川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2018-01-01から1年間の記事一覧

餃子活動

30日、晴天。冬らしい凛冽な空気に頬を冷やされながら、西川口へ。Hさんの仕事仲間の餃子パーティ(饺子活动)があるというので便乗。普段全然乗らないが、京浜東北線の快速って日暮里停まらないのだった。それを失念したおれが日暮里のプラットフォームでH…

歳末

新居の3階にベッドを据えましたが、クロゼットは全部Hさんが使っており、基本的に彼女の部屋です。それはこの家を最初にふたりでみたとき、2階の和室は好まない、特に畳の匂いが気になるとHさんが云い、それならあなたが3階、2階は私の書斎にするけれど、と…

酸菜魚のスープを米にかけて啜る

高校時代世話になった隅田公園の地下駐輪場から冬の景色を撮る。いわゆる銀ぶらをしたが、私の心はあまり浮き立たない。ひらひらと店から店へ飛び廻る女性の買い物に付き合うのは、ぱっと店に入ってびゃっと目的の品を買う男にとっては苦行のひとつだが、日…

パポ

ヤマシロヤの狭い階段を5階まで上り、Papo(パポ)社のクロヒョウ、カバ、ロバを買う。今日もアジア系の客が多い。フィギュアは誰にあげるでもない、新居に飾るのだ。姿勢を低くして今にも飛びかかりそうに獲物をねめつけているクロヒョウがいい感じ。 その…

殺風景

幼少の頃、家族そろってクルマで東京駅の地下駐車場に潜ることがあり、駐車したのち父親の先導で八重洲地下街への階段を上った。時間帯は夕方とか夜だったろうか。どこかに行った帰りだったかも知れない。コンクリートの殺風景な階段空間から鉄の扉を開ける…

キャンパスノート

引っ越し後の片付けをしていると、謎のノートが出てきた。キャンパスノートに別のノートに己が手書きした文章のコピーを貼り付けるという奇妙な行為の記録である。読むと谷崎潤一郎の小説或いは谷崎に関する批評文を筆写したものだ。繰る頁、こんなのが延々…

長椅子を運べ

長椅子を運べ、とHさんの命令が下り、新居からクルマを取りに行き、マンション前に廻し、7階からえっちらおっちら運ぶ。重くはないが、いちにんで運ぶものでもないだろう。着替えてさえいないから、スーツにコートのままだ。1階でエレヴェータを待っていた人…

ゴマのナン

15日。今日も今日とて引っ越しの細々したモノを新居に運ぶ。部屋の中は乱七八糟(ルアンチーバーザオ)だ。文字通り足の踏み場もない。時を同じくして三重の桑名から名古屋へ引っ越す準備をしているE氏もツイッターで呟いている。 「おれは部屋の片付けをし…

老虎からこんにちは!

引っ越しの日程が決まった。実家から机と本棚を持ってくる(そして現在の本棚を実家に置いてくる)手間も含め、約10万円。 夜な夜なクルマの荷室で運べるモノは自分たちで運んでいるが、やはり知れている。それとは別に、新居が事務所に行く途中の道筋にある…

お引っ越し

昨日、中古戸建の引渡しを受けた。といって、今住んでいる部屋の解約届もまだ出していない。すでに12月中旬に差し掛かり、いくつか忘年会も入っている中で、諸々手続きや待機が要るので、一個一個のんびり処理していこうと思っている。今日は紅いシクラメン…

有馬温泉にぽろりんと

Hさんの在留カードの更新申請の許可がやっと下りた。私の住宅ローンの融資実行(残金決済)も7日に決まった。6日に金消契約、抵当権設定等諸々の手続きをぼろりんと行う。金利は当初私が要望していたよりやや高めだが、致し方あるまい。年明けの神戸行の新幹…

変哲もない一日

2018年12月2日(日)、曇り。午前中は蟄居。窓際に置いた紅いシクラメンがぐにゃりと萎れている。パジャマ姿のHさんが前にしゃがみ、枯れた花や黄ばんだ葉を捻り取る。私は電気ヒーターの傍らに寝転び、読書。 午後、それぞれ外出。Hさんは上野、私は秋葉原…

到来

市田柿の季節到来。3枚目「JAみなみ信州サイト」より抜粋。 Hさんの在留カード更新申請の結果はまだ下りてこない。事情に明るい行政書士に訊くと、今時は1箇月ちょっとかかるんじゃないかしらと言う。私の住宅ローン審査は担保評価が低いものの、まあ大丈夫…

間宮林蔵

関東平野のただなかにある間宮林蔵記念館に行く道はこんなです。最寄り駅はJR取手かTX線守谷のようですが、いずれにしてもバス便のよう。 記念館専用の駐車場には僕のクルマを入れて4台が駐まっているのみでしたが、そのうち2台はナンバーから推して館の職員…

飯岡、波崎

痔の薬がもうすぐなくなる。症状はだいぶ改善されたが完治じゃないので、引き続き薬をもらいに行かねばならない。外は素晴らしい快晴だ。 クルマを走らせながら独り考え事をしたい気分で、行き先は特に決めていない。先日、ちばてつや『ひねもすのたり日記』…

