川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2021-01-01から1年間の記事一覧

過ち

やはりこれを書かなければ年は越せないと思うから書く。24日の夜、Mと会った。上野の千里香に事前連絡したのだが、金土日の2名の予約は受け付けていないという服務員の返答で、僕は定刻より早めに店に行って並ぼうとした。が、クソみたいな仕事が入り、結局…

紫のイルミネーション

22日夜。ミッドタウン日比谷にいた。ここには初めて来たが、都心らしい洒落た空間だ。時節柄人も多く、皆おめかししている。外は寒くてマスクの中で洟を垂らすほどだったが、こうやって見ると紫のイルミネーションはわりかし好き。同い年の女性と話したが、…

174+

M駅でSが黒のダウンコートを着て姿勢よく立っていると、それはもうすぐに目につく。ランフホを停めて、運転席から手を振る。彼女は乗り込み、九州土産の西郷どんの黒豚みそをくれる。 往路で事故渋滞。銚子には昼前に着くはずが、13時に近くなってしまう。…

四合瓶

昨晩はあまりない出来事ですが、仕事で知り合った女性と高架下の店で飲みました。オミクロン株が世界で増殖している中、日本の現状はそれほどでもなく、師走のイルミネーションも華やいでいますし、この機を捉えて行きましょうよとなったのです。業界組織の…

照らされつづけて

冬は天候が安定するから5日の日曜日が晴天なのは結構前からわかっていた。それにしてもいい天気だった。そのぶん、筑波山頂は人が多かった。老若男女、本格装備、軽装備、ふつうの恰好、ヒール靴、いろいろいる。Mにとっては久しぶりの山だという。 午前8時…

ひずむような

或る土曜日。午後4時15分。池袋サンシャイン60の展望台で。ちょうど日の入りが迫っていた。地平線がひずむような日没で、その場に立ち尽くし、しばらく見とれた。途中から涙が滲むのが自分でわかった。 周囲を見回すと、ここは随分と空いている。ほんとうに…

壮年の、夕陽の、

頭の中がグルグル回転しているわりに考えが少しもまとまらない。感情が乱れ飛んで交錯している。だから、土曜日にあったことを時間通りに記すのみだ。 朝、点けっぱなしのテレビの前にふたり座っていた。横浜の新しく開業したロープウェイが映っている。しば…

無題

昨晩、ほんとうに久しぶりに同じ組織の同業者たちと一堂に会して話し合い、そこは割烹料理屋の二階だったから、その後飲み食いもした。ただ、議論の渦中にいるにもかかわらず、皆の声が遠くで聞こえているような感覚が幾度もあった。距離を感じ、親密さを感…

関東平野の夕日

午後4時半、関東平野の道を走る。進行方向に綺麗な夕焼けが見え、助手席からそれを撮る。Hさんの帰国が迫り、その前に一度と両親、犬と一緒に出かけた。脊柱管狭窄症を患う母親が長時間のドライブに耐えられないので、つくばとその周辺。 竜ヶ崎市(人口7万…

ストーリーという名のホテル

『余白のランナー』が届いた。この詩集所収の「下痢の止まらぬ女」「中腰の女」は大学時代の友人KやIと話したことあるなあと思い出した。後者に関してはTさんに心酔していたIがゼミナールの時にTさんがここに中腰の女が見える、とセザンヌの何かの絵画…

映画と詩集に関するメモ

酒量を間違えたか、ウィスキーウォーキングに出る前に自室で寝落ちしてしまう。それでも絨毯に倒れ込んでいた状態からムクリ起き上がり、8時半前にウォーキングに出発する。階上でHさんの電話する大声が聞こえる。 土手沿いを歩く人もまばらだが、時間が少…

強化された湯飲みを

年賀状の早割り25%オフを適用させるため、西新井の行きつけのカメラ店に赴く。正月を意識するのも早いのだが、その店が入る商業施設の入口には高さを変えたいくつもの消毒液とともに大きなクリスマスツリーが置かれている。 夕刻、電車の中からHさんにライ…

オレンジ外灯

書棚の整理をしようとして余計散らかってしまうというありふれた現象。やりながらウィスキーをたいして飲んでいるわけじゃない。WW(ウィスキーウォーキング)の時の方が多いくらいだ。だから途中で怠くも眠くもなっていない。こうしてブログを書いている…

ふたりの恩師

書棚の整理をしようとして余計散らかってしまうというありふれた現象。やりながらウイスキーをたいして飲んでいるわけじゃない。WW(ウイスキーウォーキング)の時の方が多いくらいだ。だから途中で怠くも眠くもなっていない。こうしてブログを書いている…

文化の日、Tさんの図録は完売していた。

北関東を経巡っているおれだけど、群馬県に最近あまり行ってない気がしていた。藪塚のスネークセンターに行ったのが最後かな。判然とは思い出せない。〈缼けたる鼎談〉の余韻がまだ脳裡に響いており、群馬の神社に行こうと思って最初に浮かんだのは三夜沢の…

