川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

早められた時刻と女性のおごり

f:id:guangtailang:20220227185735j:image土曜日。外回りの最中にコーヒーゼリー(CJ)をさっと1個掬う。それがハゲマルの日常。皆がコーヒーを1杯啜るように。ここのやつは数種類から選んでソフトクリームをのっけられるのだが、14時からMとカフェで待ち合せがあるので控える。ジェリー本体の2倍から8倍のカロリーがあるだろう。

f:id:guangtailang:20220227185748j:image14時というのはMの都合で30分早められた時刻で、ハゲマルは早々と仕事を切り上げ自転車で浅草に向かう。風が少し強いが澄みきった空に陽光の温みを感じられて行楽客が繰り出すのもわかる。和装にブーツでそぞろ歩く若い女性たち。苺スイーツ専門店を開いた柏原収史氏が店頭で客の相手をしており、彼はその背後を通り過ぎた。顔の大きな人だった。メンチカツ店の行列は最後尾が道路の真ん中まではみ出している。ノルウェイ発祥のカフェに到着し、店内をのぞくとどうやらふた席空いている場所がない。螺旋階段を上り2階もみたがこちらは満席。1階窓際の若い女性ににん組が席を立つ素振りなのでその付近に突っ立って待つ。

化粧っ気の少ない顔のMがラインのメッセージを打っているのが見える。〈中にいます?〉〈目の前。ガラス越し〉。見慣れたコートを纏った彼女が店内を見回しながら近づいてくる。「雰囲気いいですね、ここ。最初たっちーと来たんでしたっけ」「いいよもう。終わった話は」。リアルチャイとそば蜂蜜レモネード、スモークサーモンやクリームチーズののったワッフルをたのみ、Mがおごってくれた。この日が彼女と知り合ってちょうど1周年で、そのことを思い出したが、あとで言うと彼女にその意識はなかった。Mは来月39になる。その4日前にハゲマルは46だ。

f:id:guangtailang:20220227185818j:image日曜日。11時45分に北千住駅でSと待ち合せ。トレンチコートを揺らしながら細長い彼女があらわれ、自動改札機を颯爽と通り抜ける。かと思いきや、バチコンとフラップドアが閉まる。いつもはスマートウォッチなのに今日は珍しくカードで料金不足。ペデストリアンデッキを歩きながら昔この街に住んでいた話をまたするハゲマル。ちょうどこのデッキを建設中だった、今はなきツタヤに週3回は立ち寄っていた、反対側の商店街を歩いた先に行きつけの中華料理店があったなどと。話していて楽しい、結局この街が好きなのだな。Sの予約した旧日光街道沿いのレトロな飲食店でランチ。ハゲマルのたのんだ定食の中に梅水晶という洒落た品があった。店内を見回すとカウンターを残して満席。女性が7割くらいの印象。90分制。店を出て脇の路地を進むとオオカミマークのこれまた瀟洒な飲食店がある。〈ずっと行ってみたかったお店です〉とあとでラインが来たから、次はここかもしれない。その後、水道管ゲームをやれるテーブルの広さを求めていくつかのカフェをのぞき、駅前の珈琲店に落ち着く。カードを広げているので服務員も飲み物の置場に困っていた。「同じく液体を相手にしてるんだからいいんですよ」「そうですよね」。光線の具合なのかSの胸元がやけに白く、なぜここで水道管ゲームをやっているのか度々わからなくなったハゲマルである。急遽夕方に予定が入り、15時までと早められた時間に恐縮したSがカフェ代をおごってくれた。

f:id:guangtailang:20220227185826j:image16時。今日も観客が3人だったブルースタジオで大島渚『太陽の墓場』(1960)を初めて観る。勝手に白黒の気がしていたので、カラーなんだとまず思った。今この映画にアクチュアリティがあるのかないのか、それは観た本人が決めればよろしい。ハゲマルは断然『青春残酷物語』を推す。