川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

昼晩羊肉串

Mは自分から何が食べたいとは積極的に言わない。ただ、会話の中で辣過ぎるものは苦手とか、酢飯があまり好きじゃないからみんなほど鮨は食べないとか、大人の苦味?にはまだ慣れられないとか、得られた情報は忘れずにランチやサパーの店を選択している。

数日後に円錐切除手術を控えた彼女に何が食べたいか訊いてみた。半ば予想していた答えが返ってきた。羊肉串。一年半前に(彼女は初めて)食べて以来、大好物=ファンになっていた。それが最近しばらく食べていなかった。というわけで、御徒町でMと会って羊肉串15本。他に拌干豆腐、セロリと春雨の炒め。椰汁。

f:id:guangtailang:20220717213415j:image雨で濡れた路面を歩き、地下に降りると、反対のプラットフォームに向かうMに頑張れよと言い、一部マニキュアのとれた手を握った(手術のため取らなきゃならないので剝がれるに任せている)。つづいて彼女がフィストバンプをやった。マスク越しににこにこ笑っていた。次会う時は退院の翌日だ。

f:id:guangtailang:20220717213402j:imageHさんから30分程前にラインが入っており、西川口にいるからこないだ話した店で羊肉串を食べようと言う。昼晩羊肉串かとは思ったが、こういう日もあるだろうと思い、なにせおれも羊肉串は好きなのだしと思い、わかった行くよと返事した。ただ、一度事務所に寄って用事を済ませなければならなかったので、西川口に着いたのはそれから2時間後だった。

f:id:guangtailang:20220717213411j:image羊肉串、牛筋串合わせて20本。〈普通〉じゃなく、〈辣〉がうまいのだという。といって辣過ぎることはない。Hさんがおれに引き合わせたかったという三ノ輪に住むZさんとさんにん。この人がHさん呼ぶところの小电车(東京さくらトラム)に乗って一緒に買い物に行った相手だな。あとでわかるが瀋陽人で、张学良や老边饺子馆、玫瑰大酒店の話題でHさんそっちのけで盛り上がった。北陵公园の湖を吹き抜ける風、五爱市场の北京ビキニおっさん、九・一八历史博物馆の記憶がよみがえる…。ふたりはさほど食べなかった。

その後、三ノ輪のZさんのマンションでしばらく雑談し、午後10時帰宅。そこのベランダからは気持のいい風が入ってきて、電車の走る音が聞こえ、スカイツリーが光っていた。

f:id:guangtailang:20220717213406j:image翌日はバラも終わった旧古河庭園に行きました。人気も少なく夏の静かな空間で、撮影不可の洋館の石造りのテラスにて紅茶とパウンドケーキを食べました。不意にセミが鳴き始めます。Hさんは特に何という場所でもないが、涼しくて風が気持ちいいと言いました。