氷塊

小雨。池袋西口の表記がややこしくなって、Mからそれで何口でしったっけ?とラインが来る。わしもようわからんのだけれども、西口北ですかのお。フクロウのところに立ち、正面ばかり見ていたら後ろからポンと肩を叩かれた。髪の色を黒に戻し、ダーマペンの効…

中年女

高橋揆一郎「伸予」(1978)をペーパーバックで読む。いい小説だった。女教師が昔の教え子の男と30年ぶりに再会する(ふたりはすでに50手前と44歳)。単簡に言ってしまえばそれだけの話なのだけれども、それをこんな風に書けるなんて。伸予というのは女教師…

アンチョビフィレ

昨晩、ウォーキングのあとにひどく腹がすいてしまい、Hさんが3階にいるのをいいことに、冷蔵庫の脇にある階段下の収納スペースからクラッカーの箱を引っ張り出し、中身を開けるとちぎったスライスチーズをのせ、その上にスカーリアさんのアンチョビフィレを…

奇人たち

日曜日はふたりの人物と会い、濃密な時間を過ごした。まず、ひとり目。大学時代の友人K。神保町はすずらん通りの東京堂書店1階で正午に待ち合せする。彼とは学生当時、働き始めてからも、しょっちゅう神保町で会って、その辺の喫茶店でお喋りしたものだ。コ…

乾燥機が回っているあいだに

冬なの? 今日は12月下旬だかの気候ですって。雨も降ってるし、さすがにウォーキングはやらないと思っていた。ところが、午前中に用意した海外渡航用のワクチンパスポートの申請書がいろいろの写しを添付しなきゃならないようで、それらの元をHさんに借りて…

ウォーキング

昨日は満月だったのだが、また地上の風景を撮ってしまった。JR貨物の広大な敷地。調べれば、東京ドーム5個分なのだそうだ。隅田川駅と呼ばれるこの貨物集積所は北海道、東北、新潟、北陸方面から来る貨物列車の終着駅(始発駅)だという。この付近に長年住…

グルグル

歌のフレーズや小説や詩の一節でもそうだけど、なにやら毎日頭の中を同じ文句がグルグル回っていることってありますよね。最近、下のやつが僕にとってそうなんです。 〈二個の者がsamespaceヲoccupyスル訳には行かぬ〉ってどっかで夏目漱石先生は言ったんで…

同じメニュー、打包、そして猪に抱きつく

立ちっぱなしの試験監督員を終え、会場から駅までの坂を下る。徒歩だと10分以上かかる。雨はやんでいた。切ってあった携帯の電源を入れ、Mにメッセージを送る。この新駅の周辺は再開発の最中で、広い敷地がフェンスで囲まれ、クレーン車のアームだけが覗いて…

腕時計を借りに

休みだったが、明日は試験会場で読み上げ・進行があるので遠出せず。というか、明日大事な腕時計が家に見当たらず、昨晩事務所に探しに行ったがそこでも見当たらず、腕時計を借りに行きますと両親のラインに送った。ここ半年以上、腕時計をつけていないから…

職場でロマンポルノのチラシを広げる。

全国的に感染者数が唐突に減って、東京も連日100人に満たない。そうゆうこともあり、友人たちとのあいだで少人数で集まろうという話がいくつか出てきた。業界の方は少人数ということがなかなかできないので、わたしの今いるポジションもやれることが限られて…

サルに長い柄の先のスプーンでエサをやるということ

10、11日とHさんの帰国(これがまた困難なのだが)までに一度温泉へという以前からのリクエストを実現すべく鬼怒川へ。Hさんの妹の娘ルルの婚礼、朋友のモモさんの帰国(嘘かと思うが、上海までの片道航空運賃が20万を超えるという)が10日で、Hさんも家にい…

大地震と映画に関するメモ

10月7日午後7時20分。隅田川。 昨晩10時41分に大きめの地震があった。その時、僕は1階で風呂上がりの耳掃除をしていて、スマホの警報音がけたたましく鳴り、すぐ来た。お、これはかなり大きいやと3階のHさんに伝えに行こうとしたら、声を上げながら向こうか…

140文字

コーヒーゼリーと対峙しながら、9年前の出来事に思いを馳せる。わたしの最初の妻よりHさんの方が知り合ったのは先だから、ちょうどこの頃なのだろう。下の中文は当時ハルピンの方(2名)からいただいたものだ。結果的に関係なくなってしまったが。わたしは36…

秋の日はつるべ落とし

Hさんから西川口の用事で遅くなる旨連絡があったので、スーパーで総菜を買い、昼の残りのパンプキンスープと合わせて15分で食い終わると、なぜかウイスキーを飲み始めてしまい、いかんいかん順序が逆だと、それからウォーキングに繰り出した。川沿いの土手を…

川をゆく

昨日の晩は雷が鳴っていた。その時僕は家の2階にいて、夕飯を食ったばかり。階下でHさんとモモさんのお喋りする声が聞こえる。そのはざまにいかずちが聞こえてきた。それで自転車で錦糸町から来たモモさんは帰るのを早めることにした。雨はちょっと降ってい…