川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

無題

f:id:guangtailang:20211118205247j:image昨晩、ほんとうに久しぶりに同じ組織の同業者たちと一堂に会して話し合い、そこは割烹料理屋の二階だったから、その後飲み食いもした。ただ、議論の渦中にいるにもかかわらず、皆の声が遠くで聞こえているような感覚が幾度もあった。距離を感じ、親密さを感じずらかった。長年所属している組織で、勝手知ったる仲、楽しいことが多くあったはずだが、なぜだろうと思いながら皆の顔を眺めていた。

f:id:guangtailang:20211118205253j:image新型コロナの影響下でこの二年を過ごしたことでも、組織の中の自分は変貌しなかった、とは言えない。そうは言えない。現に皆と対面してこなかったのは大きい。それゆえの親密さの減退かと思えたが、それ以上にわたし自身の入院・手術後のメンタリティが問題な気がする。組織への。向かいに座って、「おれはドロップアウトした人間だから」と呟いた万年副会長のYさんにいちばんシンパシーを感じたのはなぜだろう。十二月初旬にまた同じメンバー+αで会うので、その場でもう一度、しかと確かめてみたい。

散文詩建畠晢『そのハミングをしも』所収