川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

食べ物

西川口へ

何日か前の明け方にみた夢。北千住駅か池袋駅かどちらにも部分的に似ているターミナル駅前広場。曇天の空に変わったかたちのヘリコプターが何機も重なるように飛んでいる。かなりの騒音で、皆上空を見ている。すると突然、あらゆるヘリコプターの底が開いて…

アクアパッツァ

秋の美しい日というのがある。空は澄みきって微風が頬をなでる。高いところを飛んでいるジェット機の機体の白がやけにくっきり見える。落ち葉を踏みわけ土の路を進むと鳥の啼き声があらゆる方向から聞こえてくる。 翌日が雨予報だったので、この日老若男女が…

パンクチュアル

ティンダーを駆使して外国人女性と頻繁に会っている日本人サラリーマンのブログを覗くのだが、彼がよく書いているのが外国人女性と待合わせをする際は常に相手の1時間の遅刻を覚悟せよ、または甘受せよ。相手は悪びれもせずにあらわれる。ひどい場合には平気…

閑雅な午後

今年は詩人萩原朔太郎の没後80年でいろいろのイベントをやっているみたいだ。僕は詩というのはほとんど読まないのだが、この人と建畠晢、松浦寿輝は読む。 ある休日、池袋西口北でHさんと落ち合って、先日改装中で空振りだった火焔山で昼飯を食う。その後ル…

非凡(庸)

Aと半年ぶりに会った。彼女の妊娠が知らされ、つわりがひどく寝てばかりいる、本業にも差し障りがあると聞いていたので、そこから月に1回程度具合を訊ねるラインをこちらから送るだけだった。返事は都度あったので繋がってはいた。Aの副業はレンタル彼女だ…

タッチパネル

午後から池袋で仕事があるというHさんに、じゃあその前に火焔山で蘭州拉面と羊肉串を一緒に食おうと誘い、電車を乗り継いで久々この街に降り立った。彼女がいつも最短距離で店にたどり着けないと言うからおれが前を歩く。すると、遠目にもなにやら店の様子…

猫の額公園の遊具

明け方に夢をみた。母親が出てくる珍しいものだ。昔住んでいた川沿いのマンションの一室とおぼしき部屋に布団を敷いて母親が寝ている。彼女もおれも実際より若返っているようだ。朝の早い時間だと思うが、おれはすでに起きており、ベランダに行くとそこには…

オトナのパフェ

山の上ホテルのコーヒーパーラーでたのんだ洋梨のパフェは写真で見ると丸ごと一個どんと上に乗っかっており、同行の24歳女性とこりゃすごいねと言い合った。それが運ばれてくると、「こちら飴細工になっております。カポッとはずせますので」と言う。えーそ…

謝った話

午前11時25分。インド料理店に男の客は僕いちにんだった。奥の大テーブルもその手前のににん席も僕よりふたまわりは若い女性たちが陣取っている。インスタグラーム用をすでに2枚か8枚撮り終えているだろう。料理も内装も調度品も〈映える〉異空間なのだ。「…

八月のブルーベリー

頭髪の薄毛化並びにパーマネントウェーブ化が急進的に進む壮年です。薄毛はともあれ、パーマネントウェーブが加齢ともに著しくなることがあるのですね。今回もよろしくお願いします。 8月この時期のブルーベリー狩りはもう終わりかけている印象だが、Hさん…

東京湾

退院翌日の昼にMと会う約束をしていたが、1時間前に連絡がきて、ギリギリまで頑張ってみたんですが吐き気と下痢が止まらないのでリスケしてもらっていいですか麻酔後遺症みたいです、とあった。退院翌日はちょっとムリがあるかなと思っていたので、わかった…

昼晩羊肉串

Mは自分から何が食べたいとは積極的に言わない。ただ、会話の中で辣過ぎるものは苦手とか、酢飯があまり好きじゃないからみんなほど鮨は食べないとか、大人の苦味?にはまだ慣れられないとか、得られた情報は忘れずにランチやサパーの店を選択している。 数…

ハモの梅肉和え

今日は7月4日。風が暦をめくるようにいちねんの半分が過ぎた。最近はこの時期とは思えない猛暑で、きのう日曜日は少しマシなような予報だったが、結局猛暑日になった。おれはHさんの実家から送られてきた白茶を熱い湯で飲んでいる。冷たい炭酸や酒も飲む。 …

長い夏の始まり?