いわき回廊美術館

以前、Hさんに旅行の候補地として福島を挙げたところ、フーダオはダメです、と言下に退けられた。彼女が来日して間もなく、「東日本大震災」と現在呼称される地震災害が発生し、地震など無縁に育ってきた彼女にとって揺れもさることながら、首都の混乱や連日…

橋場今昔

『加藤嶺夫写真全集 昭和の東京2 台東区』(川本三郎・泉麻人 監修 deco)。昭和40年代、今から50年近く前に撮られた写真で、私もまだ生まれていないが、この頁を開いてしばらく眺めていると、あそこかなとめぼしがつく。私が高校生まで育った台東区北東部の…

蜜柑狩り

埼玉県大里郡寄居町風布(ふうぷ)で旬の蜜柑狩り。ここは「北限の蜜柑産地」だという。もうちょっとで群馬なので、カテゴリーも北関東にした。中国では光棍節のこの日、日本の関東地方は11月とは思えないぽかぽか陽気だった。蜜柑の果樹が植えられた斜面を…

『任逍遥』

この映画が日本で公開されたのは2003年2月というから、もう15年経った。あの時はまだビルの外階段を上った2階のユーロスペースで観たのだ。僕は27歳で、働いてはいたが、働くことに屈託を覚えていた。 DVDも所持しているので、現在に至るまでに2回くらいはそ…

山房のバショウ

4日、曇り。蒲田に用事のあるHさんが早々に出かけ、私はパジャマのまま本棚の整理。棚の違う場所からまたぞろダブり本があらわれ、苦笑いする。午後、簡単な麺の昼飯を済ませ珈琲を飲んでいると、ようやっと昨日の疲労が抜けてきたように感じ、終日蟄居する…

大吊橋

3日。常磐道も大分渋滞して、竜神大吊橋に着いたのはちょうど昼時だった。目当ての蕎麦屋が休業で、仕方ないから橋の袂、第1駐車場のあたりに出ている露店で何か食おうと見廻すと、奥に「ピザ」の文字が読めたので、その方に寄っていった。 プレハブの建物と…

ダブり買い

もう11月か。今日は1年のうちでもそんなに多くない、一片の雲もない清々しい空だった。昼時、ヴェランダ近くにしゃがみ込み、青空を眺めながら座薬を挿れた。内痔核の症状は大分マシになってきている。明日も天気は良いようなので、混むだろうが紅葉を見に行…

彼女たち

Hさんが微信を通じて知り合った近所の中国人がたまたま老乡(ラオシャン 同郷)だった。地方都市の诸暨だから互いに珍しがってすぐに会ったらしい。そのEさん(日本名)はすでに来日30年、日本人の夫、日本で生まれ育った中国語のあまり話せない男と女の子供…

4年前

『峠 最後のサムライ』撮影中の画像をみる限り、やはり役所広司は少しも河井継之助に似ていないようだが、そこは役所広司なので、動き、喋っている姿をみるまでは判断を下せない。

脱出する痔核

※今回は尾籠な話なので読み飛ばしてくだすっても結構です。ただ、漱石の未完の遺作『明暗』の冒頭だってそうなんですよ。 土曜日の夜に暴食し過ぎたのはたしかだ。壮年の衰えつつある器官がこらえきれず、夜半から酷い下痢が始まり、朝までに2度トイレに籠っ…

長閑な埼玉

埼玉県久喜市(人口15万1千余)、圏央道菖蒲パーキングエリア。「上下線集約型である。また、地上に建設された為、外部(市道)からも売店のみ利用が可能となっている…」(Wikipedia)。人気がなさそうにみえるが、反対側からも来るし、屋内にたくさんいる。…

通俗的な街で、

通俗的な街でレッスンまでの1時間を過ごす。人口42万余のベッドタウン(衛星都市)、国道16号線文化都市。ターミナル駅周辺はひととおりなんでもそろっており、生活するのに困らない。カンファタブルといえばそうなのだろう。地方都市で駅前がこれだけ賑わっ…

萩原朔太郎文学館

しれっと前橋文学館に至る。今回で3回目か4回目。2016年に萩原朔太郎の孫、萩原朔美氏が館長となってからは初めて。朔美氏は現在70いくつだが、私が大学時代に所属した学科の教授だった当時は年齢的に脂が乗っていたのだと思う。ただ、この人の講義を聴いた…

鳴子峡へ行きたしと思へども

萩原朔太郎の随筆をKindleで読む。99円。 昨年の秋だったか、おととしの秋だったか記憶が定かじゃないが、友人のSが仕事がらみとはいえタイミングばっちりの時期に鳴子峡の紅葉を訪れ、写真をツイッターにあげているのをみて、錦繡の断崖に目を奪われた。ま…

西丹沢

渋滞する東名高速の1台に、西洋人の中年男女が乗った黄色いスポーツカーがあった。幌を開け放し、ふたりともサングラスをかけ、女は金髪をたなびかせ、さすがにサマになっているなと思ったが、こんなのろのろ運転で季節外れの強い日光を浴びつづけて大丈夫か…