川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

壮年時代

頭になんとなく靄がかかっているようで、ぼんやりしている。 YouTubeにあがっていた1980年代初頭のトーク番組『悪友親友』から。タイトルの中に「1980年頃」とあったが、ふたりのトーク内容(1932年1月生まれの藤田敏八監督が来年大台〈50歳〉に乗るとか、原…

オトナのパフェ

山の上ホテルのコーヒーパーラーでたのんだ洋梨のパフェは写真で見ると丸ごと一個どんと上に乗っかっており、同行の24歳女性とこりゃすごいねと言い合った。それが運ばれてくると、「こちら飴細工になっております。カポッとはずせますので」と言う。えーそ…

県境

帰り道、「ここの船、どっち方面行ってるんだっけ?」とMが言うから、「お台場、浜離宮、豊洲…」と答えると、「渋谷の方は行ってないのかあ。行ってたら毎回船でここ来るんだけどな」と冗談のように呟く。「渋谷からは銀座線で来てくれよ。始発─終点なんだ…

泥だらけの梨狩り

足元がぬかるんでいるだろうという考えは出発前に頭を掠めないこともなかった。が、自宅周辺のザーザー降りが白井市(人口6万2千余)ではどのくらいか、おんなじくらいなら梨狩りどころじゃないだろう、下より上の方ばかり意識がいって、Hさんとも傘が使え…

謝った話

午前11時25分。インド料理店に男の客は僕いちにんだった。奥の大テーブルもその手前のににん席も僕よりふたまわりは若い女性たちが陣取っている。インスタグラーム用をすでに2枚か8枚撮り終えているだろう。料理も内装も調度品も〈映える〉異空間なのだ。「…

ひと夏の思い出─トワイライトの水辺

霧降高原の1445段(天空回廊)をゼーハーいいながらも休まずに登り切ったことを46の夏の記念としたい。この時はお天気で、上の方は汗を乾かす気持ちいい風が吹いていたが、翌朝大笹牧場へ向かう時に通ったら一帯霧に包まれていた。Hさんは麓の小屋でタオル…

八月のブルーベリー

頭髪の薄毛化並びにパーマネントウェーブ化が急進的に進む壮年です。薄毛はともあれ、パーマネントウェーブが加齢ともに著しくなることがあるのですね。今回もよろしくお願いします。 8月この時期のブルーベリー狩りはもう終わりかけている印象だが、Hさん…

待ち合せの前に

日暮里の高台の方は久しく行っていなかったから、Mとの待ち合せ時間まで下見も兼ねてぶらぶらすることにした。ランチの予約をしたインド料理店は坂を上って右側にある。まだクローズドの木板がかかっているが、店先にメニューが置いてあって見られるように…

東京湾

退院翌日の昼にMと会う約束をしていたが、1時間前に連絡がきて、ギリギリまで頑張ってみたんですが吐き気と下痢が止まらないのでリスケしてもらっていいですか麻酔後遺症みたいです、とあった。退院翌日はちょっとムリがあるかなと思っていたので、わかった…

プールサイド

梅雨がぶり返したような天気に毎日予報とにらめっこしていたが、必ずしも下田に行こうというわけじゃなかった。山や湖に行こうとも考えていた。それが仕事で細々しいことをつづけているうち、海に行きたい、涙ぐましいブルーでしこたま目を洗いたいという気…

昼晩羊肉串

Mは自分から何が食べたいとは積極的に言わない。ただ、会話の中で辣過ぎるものは苦手とか、酢飯があまり好きじゃないからみんなほど鮨は食べないとか、大人の苦味?にはまだ慣れられないとか、得られた情報は忘れずにランチやサパーの店を選択している。 数…

言葉足らず

日曜日。午前9時半、中国人のおばさん4人をクルマに乗せてブルーベリー狩りに出発。ひとりは浙江省、ひとりは福建省、ひとりは遼寧省、ひとりは黒竜江省と南北2人ずつに分かれている。僕が中国語を学び始めた頃に知り合った例の友人Jが、当時日本在住の中国…

ハモの梅肉和え

今日は7月4日。風が暦をめくるようにいちねんの半分が過ぎた。最近はこの時期とは思えない猛暑で、きのう日曜日は少しマシなような予報だったが、結局猛暑日になった。おれはHさんの実家から送られてきた白茶を熱い湯で飲んでいる。冷たい炭酸や酒も飲む。 …

長い夏の始まり?

