川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

リゥサンオオタカノセン

最近置いていない店舗に行くことが続いたが、今日はこのうまいコーヒーゼリー(CJ)にありつけた。

f:id:guangtailang:20220220160944j:imageリゥサンオオタカノセン。Hさんが初めて降り立った駅の名を呟いた。快速がシームレスの線路を滑っておよそ20分。乳白色の空の下、午前11時到着。今日の目的は米国農村館風結婚式場併設のカフェでランチ。結構ボリュームがあるので朝飯はクッキーとコーヒーだけにとどめた。新しいマンション群の脇を10分ほど歩いて敷地内に踏み入ると、起伏道路の上に立っていた女性が近づいてきて、「本日は結婚式がございませんのでこちらでもランチをやっております」とカフェの反対側の建物を示した。訊けばそっちはフレンチだという。今回もカフェのイタリアンを選んだ。

f:id:guangtailang:20220220161018j:image準備が整うまで入口で待っているあいだ、ファーマーズランチのメニュー紙面を渡される。Hさんに見せると一瞥して、「你看着办吧(あなたが決めてくれていいわよ)」とシャンパンゴールドの化繊コートの胸元を掻き合わせながら言う。その時、さっきの女性がやってきて、「こちらメニューになりますのでよかったらどうぞ」と巻き物をくれた。ドリンクはホットのカフェラテ、パスタは季節野菜の柚子風味、ピッツァは4種のチーズ蜂蜜トッピングにした。Hさんは店内を見回し、こういう感じは今中国、たとえば自分の地元でやれば若い人に絶対流行ると言う。最初に運ばれてきたミニスープと自家製パンを彼女はいたく気に入り、2度おかわりした。パンをスープに浸して食う。たしかにうまいの。スープがちょっと複雑な味わいで。今調べたら〈カレー風味の玉ねぎスープ〉と書いている人があったが、なるほどそうかも。カフェラテを啜りながらHさんが「おいしい。中国のカフェラテは少しも味わいがなかった」と呟く。米国農村館風カフェの質朴瀟洒な内装が向こうで流行るとして、飲料や料理のこれら味道を再現するのはむつかしいのじゃないか(なんとなれば、上海ならいざ知らず、中国にコーヒー文化、チーズ文化は乏しい気がする)。

f:id:guangtailang:20220220161036j:imageパンとパスタとピッツァでふたり満腹になっているが、女性はドルチェを別腹で食べる。僕はゼリーだけ食べて、あとは彼女にあげた。

f:id:guangtailang:20220220161044j:image帰り道、この辺りのマンションは高いのかとHさんが問う。よくは知らないが、このリゥサンオオタカノセンの街一帯はいきおいのあるエリアのひとつで、東京とそんなに変わらない価格だと聞いたことがあると答える。電車に乗ってしまえば秋葉原まで近いから便利だしねと、Hさんが僕が言おうとしたことを先に言う。駅まで戻り、腹ごなしにペデストリアンデッキで繋がっている商業施設内をブラブラする。靴下の店でビジネス用と恐竜の散りばめられた2足をHさんが買ってくれたので、ブラスプレートを買ってあげる。そのあと一休みに喫茶店に入って冒頭のコーヒーゼリー(CJ)を食べた。