川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

哀愁のアイリッシュコーヒー

新年快楽(しんにぃぇんくぅぁいらー)!!

日本はアジア諸国の中で旧正月を祝わない数少ない国家のひとつなので何事もないふつうの日曜日として過ぎていきます。

f:id:guangtailang:20230121215806j:image21日除夕(ちゅーしー)。日本の大晦日にあたる。この日は午前中仕事があり、それを終えてから秋葉原のキオッチョラピッツェリアでMとランチしました。入口にいるよとラインを送ってその通りにしていたが彼女が一向にあらわれません。寒風が頬を冷やす(屋外では極力マスクをしない。鼻や脣の皮膚が常にかぶれてしまう)ので5分ほど待って入店し、予約の名を告げ案内されると、すでにMはちょこなんと座っています。かなり早く来たのだなと瞬間思ったが、僕が小便をしに階上に行き、戻った12時21分から5分足らずのあいだにするりと入店したのでした。寒空の下突っ立っていた5分と小便往復の5分の体感的差異を考える。

Mクアトロフォルマッジ、僕ビスマルクでふたりともピッツァをたのんでしまい、来てからどちらかパスタにし半分こずつするべきだったと言い合いました。それくらいピッツァが迫力あるデカさで。ただ、土台が薄いので平らげられました。ここではイタリア行きたいねという話をし、前回のバインミーシンチャオではベトナム行きたいねという話をする。僕が喋る時にやたら手を動かし、特に左手が盛んになる癖があると彼女が言い、その端から僕の左手が動くから爆笑していた。これは友人たちにも指摘されるところで、ただ親しい間柄で己がよほどノッていないとあまり始まらない癖だと思います。

f:id:guangtailang:20230121215803j:image除夕の晩ごはんは1年の中でもっとも重要だと言っても過言じゃないらしい。それで事前にHさんに西川口に来いとやたら誘われていました。16時半過ぎ、行くよとラインを送り、京浜東北線に乗る。集会所のある西口じゃなく東口だという。降り立ってみると日没の昏さで余計にかどちらの口も風景が似通っています。だいたいの場所までたどり着き、初めてなので店がよくわからんと送るとビルの下まで迎えに来てくれました。久々に〈任逍遥〉を唱い、その後西口に開店したばかりの鑫無敵や(しんむてきや)で羊肉拉麺と羊肉串。

f:id:guangtailang:20230121215759j:imageいつもベトナム人で混み合っているバインミーシンチャオも平日の夜は空いている。壁にかかる遺跡や花かぶさる街路の写真パネルを見て、ホーチミン行きたいなと呟く。首都のハノイとは直線距離で1000km以上離れているというから、短い旅だとどちらかになってしまうのだろう。Mの息子が蒲田の専門学校に通うらしいので、L君行かないかなと蒲田にニューオープンとある衝立を見せながら言ってみる。Mが気のない答えをする。

f:id:guangtailang:20230122155901j:image歩き疲れて椿屋珈琲銀座本店。東郷青児の絵画が飾られた階段を上って案内されたのがいちばん奥のやけに落ち着く席で。Hさん紅茶のシフォンケーキ。僕渋皮のマロンケーキ。彼女が味見して渋皮の方がおしいいとほとんど交換した感じになる。歩き疲れたといいスマホの万歩計を見ると9000歩程度。10000歩に達することがいかに大変か。中庸で7000歩くらいがいいんです。

f:id:guangtailang:20230121215755j:image15年後の冬の或る晩、自宅でつくった哀愁のアイリッシュコーヒーを楽しむ僕です。