本日6月27日、関東甲信観測史上最速で梅雨明けしたんですってよ。長い夏の始まり? 灯台のTシャツを着ていたからか、匝瑳・旭までで帰ろうと思っていたのが、銚子まで足を延ばしてしまう。涙ぐましいブルーの空がどこまでも広がって、それに夏の海のブルー…

又来了老地方

曇天。どこまでも乳白色の空。薔薇のソーダを飲む。僕の後ろに身長180くらいあるプロレスラーのような女性が並んでおり、家族連れのようだったが、その人が木のテーブルを隔てて僕の前に座った。ドリンクを持つ手に目をやるとすごく大きくて分厚かった。マニ…

海を見ていた午後

ゴルゴンゾーラのチーズケーキとカフェラテが運ばれてくるまでのあいだ、目の前の海を眺めていた。ガラス越しだと穏やかそう。 席が空くのを店内で待つことができないという謎の規則(感染防止対策の一環?)により、携帯の番号を知らせ、付近の灯台のある公…

貌が見たくて

禁煙席が空いているか訊いたら満席。地下に降りて右側の狭苦しいスペースがそれで、時代の流れに逆行して左側の喫煙席の方がはるかに広い。この店にはほんとうに久しぶりに来た。大学時代やそのあと数年は友人Kとしょっちゅう来て、当時ヘビースモーカーだ…

去年、ひたち海浜公園で

Hさんは疲労困憊し、今日は仕事を休むという。しばらく前から神経病(シェンジンビン・頭おかしい)の同僚と付き合わざるを得ず、そのストレスがすごいようだ。傍から見ていてそれがわかったので、そいつをなるべく相手にしないようにできないのかと言った…

行き止まり

『サイレント・パートナー』(1978)。ちょっと珍しいカナダ映画。派手さはないですが、配役の妙もあり、おもしろいです。おススメ。106分。 先日Mと会った時に映画『悪人』(2010)の話になった。彼女は観ており、僕は観ていない。ただ僕の脳裡にも金髪の…

思い出(8年前)

【物語の内容に触れています】 『人間のしがらみ』で、フィリップはミルドレッドに執着し、何度となく泥の布団の中でのたうちまわるわけだが、この女、他の男にとってはさほど魅力的に見えていないというのがリアルなんだな。最初、フィリップをカフェに連れ…

バラ園

高速を降りて、幹線道路をバラ園に向かって走っている。クルマの数はベッドタウンだからして非常に多い。数珠つなぎで小刻みに信号で停まる。ここまで来た時間より、ここから目的地までの時間の方がよりかかるだろう。助手席のHさんが「トイレほしい」と言…

渋滞に遭わない連休

連休といって僕は暦通りの休みでそこまでの連休でもなかったが、今年はまったく渋滞に遭わなかったのがなによりよかった。去年おととしと違いなんの自粛や制限もない中、出かけるなりに渋滞を極力避けようとして、それでもこの時期は遭うものだと思っていた…

今回の感想

『ジャンプ』(2004/竹下昌男監督)は4年前に観て、その時ちょっと考えさせられた。ただ、このたび再見して前回の感想を読むと、見方がかなり違う部分がある。また、単純な事実誤認もあった。酒飲みながら書いたのかな。まあ、今も少し飲んでいるけれども。…

眺望のいい場所

『恋人たちの時刻』(1987/澤井信一郎監督)を部屋にあったDVDで。終始晩秋のような物悲しさが底流している1本。それを久石譲の音楽がいやがうえにも盛り上げる。北海道が舞台だが、観光地然とした場所はほとんど映らない。ただ、眺望のいい場所はよく出て…

壮年の衰え

注文する人が少ないのか、他のスイーツ系カップがいくつも置いてあるのにこれは1個しか準備されていない。売れた状態じゃないように思う。 ぽつねんと在る。そういうものをたのんでしまうわたしがいます。 トマトは野菜か果物かについてはとりあえず措くとし…

まあ曇天。

春になって天気は安定しない。陽の射している時間は暖かく、雨の日は肌寒い。僕の気分もふさぐまでいかないにしろ、晴れちゃいない。まあ曇天。天気の子。そんな時の解消法として、僕の好きな時代の映画を観ようかしらとなるわけ。外国映画でもなんでもよか…

覗く

大塚でMと会う。山手線の車窓からこの街の変貌をなんとなく眺めていたが、今日は三ノ輪橋から路面電車で大塚駅前まで来た。40分くらいかかったが、久々だし飽きなかった。飛鳥山の脇の道路をカーヴしながら上っていき、そこから大通りを横切り、一直線の鉄…

ザ・役者

山崎努44歳。夏目雅子23歳。 佐藤慶52歳。 最近見たテレビドラマの貌。このドラマはNHK制作なのに夏目雅子が胸を露わにするということで有名なわけだが。 これが昭和のザ・役者の貫禄、澀さ、重厚感というものか。己の令和46歳の風貌との落差にとりあえず…

見つめる

雨空の街を見つめる女。それを見つめる男。大江千里「Rain」の気に入ったフレーズをボソボソと繰り返す。午前11時の開店と同時に入店し、焼肉のランチを食べる。Mはここの梅酒が好きで、ソーダ割りをゴクゴク飲むと、見る間に顔を紅潮させ、奥行きのあるま…

新年度

新年度にふと思いついた僕のにっかつ(日活)ロマンポルノ10選。監督一人につき一作という縛りを設けました。なんとなれば、一人の監督であれもこれもとなってくると少なくとも28選くらいになってしまうから。順不同。来年度に選んだらまた少し違うんだろう…