川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

令和の酔狂シリーズ

こんばんは。

f:id:guangtailang:20231106212541j:image家で長い文章を書く習慣がすっかりなくなってしまったので、自宅から歩いて来られる距離にある昭和のにおい芬芬たる連込み宿に泊まり、わりあいに清潔な布団に寝転がってこれを書いています。牡丹という名の部屋です。

f:id:guangtailang:20231212105710j:imageと、書いてからまたしばらく時間が経ってしまった。相変わらず火曜日の中国語サークルには参加しています。ちょうど夕飯の時間に重なるので、教室のある社会教育館に行く前に腹ごしらえするのが荒川都電の見えるこのコーヒーショップなのです。生まれた年代はそれぞれ違えど、中国語並びに中国の歴史・文化・習俗の話になればそんなこともあまり意識せず議論を交わすことができる得難い時間。

近頃忸怩たるものがあるとすれば、西巣鴨大正大学に受験しに行った日本語検定試験1級に不合格だったことではなく、Hさんの知り合いの女性の息子にマンツーマンで中国語を教わりながら、体験レッスン中に見切りをつけて断ってしまったことだ。

彼は27、8歳だと思う。聞けば日本人の母親が戦争のどさくさで浙江省の温州に置いていかれ、彼女はそこで育った。長じて中国人と結婚し、彼が生まれた。母親は日本語を忘れてしまったが、彼は流暢に喋る。イングランドに留学経験があり、英語も操るらしい。くっきり二重瞼の、手の指や甲が子供のようにぷっくりとした男だ。

なぜ断ってしまったか。スカイツリーの麓のコーヒーショップで一所懸命に教えてくれたのは確かだ。が、回を追うごとにレッスンの進め方に疑問を持ち始めた。勿論、こちらの要望を取り入れてやってくれた(テキストも僕が持っていった)のだが、捗々しい方向に進んでいると感じることはなかった。結局、相性が合わなかったのだと思う。なにやら抽象的な物言いになってしまうのだが、相性が合わないということは、ここが問題なんだと具体的に指し示すことがむつかしい。ただ、こちらの問いにそういう回答の仕方じゃなんだかなあとか、その話そこまで引っ張るほどのものなのかとか、齟齬感が積み重なっていく。専門の中国語教師じゃないとか、まだ若いとか、男性だからだとか、そういうことはあまり関係ないだろう。Hさんには、事後報告になりましたが、せっかく紹介してもらったのに大変申し訳ないと頭を下げました。

f:id:guangtailang:20231106212537j:image10月下旬にHさんを連れて業界の沖縄旅行に参加したのだが、このハブ酒はその時に買ったものではない。帰ってきてから、やっぱり欲しいとネットで注文した。それが宅配業者から連絡が来て、輸送の途中で瓶を割ってしまったから酒造会社に再度送ってもらう準備をしていると言う。そこからまた数日待った。天地無用のシールが貼られ、段ボール紙で厳重に守られたハブ酒がやっと届いた。

f:id:guangtailang:20231106212527j:image飲んでみれば、幾ばくかの生臭さが鼻を突くし、ハブの鱗が剝がれてグラスの中を浮遊している。なかなか上級者の酒だと思う。それでつぎ足し用の原酒を買ってこれを多めにグラスに注ぎ、混ぜて飲んでいる。

f:id:guangtailang:20231120214026j:imageある雨の日、川沿いのコーヒーショップにいると、禿げの外国人がやって来て、川面を眺めていた。

f:id:guangtailang:20231120214256j:image筑波山頂駅の黄昏。

f:id:guangtailang:20231212105929j:image群馬県藪塚のマム本舗ナカゼンで蛇を食う。私はねえ、赤マムシの粉末を飲んで、ハブ酒を飲んで、これはごくたまにだがヘビそのものを食って、滋養強壮の薬としているわけです。会計の時、(クルマのナンバーを見てのことだろうが)、店主「東京にもヘビを食べさせる店が10軒以上あったんですよ。どんどんなくなっちゃって、今は1、2軒かなあ」「僕の実家が上野の近くなんですけど、ありましたね、昔は。今閉めて…。それじゃあ、こちらは貴重ですね」。店主が瞬間にこっとした。また行く。

f:id:guangtailang:20231212105918j:imageシマヘビの蒲焼と生き血と生き肝。6,600円。ノンアルコールの酒で割ってある。それに自家製ハーブサラダとハーブティをつけた。店内写真撮影禁止だが、トイレの帰りに厨房を覗くと、ちょうどシマヘビの皮をしゃーと剝いでいた。

f:id:guangtailang:20231212105924j:image西川口で食ったカモの頭。Mと御徒町でカエルの脚の串焼きも食ったが、おいしくないと言っていた。まあ、臭みとかはなくて淡泊なんだけど、別に取り立てて食いたいというほどのものじゃない、たしかに。

f:id:guangtailang:20231212105933j:image令和の酔狂シリーズ。

f:id:guangtailang:20231212105921j:image愚かという徳。

f:id:guangtailang:20231212105936j:imageパンケーキなんかも食べますよ、ふつうに。