川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

談話室にて

f:id:guangtailang:20220129214625j:image29日夕刻、日暮里の談話室にいた。ここのところHさんからの連絡がなく、春節旧正月)の準備で忙しいのかなと思っていたが、今朝方微信にメッセージが届き、案の定そうだった。向こうは31日から一週間休み。見渡すと広い店内は半分以上の席が埋まっている。斜め向かいの席でメガネのマダムと黒装束でまとめた禿げおやじ、あともうひとりのおっさんがコロナ状況について活発に議論している。聞こえてくるから聞いてしまう。歯切れよく、変な衒いなく、下町等身大とでも言おうか、好感が持てるなと生姜焼き弁当を食べながら思った。

f:id:guangtailang:20220129214633j:image自宅の最寄駅に自転車を置いてあり、日暮里から電車で数駅だが、腹ごなしに徒歩で向かうことにする。そんなに寒いという感じもない。日光街道を横切り、上の通りを歩いた。人影はほとんどない。しめやかな音量でジャズのピアノトリオが流れていて、なんともエモい気分になる。この通りはもう何十年前の少年時代から知っているし、何度も通ってきた。昔は個人商店の集う小さな商店街だった。今は商店の多くが専用住宅に変わっている。ピアノトリオをこんな聞こえるか聞こえないかの音量で流す夜の住宅街は22時に錯覚する(実際は19時台)。

f:id:guangtailang:20220130221137j:image30日午前、Mに会う。彼女は子宮頸がんの円錐切除術を受けたのだと思っていた(本人もそう言っていた)が、医師の判断によりもっと前段階の処置をされたらしい。Mはそれを〈削られた〉と表現する。また二か月後に削るという。それで削りきれなかったやつを円錐切除するらしい。僕の知り合いで円錐切除術を受けたことにより病気のさらなる進行程度がわかり、結局子宮全摘に至った人がいる。Mは円錐切除の適否を先延ばしされたのか。ふーんと聞くしかなかったが、話す本人にも腑に落ちない感じがあるのがわかった(4時間待たされて、終わった頃には訊く気力もなかったという)。

前に見たことのある遺伝子検査キットの分析結果をもう一度見せてもらう。唾液で分析するやつ。Mにフランス系アメリカ人の血が1/4入っているのがわかるし、シェーグレン症候群発症のリスクが高いのもちゃんと出ている。

f:id:guangtailang:20220130221151j:image実は僕も興味がある。やってみたい。Mによればアマゾンで値段の変動はあるが15,000円位でキットを購入したという。