本日6月27日、関東甲信観測史上最速で梅雨明けしたんですってよ。長い夏の始まり? 灯台のTシャツを着ていたからか、匝瑳・旭までで帰ろうと思っていたのが、銚子まで足を延ばしてしまう。涙ぐましいブルーの空がどこまでも広がって、それに夏の海のブルー…

壮年の衰え

注文する人が少ないのか、他のスイーツ系カップがいくつも置いてあるのにこれは1個しか準備されていない。売れた状態じゃないように思う。 ぽつねんと在る。そういうものをたのんでしまうわたしがいます。 トマトは野菜か果物かについてはとりあえず措くとし…

裁量

3月28日、晴れのち曇り。今日、東京は桜が満開らしい。僕はまだ見ていないが、お客さんの何人もがそのように言う。やはり桜は特別なんだな。 数日前。仕事で草加に行ったHさんから帰りが遅くなると連絡があったのが17時過ぎ。そんなら外で晩飯食うわと応じ…

火の国のA

そそり立つ壁の駅ビルをぺデストリアンデッキ側から撮る。午前11時48分。SあらためAが見慣れたベージュのトレンチコートを纏って近づいてくる。小走りで、軽く会釈しながら。その動作を174プラスややヒールの彼女がやることで背ぇ高の風がふわりと起こり、…

早められた時刻と女性のおごり

土曜日。外回りの最中にコーヒーゼリー(CJ)をさっと1個掬う。それがハゲマルの日常。皆がコーヒーを1杯啜るように。ここのやつは数種類から選んでソフトクリームをのっけられるのだが、14時からMとカフェで待ち合せがあるので控える。ジェリー本体の2倍か…

リゥサンオオタカノセン

最近置いていない店舗に行くことが続いたが、今日はこのうまいコーヒーゼリー(CJ)にありつけた。 リゥサンオオタカノセン。Hさんが初めて降り立った駅の名を呟いた。快速がシームレスの線路を滑っておよそ20分。乳白色の空の下、午前11時到着。今日の目的…

すなわちCCJ

このクラッシュドコーヒーゼリーすなわちCCJを気に入ってしまい、また来た。円形テーブルの席を選び、昭和大箱喫茶の名残りの女神を臨む。先日、Mが初めて北千住の地を踏んだ。夕方から急に冷たい風が吹いた日で、僕は犬橇も可能なコートを着込み、約束のペ…

・串店にて

〈この階段は88段あります〉と上り口横の壁にデカデカ表示している。そのように書かないと地上まで長過ぎるとクレームが来たのだろうし、今後も来ると考えたのだろう。狭い階段はたしかにそこまでの段数があるように見えない。せいぜいその1/3といった風情だ…

談話室にて

29日夕刻、日暮里の談話室にいた。ここのところHさんからの連絡がなく、春節(旧正月)の準備で忙しいのかなと思っていたが、今朝方微信にメッセージが届き、案の定そうだった。向こうは31日から一週間休み。見渡すと広い店内は半分以上の席が埋まっている…

コーヒーとパン

神戸の祖母は、わたしが今まで見た中でもっとも衰弱していた。施設の部屋にまず母親が入って、「あれ、いない。トイレー?」と呼んでいる。中から呂律の怪しい応答があり、後ろのわたしにも聞こえた。「電気消してるの。点ければいいじゃない」と母親がスイ…

ギリシャ型の趾

Tはリモートワークなのかな、会社に通っているような話もしていたが、ほとんど毎日喫茶店には行くという。2軒ハシゴすることもままある。カフェと言ってもいいのだが、僕と最初に行ったのが上野のギャラン、そののち丘だったからこれらはやっぱり喫茶店と呼…

紫のイルミネーション

22日夜。ミッドタウン日比谷にいた。ここには初めて来たが、都心らしい洒落た空間だ。時節柄人も多く、皆おめかししている。外は寒くてマスクの中で洟を垂らすほどだったが、こうやって見ると紫のイルミネーションはわりかし好き。同い年の女性と話したが、…

四合瓶

昨晩はあまりない出来事ですが、仕事で知り合った女性と高架下の店で飲みました。オミクロン株が世界で増殖している中、日本の現状はそれほどでもなく、師走のイルミネーションも華やいでいますし、この機を捉えて行きましょうよとなったのです。業界組織の…

アンチョビフィレ

昨晩、ウォーキングのあとにひどく腹がすいてしまい、Hさんが3階にいるのをいいことに、冷蔵庫の脇にある階段下の収納スペースからクラッカーの箱を引っ張り出し、中身を開けるとちぎったスライスチーズをのせ、その上にスカーリアさんのアンチョビフィレを…

同じメニュー、打包、そして猪に抱きつく

立ちっぱなしの試験監督員を終え、会場から駅までの坂を下る。徒歩だと10分以上かかる。雨はやんでいた。切ってあった携帯の電源を入れ、Mにメッセージを送る。この新駅の周辺は再開発の最中で、広い敷地がフェンスで囲まれ、クレーン車のアームだけが覗いて…

食卓

帰宅したらモモさんがいた。 僕が2階で着替えているあいだ、食卓に手際よく料理の器が並ぶ音、Hさんと彼女が上海語で雑談する声が聞こえてくる。お互い早口で声が大きい。下りていくとコップに氷を入れ、自家製梅酒を注ぐのが僕の役目。お喋りのやまないふた…

锅包肉をぶら下げて

Mは勤め先の病院を休んでいるという。そのあいだほぼ臥せっていて体重が4kg減った。ただでさえ瘦せ型なのにそこからの4kgはおれの4kgとはわけが違う。化粧もほとんどしていないが、顔の皮膚は青白く、目がいつも以上に大きく見える。病み上がりそのものとい…