草加に行ったHさんから帰りが遅くなると連絡があったのが17時過ぎ。そんなら外で晩飯食うわと応じ…