川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

最初の字は何かしら

21日、快晴の強風。ひたちなかへ。連休初日なので常磐道でも渋滞を覚悟したがそれほどのことはなく、落ち葉が踊るように舞う高速道路を比較的スムースに疾駆する。筑波山が正面左手に見えた時、ほんとうに紫色をしているなと思った。 予定よりもかなり早く到…

烏の濡れ羽色’71

父親の昔話。以前にも言及したことがあるが、私の父方の祖母は勝浦の出身である。それで父親が大学生の夏休み─今から半世紀も前のことだが─に興津の親戚の家にアルバイトに行っていた。海沿いのその家の庭はかなり広く、海水浴客の駐車場として終日500円で貸…

いちにんで

三夜沢から黒保根へ至る途中。今日はいちにん。お天気も良く、のどかなドライブ。ただ、車内に流れる松任谷由実の「コンパートメント」が怖くて、怖いもの聴きたさになぜだか繰り返し聴いてしまう。睡眠薬自殺をテーマにした歌曲だが、こんなに美しくて怖い…

まあ12000歩

今日は昼間だけで12000歩ウオークした。まあ人によってたいしたことのない歩数であり、たいしたことのある歩数だと思う。先月あたりから夜の散歩に出なくなったのは、ファさんが寒いのを嫌ってのことだが、抄太郎いちにんで出かけてもいいわけで、それもしな…

タイドプール

房総半島のかなり南。左手に犬のリードを握りながらタイドプールを眺める。空は薄曇りで、暑くもなく寒くもない。風もさほどじゃない。母親のおごりでこれから海を臨むテラス席で海鮮を食べるのだが、順番が来るのを待っている。肉球のクッションを駆使して…

裸で日光を浴びる。

先月27日すでに荷物がこちらに到着しているにもかかわらず、検疫で留め置かれていると〈郵便追跡〉で知り、ファさんはやきもきしていました。するとこの書面が届き、私の母親のために向こうから送ってもらったクルミとラッカセイは廃棄されたことをさらに知…

灯台記念日

三崎公園内にある潮見台。海の上に張り出してスリルがあるとのことだが、抄太郎は30分ほど前に登った塩屋埼灯台の方がよほどぶるっとした。風が強いし、空と海の茫漠たる広がりに吸い込まれそうになるから。 灯台まで自宅から200kmと少し。朝8時前にラオワイ…

針と歯車

数日前。錦糸町で久しぶりに北方の儿化音を聴いた。昼時この街に来ればだいたい入る中国料理店。それでも新型コロナで無沙汰だった。通されたのが相席で、僕も含め皆いちにんで黙々と食っているから、服務する彼女たちの声が高らかに響く。南方人を妻に持つ…

蜜柑狩り

渋滞情報を見ると、昨日は関越道がおばけだった。今日はそれほどのことはないようだが、それでもとにかく時間を早めることにした。午前8時出発。高速から富士山がくっきり見えた。 どろりとした甘めの味噌だれが蜜柑狩りのあとの一服に合う。ファさんが1本、…

きつい

『青春の殺人者』をDVDで観る。大学時代に観て以来。動画配信でも観られるのだろうが、それには「『青春の殺人者』という事件の現場」という樋口尚文による長谷川和彦へのロング・インタヴューや、「キネマ旬報 1977年2月下旬決算特別号「決算号特集Ⅰ 中堅・…

聡明

秋吉久美子、桃井かおり、原田美枝子のさんにんは70年代を象徴する女優という認識です。彼女たちを抜いて70年代日本映画は語りようがないと考えている。私の母親に近い年齢の人たち(桃井と母親は同い年)ですが、10代・20代の彼女たちの躍動する映像が、惜…

雨のステイション

16日、晴れときどき曇り。 過日、海老名SAで買って食った鯖寿しは残念だったが、ここ若廣のものは嘘がない。端っこのをつかみ上げてもちゃんと肉厚。味道も無論申し分ない。日暮里で購入したのだが、時間が遅かったので焼き鯖はなくなっていた。それで今回…

グリルの焔

颱風の影響で友人Jとの檜原村キャンプが中止となり、彼の「神戸岩(かのといわ)行きたいですのに」の言葉も風雨の中に消えた。残念だが、機会をとらえて奥さん、その妹さんと是非行ってほしい。 さて、キャンプの代わりに友人J宅の庭でグリルをやることと…

器械としてのいすみ

鶴岡抄太郎はいすみ市の大原漁港近くで昼食をとろうと、旭市からひたすら九十九里を南下した。重苦しい雲の垂れ込めたいちにちだったが、それでも海岸沿いの直線道路を走るのは気持ちよく、海側のウィンドウを開け放った。全長66kmに及ぶという九十九里を端…

いとこん

ファさんが月餅を「げぴん」と発話するのはまだその指示するところのモノを推測できる。それ混ざってるから。「げっぺい」ね。覚えといて。先日、彼女が電話で誰かと話している最中、出し抜けにベッドで横臥する私に「いとこんてどこ?」と訊くから、どこっ…

