川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

壮年の衰え

悔しいいちにち

今日はほんとうに悔しいことになった。午前中Sと米国農村の館のようなカフェで昼飯、夕方にMと海底撈火鍋で晩飯という、年間でもそうそうない僥倖のようないちにちが、己の体調不良によりおじゃんになった。今これを打っているとおり体調はいくらか恢復し…

塵芥

いつからか、ここ2年のあいだに始まったことではあるが、コロナの影響じゃない気がする。それというのが、ほぼ毎晩、夜中に1回は目が覚めてしまう。たまに2回覚めるときもある。眠ってすぐじゃない、だいたい午前3時から5時くらいのあいだ。別にトイレに行き…

壮年の、夕陽の、

頭の中がグルグル回転しているわりに考えが少しもまとまらない。感情が乱れ飛んで交錯している。だから、土曜日にあったことを時間通りに記すのみだ。 朝、点けっぱなしのテレビの前にふたり座っていた。横浜の新しく開業したロープウェイが映っている。しば…

無題

昨晩、ほんとうに久しぶりに同じ組織の同業者たちと一堂に会して話し合い、そこは割烹料理屋の二階だったから、その後飲み食いもした。ただ、議論の渦中にいるにもかかわらず、皆の声が遠くで聞こえているような感覚が幾度もあった。距離を感じ、親密さを感…

氷塊

小雨。池袋西口の表記がややこしくなって、Mからそれで何口でしったっけ?とラインが来る。わしもようわからんのだけれども、西口北ですかのお。フクロウのところに立ち、正面ばかり見ていたら後ろからポンと肩を叩かれた。髪の色を黒に戻し、ダーマペンの効…

中年女

高橋揆一郎「伸予」(1978)をペーパーバックで読む。いい小説だった。女教師が昔の教え子の男と30年ぶりに再会する(ふたりはすでに50手前と44歳)。単簡に言ってしまえばそれだけの話なのだけれども、それをこんな風に書けるなんて。伸予というのは女教師…

奇人たち

日曜日はふたりの人物と会い、濃密な時間を過ごした。まず、ひとり目。大学時代の友人K。神保町はすずらん通りの東京堂書店1階で正午に待ち合せする。彼とは学生当時、働き始めてからも、しょっちゅう神保町で会って、その辺の喫茶店でお喋りしたものだ。コ…

乾燥機が回っているあいだに

冬なの? 今日は12月下旬だかの気候ですって。雨も降ってるし、さすがにウォーキングはやらないと思っていた。ところが、午前中に用意した海外渡航用のワクチンパスポートの申請書がいろいろの写しを添付しなきゃならないようで、それらの元をHさんに借りて…

グルグル

歌のフレーズや小説や詩の一節でもそうだけど、なにやら毎日頭の中を同じ文句がグルグル回っていることってありますよね。最近、下のやつが僕にとってそうなんです。 〈二個の者がsamespaceヲoccupyスル訳には行かぬ〉ってどっかで夏目漱石先生は言ったんで…

職場でロマンポルノのチラシを広げる。

全国的に感染者数が唐突に減って、東京も連日100人に満たない。そうゆうこともあり、友人たちとのあいだで少人数で集まろうという話がいくつか出てきた。業界の方は少人数ということがなかなかできないので、わたしの今いるポジションもやれることが限られて…

140文字

コーヒーゼリーと対峙しながら、9年前の出来事に思いを馳せる。わたしの最初の妻よりHさんの方が知り合ったのは先だから、ちょうどこの頃なのだろう。下の中文は当時ハルピンの方(2名)からいただいたものだ。結果的に関係なくなってしまったが。わたしは36…

北や南、それから記憶の

村上春樹の小説「中国行きのスロウ・ボート」の書き出しで、自分が最初に出会った中国人は誰だったかみたいなのありませんでしたっけ。僕は村上春樹好きでも嫌いでもないから、昔読んだっきりの記憶ですけど。その顰に倣うとすれば、僕が初めて出会った中国…

けうとい夕刻の道を

今日は躰がだるかったな。外回りも無く事務所でデスクワークだったから2千歩にも達していない。一度駄目になった話が思わぬかたちで復活したのはよかった。禍福は糾える縄の如し。帰宅して飯の前に体重計にのったら79kgに戻っていたが筋肉で重くなっているの…

碧いスーツケース

朝、スーツケースのナンバーロックの番号を忘れたとHさんが騒いでいる。この碧いスーツケースはこのあいだ買ったばかりで、三桁の番号はたしかふたりで決めたのだったが、わたしもまるで思い出せない。彼女はわたしを責め立てる。あなたの記憶力は落ちたわね…

アッシュグレーの休日

散髪に行く。外はからっと晴れて気持ちがいい。いつもの美容院。客はそこそこ入っているが、不思議にどこかがらんとした印象だ。ちょっと考えて、今日は入口に座って待つ客がいないからかもしれない。それと、下町の店だから客のなかにお喋り好きが2人か8人…

