川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

赤まむしの粉末

ラグビーW杯がとうに始まっている。舞台がフランスなので、時差の関係で日本時間深夜0時45分からと明け方4時からの試合がほとんどなのだが、それらをムリしてけっこう観ている。おかげでお肌の調子もボロボロだ。おっさんだからまあいい。脳みそも午前中あまり働かなくて、午後やっと動きだす。それにしてもアイルランド南アフリカの試合は接点での攻防のあまりの強度に、このときばかりはシャキッと目が醒めた。これが世界のトップか。この2国に日本が勝利したというのは何かゆめまぼろしのような気がしないでもない。

f:id:guangtailang:20230928115903j:image近所のスーパーに行ったら、ドラマ『スクール☆ウォーズ』(1984~1985)のオープニング主題歌「ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO」(麻倉未稀)が繰り返し流れており、これを僕はブレイブ・ブロッサムズへの応援歌と受け取った。ただ、このドラマを僕はリアルタイムでは見ていない。まだ小学生だったから。再放送で熱中した。この曲を聴くと今でも冒頭の映像が思い浮かぶし、血沸き肉躍る感じが相変わらずある。

日本時間29日早朝4時にブレイブ・ブロッサムズはマヌ・サモアとの大一番を迎える。ここまでで言われているのが、開幕戦でニュージーランドがフランスに敗れたり、前述のアイルランド南アフリカに勝ったり、さらにはウェールズがオーストラリアに40対6の大差をつけ粉砕したりといったように、ラグビー南高北低の図式が崩れてきたということだ。あと代表資格ルールの変更によるアイランダーズの強力化。特にフィジーサモアは強い。

f:id:guangtailang:20230928115916j:imageある日の夕、日暮里の談話室ニュートーキョーのエスカレーターを上る。47にして頭頂部とみに薄くなり、老いがそくそくと迫ってくるのを感じる。ちなみに僕はしばらく前から赤まむしの粉末を飲んでいる。その主成分については興味のある方はご自分で調べてほしい。味は少し腥く香ばしい。そのままだと咽せてしまうので、牛乳などで流し込む。友人に効果のありやなしやを訊かれたが、躰が疲れにくくなったのを感じる。もし飲んでいなければ、ラグビーW杯の不規則な視聴生活もつづけられていないかもしれない。蛇足ながら、ちんぽこの方面への効果は今のところ感じない。

f:id:guangtailang:20230928115858j:imageある日の昼、Hさんが橋を渡る。風の強い日で、橋の上はさらに強いから彼女は日傘をこのようにしている。風で雲が吹き飛ばされて一片もない。僕もフィルソンのキャップを押さえながらゆく。フィルソニストとしての人生はつづく。

f:id:guangtailang:20230928115938j:image先週末、袋田の滝を見た。那珂インターで常磐道を降りて、道の駅常陸大宮かわプラザで昼飯に天ざるを食らう。案内されたカウンター席から窓ガラスの向こうに久慈川が眺められる。のどかだが、見る間に雨が降り出し、雨脚が強くなる。中国語学習会でちょうど天気をテーマにした課をやっているから、〈果然,下起雨来了。雨越下越大〉と呟く。

f:id:guangtailang:20230928115907j:imageクルマに戻って、雨の流れるフロントグラスを眺めながら、張学友版の「我真的受伤了」を口ずさむ。中国語の歌曲を想えば、最近それは常にFさんやHさん(同学の方)と行く綾瀬や浅草の店のカラオケに繋がっている。

f:id:guangtailang:20230928170740j:image友人Jが日中カラオケ大会の予選に出場していたのは僕とHさんが茨城北西部にいた頃だ。ジョーカー(ジャッキー)・シュエこと薛之谦の「演員」を彼は、薛が張婉清さんとのデュエットで装着していた眼鏡と同じフォルムのものを用意し、熱唱したはずだ。

審査員評〈やはり表現力。身振り手振りとか、身体の動きに伸び代あり。歌は良い〉。

f:id:guangtailang:20230928115928j:image水戸プラザホテルに一泊する。ここの設計にはエジソンのひ孫が関わっているという。ポーターに176cmくらいの女性がいて、見惚れてしまう。

f:id:guangtailang:20230928115912j:image温泉はないので、Hさんはそこがやや不満かもしれないが、たまにはヨーロピアンスタイルもよいだろう。部屋の風呂も森の香りの入浴剤を入れて、それなりに楽しんでいた。

f:id:guangtailang:20230928115922j:image僕は旅先でも明け方に起きてラグビーW杯を観た。これがまさにアイルランド南アフリカ戦だった。13対8。音量はかなり抑えていたが、画面がチラチラするから、Hさんは背中を向けて、シモンズのベッドの上でウンウン唸っていた。申し訳なかった。でも、ちゃんと起きて、中庭に朝食を食べに行ったから。