川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

ウォーキング

昨日は満月だったのだが、また地上の風景を撮ってしまった。JR貨物の広大な敷地。調べれば、東京ドーム5個分なのだそうだ。隅田川駅と呼ばれるこの貨物集積所は北海道、東北、新潟、北陸方面から来る貨物列車の終着駅(始発駅)だという。この付近に長年住…

グルグル

歌のフレーズや小説や詩の一節でもそうだけど、なにやら毎日頭の中を同じ文句がグルグル回っていることってありますよね。最近、下のやつが僕にとってそうなんです。 〈二個の者がsamespaceヲoccupyスル訳には行かぬ〉ってどっかで夏目漱石先生は言ったんで…

同じメニュー、打包、そして猪に抱きつく

立ちっぱなしの試験監督員を終え、会場から駅までの坂を下る。徒歩だと10分以上かかる。雨はやんでいた。切ってあった携帯の電源を入れ、Mにメッセージを送る。この新駅の周辺は再開発の最中で、広い敷地がフェンスで囲まれ、クレーン車のアームだけが覗いて…

腕時計を借りに

休みだったが、明日は試験会場で読み上げ・進行があるので遠出せず。というか、明日大事な腕時計が家に見当たらず、昨晩事務所に探しに行ったがそこでも見当たらず、腕時計を借りに行きますと両親のラインに送った。ここ半年以上、腕時計をつけていないから…

職場でロマンポルノのチラシを広げる。

全国的に感染者数が唐突に減って、東京も連日100人に満たない。そうゆうこともあり、友人たちとのあいだで少人数で集まろうという話がいくつか出てきた。業界の方は少人数ということがなかなかできないので、わたしの今いるポジションもやれることが限られて…

サルに長い柄の先のスプーンでエサをやるということ

10、11日とHさんの帰国(これがまた困難なのだが)までに一度温泉へという以前からのリクエストを実現すべく鬼怒川へ。Hさんの妹の娘ルルの婚礼、朋友のモモさんの帰国(嘘かと思うが、上海までの片道航空運賃が20万を超えるという)が10日で、Hさんも家にい…

大地震と映画に関するメモ

10月7日午後7時20分。隅田川。 昨晩10時41分に大きめの地震があった。その時、僕は1階で風呂上がりの耳掃除をしていて、スマホの警報音がけたたましく鳴り、すぐ来た。お、これはかなり大きいやと3階のHさんに伝えに行こうとしたら、声を上げながら向こうか…

140文字

コーヒーゼリーと対峙しながら、9年前の出来事に思いを馳せる。わたしの最初の妻よりHさんの方が知り合ったのは先だから、ちょうどこの頃なのだろう。下の中文は当時ハルピンの方(2名)からいただいたものだ。結果的に関係なくなってしまったが。わたしは36…

秋の日はつるべ落とし

Hさんから西川口の用事で遅くなる旨連絡があったので、スーパーで総菜を買い、昼の残りのパンプキンスープと合わせて15分で食い終わると、なぜかウイスキーを飲み始めてしまい、いかんいかん順序が逆だと、それからウォーキングに繰り出した。川沿いの土手を…

川をゆく

昨日の晩は雷が鳴っていた。その時僕は家の2階にいて、夕飯を食ったばかり。階下でHさんとモモさんのお喋りする声が聞こえる。そのはざまにいかずちが聞こえてきた。それで自転車で錦糸町から来たモモさんは帰るのを早めることにした。雨はちょっと降ってい…

ぬるっとした感触

風だけ残った。夕方に雨はやんで、退勤の人らがぞろぞろ外に出始めた。皆傘を畳んでいるが、強風で帽子を吹き飛ばされた人を見た。 Hさんはいちにち蟄居。口内炎をふたつもつくっているから、寝てればと出がけに言ったが、ほんとうに3時間くらい眠ったらしい…

腹上の本

『回想のブライズヘッド』というおもしろい小説を読んだ後につづけて『緑の家』を読んだのだが、何頁もいかぬうちに放擲した。全然のれなくて、これを読むのは今じゃないなと思った。最初、文字の密度の濃い描写が数十頁つづく。密林の中に修道女を乗せたボ…

北や南、それから記憶の

村上春樹の小説「中国行きのスロウ・ボート」の書き出しで、自分が最初に出会った中国人は誰だったかみたいなのありませんでしたっけ。僕は村上春樹好きでも嫌いでもないから、昔読んだっきりの記憶ですけど。その顰に倣うとすれば、僕が初めて出会った中国…

けうとい夕刻の道を

今日は躰がだるかったな。外回りも無く事務所でデスクワークだったから2千歩にも達していない。一度駄目になった話が思わぬかたちで復活したのはよかった。禍福は糾える縄の如し。帰宅して飯の前に体重計にのったら79kgに戻っていたが筋肉で重くなっているの…

碧いスーツケース

朝、スーツケースのナンバーロックの番号を忘れたとHさんが騒いでいる。この碧いスーツケースはこのあいだ買ったばかりで、三桁の番号はたしかふたりで決めたのだったが、わたしもまるで思い出せない。彼女はわたしを責め立てる。あなたの記憶力は落ちたわね…