70年代釧路

日活ロマンポルノ『さすらいかもめ ―釧路の女(ひと)―』(1973・西村昭五郎監督)をDVDで。神経が疲弊しているため感想もろくに書けず、ほぼ映像を羅列するだけになってしまいます。70代初頭の釧路の街や港、阿寒湖のアイヌコタンが見られたことで、気分転…

やすんば

鶴岡抄太郎は建築の門外漢だが、妹島和世の日立駅はやっぱり素晴らしいじゃないかと思う。一面のガラスからみえる大海原。海上にコンクリート架橋された自動車道路(日立バイパス)。常磐道から日立駅に向かって坂を下りていくと、空と海のあわいが判然とし…

食卓にカマキリ

両親とHさんが乗り気になったので、私も実家のクルマの助手席に座り、午前9時またも北関東へ向け出発。ところが常磐道の普段混まないような区間でクルマが数珠つなぎになっている。停まっては進みを繰り返すタチの悪い渋滞だ。東北道の混雑をみての選択だっ…

苔むし塔

曇天。降っているようないないようなしみったれた雨です。 護摩屋敷とは、山伏がヌルデの木などを焚いて修行をするところ。昔、修行に訪れた僧たちが、ここの水で身を清めたと伝えられることから、この名前がつきました。(「秦野市観光協会」サイトより抜粋…

クルマ

シャオレイの出産は来月頭の予定。諸曁の宵闇を疾走する。 サンルーフ付きのクルマというのは現在の日本でほとんど需要がないと思うが、大陸ではよく見かける。で、試みに調べたらヒットして、(二、三の記事に目を通しただけだが)中国人がサンルーフ付きの…

濡れた手とヘルシー

霞ヶ浦の北側を回って鹿島灘へ。また今日も茨城に来てしまった。かすみがうらで梨を3個ずつ食って一時は満腹になったが、私は腹が減ってきてしまい、Hさんに昼飯いいですか? と訊ねると、あまり量は食べられないけどとの返事だったので、目についた国道沿…

ドラゴンフルーツふたたび

向こうの方で青空が広がっているが、この上空一帯は重苦しい灰色の雲が湧いており、信号待ちをしている鶴岡の広い額にぽつ、ぽつ、ときたと思ったら、見る間に激しい雨が降り出した。台風が過ぎてのち、数日こんな感じの不安定な天気だ。昨夜の散歩では、塔…

よく見るとファニーですよ。

先月、読んだ小説。『アウア・エイジ』、おもしろかった。【以下、ややネタバレあり】 疲れた四十男が主人公で、彼がかつて一緒に塔を探した女、その女が殺されてから長い時間が経ち、ひょんなことから彼は単独で幻の塔探しを再開する道行きとなる。現在の男…

湧水、毒蛇、美しい断崖

鶴岡抄太郎は佐野、藪塚、日立と北関東3県を巡り、トータルで430km以上走った。さすがに疲れたが、独り個室で好きな音楽を流しながらのドライヴ、職場からどんどん離れているという解放感、繁茂する緑の非日常感、つまりこれが彼のストレス解消法というわけ…

夜の梨

おとついのこと。梨を片手に壮年は夜道を歩く。梨を片手に信号待ちをする。街路灯に照らされる千葉の梨。 晩飯を食べたあと、梨がいっこ足りない、サーヴィスでもらったのはにこだから、あといっこが車内のどこかに転がっているはずよ、取りに行ってきてくれ…

海辺の光景

強い陽射しの下、展望塔から防風林越しに太平洋を臨む。無意識に金属板に腕を乗せて、危うく火傷しかけた。その腕はすっかり褐色だ。あたりに人気はなく、妙な静けさに包まれており、流れる汗の音さえ聞きとれそう。 Hさんは展望階にハナから上る気がなく、…

壮年の倦怠 ─80年代初頭─

28日。80年代映画の企画上映、今日で終わった。5本観たら1本無料になるからそのつもりで観ようと、スタンプカードももらって意気込んでいたが、数日前に熱中症の初期症状を発して、断念せざるを得なかった。 外回りに午後を費やし、事務所に戻ると妙に躰全体…

官能烏龍茶

埼玉県立川の博物館、〝荒川大模型173〟の源流の山々。数字は荒川の総延長距離(173km)だそうだ。 午前9時台に出発としようとしたが、突如バケツをひっくり返したような大雨になった。マックスにしたワイパーも役に立たず、フロントグラスの向こうに何も視…

灯台へ

晩飯時は風の谷のビールとハイボール、Hさんの残した梅酒を飲んだくらい。ただそのあと地下1階のゲームコーナーでエアホッケーを4試合やったら酔いが回った。それで部屋に戻るなり、ベッドに仰臥。焼けた腕を目の前にかざしながら、酒に弱くなっているなと…

碧色の16歳

下田の多々戸浜を臨む。今年の夏、海開きが中止になった海水浴場、茨城、千葉、神奈川はかなりの数に上るのに対し、静岡はわずかである。下田一帯の海水浴場には人が犇いていた。去年の7月に来た時も犇いていたし毎夏犇いているのだろうが、今年は関東圏から…