紹興のひと

連休には過去にもこうゆうことが2回か8回あった気がする。それがいつどこでとゆうところまでは憶えていないが。特に天候の悪い休日が過ぎ、晴れ渡った翌日など雨後の筍のように人出が凄く、それを捌く方も大変は大変だ。今日みたいに。 洗濯物を干していた時…

壮年は長編を読む。

ふと点けたテレビでビル・エヴァンスの特集をやっていた。今でもたまに夜聴いたりする。仕事から帰って食事し、ウォーキング、風呂に入って、そこからがちゃがちゃした音楽や歌詞の意味が否応なく耳に入ってくる曲は聴く気にならない時もある。ビル・エヴァ…

まどう不惑

『八月の濡れた砂』(1971・藤田敏八監督)を昨晩見返したが、今さら特に言いたいこともないです。湘南地域が舞台でだいたい海が映っているけれど、ピーカンばかりでもない。テレサ野田が裸で海に入る場面は早朝だが薄曇りみたいな天気で、裂かれた衣服のか…

薄毛、ままにせよ

オリンピックの野球日米戦が白熱しているのを、美酢(ミチョ)のカラマンシーを水で割って飲みながら観ていた。Hさんが来て、「日本は棒球(バンチュゥ)ほんと多いね」と言いながらわたしの後ろに回って首や肩を揉み始めた。ありがとう。これがなかなか力強…

バーティカルの病

尾籠な話ばかりつづけているが、人間の躰のことですから。躰のない人間は幽霊だもの。強力ポステリザン軟膏を肛門に塗布していると何かが指に触れた。見ると、からげた吸収糸の一部だ。ああ、溶け残ったものかなと思った。記念に洗って机の抽斗にしまった。…

いつかナプキンをつける日

病院食はあれはあれで、退院したら鰻が食いたいと思った。朝7時起床。ほんとうは病室の習慣で6時には起きていたが、Hさんが隣でスースー眠っているので、仰臥して過ごす。夜中のうんこのあとはよっぽど頓服をのもうかと思った。9時半、肛門から出血しながら…

Zパッドおじさん

入院4日目。初日に裸でシャワーを浴びれたが、その後は風呂に入れず、それが辛かった。髪がベタつき、洗面台の前に立つと薄毛に地肌の露出した小汚いおっさんが鏡に映っている。『クオ・ワディス』も中巻を読み終えたはいいが、下巻と勘違いしてすでに読了済…

痔核モラトリアム①及び②

痔核モラトリアム① 14日夜。晩飯後、ラキソベロンを200ml以上の水に溶かして内服。 15日朝7時。夜半から腹がぎゅるぎゅる鳴っていた。排便する。8時、家の中にいるような至近距離で急に蝉が鳴き出す。土壌改良のショベルがガッコンガッコン騒音を出す。玄関…

歩幅

不順な天候でちょっとサボり気味だったウォーキングに繰り出す。まだ空は明るい。Hさんが尻の手術をしたあとウォーキングできるのかと訊くから、そりゃ時間が経てばできるだろうけど、どのくらいの期間で今みたい早足できるかはわからないと答える。彼女はち…

入院まで

自宅の前でマンション建築計画が進行していることは何度か書いたが、それがいろいろの理由で延び延びになっている。今や敷地内は雑草や花で賑わい、野良猫がゆったりくつろいでいる。雨が降れば、水溜りがちょっとした池になる。が、ついに着工するらしい。…

この前の土曜日。新しくなった上野駅公園口でMと待ち合わせたのだが、定めの時刻直前にラインにメッセージが届く。眠ってしまい、乗り過ごしました。今、〈なみなかざと〉。これから引き返します、ごめんなさい。上中里か。いつも東京の東まで来てもらってい…

羊肉串

午後7時過ぎ、Hさんとウォーキングに出る。週4~5日ペース。昨晩は彼女とのあいだで修羅場が出来し、ふたりともろくろく寝ていないが、夜が明けて、つとめて平常にルーティンをこなす素振りを見せたから、私もそのように接し、過ごす。 日々是好日、すべて世…

京浜東北線

『風と共に去りぬ』は第5巻も終盤421頁まで読んだ。読了したら引き続き『謎とき『風と共に去りぬ』』に移るつもり。壮大な話は結局、スカーレット、レット、メラニー、アシュリの4人に収斂していくんだけど、これはなんて言うか、圧倒的な小説です。5日午後…

すこぶるヴィヴィッド

『風と共に去りぬ』は第2巻の346頁まで読んだ。アトランタの街に北部ヤンキー軍がいよいよ迫り来るところ。そしてメラニーのお産も待ったなし。スカーレット・オハラやレット・バトラーってこうゆうキャラクターだったのね。人間としてすこぶるヴィヴィッド…

長編小説をおっかぶせる

Mへ向かう熱情は前々回書いたように疲労ないし憂いによって破裂する前に─適度といっていいかどうかは自分でも判断しかねるが─そのサイズを萎ませる。実はこのことはMに会った時にも話している。その対象がMであることは本人にほぼバレていながら名指しはせず…