川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

針と歯車

数日前。錦糸町で久しぶりに北方の儿化音を聴いた。昼時この街に来ればだいたい入る中国料理店。それでも新型コロナで無沙汰だった。通されたのが相席で、僕も含め皆いちにんで黙々と食っているから、服務する彼女たちの声が高らかに響く。南方人を妻に持つ…

蜜柑狩り

渋滞情報を見ると、昨日は関越道がおばけだった。今日はそれほどのことはないようだが、それでもとにかく時間を早めることにした。午前8時出発。高速から富士山がくっきり見えた。 どろりとした甘めの味噌だれが蜜柑狩りのあとの一服に合う。ファさんが1本、…

きつい

『青春の殺人者』をDVDで観る。大学時代に観て以来。動画配信でも観られるのだろうが、それには「『青春の殺人者』という事件の現場」という樋口尚文による長谷川和彦へのロング・インタヴューや、「キネマ旬報 1977年2月下旬決算特別号「決算号特集Ⅰ 中堅・…

聡明

秋吉久美子、桃井かおり、原田美枝子のさんにんは70年代を象徴する女優という認識です。彼女たちを抜いて70年代日本映画は語りようがないと考えている。私の母親に近い年齢の人たち(桃井と母親は同い年)ですが、10代・20代の彼女たちの躍動する映像が、惜…

雨のステイション

16日、晴れときどき曇り。 過日、海老名SAで買って食った鯖寿しは残念だったが、ここ若廣のものは嘘がない。端っこのをつかみ上げてもちゃんと肉厚。味道も無論申し分ない。日暮里で購入したのだが、時間が遅かったので焼き鯖はなくなっていた。それで今回…

グリルの焔

颱風の影響で友人Jとの檜原村キャンプが中止となり、彼の「神戸岩(かのといわ)行きたいですのに」の言葉も風雨の中に消えた。残念だが、機会をとらえて奥さん、その妹さんと是非行ってほしい。 さて、キャンプの代わりに友人J宅の庭でグリルをやることと…

器械としてのいすみ

鶴岡抄太郎はいすみ市の大原漁港近くで昼食をとろうと、旭市からひたすら九十九里を南下した。重苦しい雲の垂れ込めたいちにちだったが、それでも海岸沿いの直線道路を走るのは気持ちよく、海側のウィンドウを開け放った。全長66kmに及ぶという九十九里を端…

いとこん

ファさんが月餅を「げぴん」と発話するのはまだその指示するところのモノを推測できる。それ混ざってるから。「げっぺい」ね。覚えといて。先日、彼女が電話で誰かと話している最中、出し抜けにベッドで横臥する私に「いとこんてどこ?」と訊くから、どこっ…

70年代釧路

日活ロマンポルノ『さすらいかもめ ―釧路の女(ひと)―』(1973・西村昭五郎監督)をDVDで。神経が疲弊しているため感想もろくに書けず、ほぼ映像を羅列するだけになってしまいます。70代初頭の釧路の街や港、阿寒湖のアイヌコタンが見られたことで、気分転…