アッシュグレーの休日

散髪に行く。外はからっと晴れて気持ちがいい。いつもの美容院。客はそこそこ入っているが、不思議にどこかがらんとした印象だ。ちょっと考えて、今日は入口に座って待つ客がいないからかもしれない。それと、下町の店だから客のなかにお喋り好きが2人か8人…

冒頭

今日気がついた。近所の商店街━といって御多分に洩れずシャッター閉まりぱなしの店ばかりだが━にある書店が今月15日で閉店していた。老夫婦でやっていた。シャッターに手書きで〈閉店しました〉とあり、両サイドのタイル壁に印刷されたわりかし長文の紙面が…

食卓

帰宅したらモモさんがいた。 僕が2階で着替えているあいだ、食卓に手際よく料理の器が並ぶ音、Hさんと彼女が上海語で雑談する声が聞こえてくる。お互い早口で声が大きい。下りていくとコップに氷を入れ、自家製梅酒を注ぐのが僕の役目。お喋りのやまないふた…

紹興のひと

連休には過去にもこうゆうことが2回か8回あった気がする。それがいつどこでとゆうところまでは憶えていないが。特に天候の悪い休日が過ぎ、晴れ渡った翌日など雨後の筍のように人出が凄く、それを捌く方も大変は大変だ。今日みたいに。 洗濯物を干していた時…

サスペンダースカート

台風本体が徐々に関東に近づいてきて、外はドシャ降りだ。以前からこの日ちょろっと会う約束をしていたシーシー氏に「飛行機飛ぶの?」とラインで送る。ほどなくして「どうなんですかねえ」と返ってきた。「じゃあ、とりあえず羽田行くわ」と送る。彼と会う…

ありふれた日常に関する覚え書

こちら、雨はまだ降っていない。風も吹いていない。テレビでは九州の福津市付近に上陸したと言っている。今夜半からか。天津甘栗を買ってきてくれろとHさん。あれ美味しいでしょ。大きめのパックに小分けされたパックがいくつか入っている、河北省産のやつ。…

ラブラドールの貌

台風か温帯低気圧が接近しているから土手を吹く川風は強めだった。プロムナードまで下りていくとさらに強く、お帽子を飛ばされぬよう後頭部のバンドをきつく締める。マスクをとってもこの場所なら構わない。Hさんは北関東の道の駅で買ってあげた蝙蝠Tシャツ…

锅包肉をぶら下げて

Mは勤め先の病院を休んでいるという。そのあいだほぼ臥せっていて体重が4kg減った。ただでさえ瘦せ型なのにそこからの4kgはおれの4kgとはわけが違う。化粧もほとんどしていないが、顔の皮膚は青白く、目がいつも以上に大きく見える。病み上がりそのものとい…

壮年は長編を読む。

ふと点けたテレビでビル・エヴァンスの特集をやっていた。今でもたまに夜聴いたりする。仕事から帰って食事し、ウォーキング、風呂に入って、そこからがちゃがちゃした音楽や歌詞の意味が否応なく耳に入ってくる曲は聴く気にならない時もある。ビル・エヴァ…

ちゃんと苦く

Hさんは6日の午前中にモデルナの2回目を打ったが、その晩も翌日も強い副反応はあらわれなかった。体温も最高で36.8度まで上がっただけで、打った腕が重いのと少し頭痛がするという程度。8日にはぴんぴんして自転車で買い物に行った。ただ、その晩のウォーキ…

グィフ・イートイン

毎日スムースに排便できること、自転車に乗れること。痔核根治術を受けた後ではこれらが当たり前じゃないのだと常に肛門に感謝しています。ひとは誰しも躰のどこかを故障して、その状態が深刻であればあるほど、何も異常のなかった時のありがたみを知るもの…

曲者のさむけ

ついたちの夜から注射した部位が腫れてきて、いよいよかなと思ったら左腕だけじゃなく右腕も、それらだけじゃなく背中、上半身全体が筋肉痛になった。その時点で体温を測ると36.9度で、平熱よりは高いが、まだ発熱というほどじゃない。しかし、さむけがきた…

淋しい九月

先月4日に来た時は真夏の照り返し。今日は白い空から時折小雨がぱらつく。モデルナに関しては連日異物混入や、2回目接種した30代基礎疾患ない者の原因不明死が喧伝され、なんだか不穏な中での接種となった。時間通り会場に着くと、わたしの接種を担当した人…

青と白と緑

この休日はHさんとその朋友のモモさん主導でどこかへドライブすることはあらかじめ決まっていたのだが、どこへというのは前夜にあなた決めなさいと言われた。わたしたちは外国人で詳しくないのだから。鍵の一件でモモさんには面倒をかけたから、彼女の行きた…

高速高架下音頭

夕飯のあと、ウレタン敷きのジョギングコースを歩く。今夜は川向こうの高速高架下に提灯の連なりが見え、そこから音楽が流れてくる。振り向くと、Hさんが立ち止まって向こうに目を凝らしている。興味あるのと訊くと、あるよとそのまま踵を返して橋を渡りそう…