川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2020-01-01から1年間の記事一覧

クルマ

シャオレイの出産は来月頭の予定。諸曁の宵闇を疾走する。 サンルーフ付きのクルマというのは現在の日本でほとんど需要がないと思うが、大陸ではよく見かける。で、試みに調べたらヒットして、(二、三の記事に目を通しただけだが)中国人がサンルーフ付きの…

濡れた手とヘルシー

霞ヶ浦の北側を回って鹿島灘へ。また今日も茨城に来てしまった。かすみがうらで梨を3個ずつ食って一時は満腹になったが、私は腹が減ってきてしまい、Hさんに昼飯いいですか? と訊ねると、あまり量は食べられないけどとの返事だったので、目についた国道沿…

ドラゴンフルーツふたたび

向こうの方で青空が広がっているが、この上空一帯は重苦しい灰色の雲が湧いており、信号待ちをしている鶴岡の広い額にぽつ、ぽつ、ときたと思ったら、見る間に激しい雨が降り出した。台風が過ぎてのち、数日こんな感じの不安定な天気だ。昨夜の散歩では、塔…

よく見るとファニーですよ。

先月、読んだ小説。『アウア・エイジ』、おもしろかった。【以下、ややネタバレあり】 疲れた四十男が主人公で、彼がかつて一緒に塔を探した女、その女が殺されてから長い時間が経ち、ひょんなことから彼は単独で幻の塔探しを再開する道行きとなる。現在の男…

湧水、毒蛇、美しい断崖

鶴岡抄太郎は佐野、藪塚、日立と北関東3県を巡り、トータルで430km以上走った。さすがに疲れたが、独り個室で好きな音楽を流しながらのドライヴ、職場からどんどん離れているという解放感、繁茂する緑の非日常感、つまりこれが彼のストレス解消法というわけ…

夜の梨

おとついのこと。梨を片手に壮年は夜道を歩く。梨を片手に信号待ちをする。街路灯に照らされる千葉の梨。 晩飯を食べたあと、梨がいっこ足りない、サーヴィスでもらったのはにこだから、あといっこが車内のどこかに転がっているはずよ、取りに行ってきてくれ…

海辺の光景

強い陽射しの下、展望塔から防風林越しに太平洋を臨む。無意識に金属板に腕を乗せて、危うく火傷しかけた。その腕はすっかり褐色だ。あたりに人気はなく、妙な静けさに包まれており、流れる汗の音さえ聞きとれそう。 Hさんは展望階にハナから上る気がなく、…

壮年の倦怠 ─80年代初頭─

28日。80年代映画の企画上映、今日で終わった。5本観たら1本無料になるからそのつもりで観ようと、スタンプカードももらって意気込んでいたが、数日前に熱中症の初期症状を発して、断念せざるを得なかった。 外回りに午後を費やし、事務所に戻ると妙に躰全体…

官能烏龍茶

埼玉県立川の博物館、〝荒川大模型173〟の源流の山々。数字は荒川の総延長距離(173km)だそうだ。 午前9時台に出発としようとしたが、突如バケツをひっくり返したような大雨になった。マックスにしたワイパーも役に立たず、フロントグラスの向こうに何も視…

灯台へ

晩飯時は風の谷のビールとハイボール、Hさんの残した梅酒を飲んだくらい。ただそのあと地下1階のゲームコーナーでエアホッケーを4試合やったら酔いが回った。それで部屋に戻るなり、ベッドに仰臥。焼けた腕を目の前にかざしながら、酒に弱くなっているなと…

碧色の16歳

下田の多々戸浜を臨む。今年の夏、海開きが中止になった海水浴場、茨城、千葉、神奈川はかなりの数に上るのに対し、静岡はわずかである。下田一帯の海水浴場には人が犇いていた。去年の7月に来た時も犇いていたし毎夏犇いているのだろうが、今年は関東圏から…

驟雨

驟雨のち、池袋の空に虹。見えている範囲だが、白い塔がちょうど真ん中を貫いている。そして、これぞ虹といった感じのくっきりとした虹の上方にさらにうっすらと虹がかかっている。塔もそこまではとどかない。 今日は午前中、実家に帰り二階の部屋を整理し、…

二つの学芸会  6年3組 鶴岡抄太郎

三年生の時、「梨取り兄弟」という物語を学芸会でやった。ぼくはその中でもあまり目立たない沼の主をやった。沼の主とは龍に似ているナマズのような化け物でとても恐ろしい役だった。 ぼくの他に沼の主をやったのはN君とT君だった。 本番に入ってぼくはき…

ドラゴンフルーツいらっしゃいませ〜

ふた月前に池袋で剃り上げられた髪も今は自然だ。頭頂部の薄毛をカムフラージュするため、いずれ側頭部は短くする必要があるが、あれはいかにも短か過ぎた。最近のダルビッシュ風というか、ある種のメジャーリーガーみたいにキャップの後ろからもじゃもじゃ…

四阿

薄曇り。パラグライダーが飛び立つところを見たかったが、風の関係とか色々あるのだろう、準備に時間がかかっているようで、ふと後ろを振り向くと四阿で休んでいる女が持参した桃にかじりつき、足元にぼとぼと汁が垂れているので、そちらに歩いていった。お…

風のバルコニー

6日。炎天下の外回り。キャップをかむり、顔の半分をマスクで覆っている。さらにメガネをかけているわけだからほとんど変装の領域で、お客や知人に出くわし挨拶をしても誰だかわからないようだ。キャップのイメージがわたしに対してないだろう。こちらが自転…

お帽子をかむったらいかがですか?

現下の状況で東京在住者が徒らに他県へ赴くことには当然批判があると思う。そういった批判は受け入れなければならない。ただ、わたしがお伝えしたいことは以下のふたつである。いちこめ。みっつの密は極力避けるように行動しています。本日の佐原、銚子行も…

白酒と油条のある風景

先日、カーナビが迷走した件について書いたが、近所の自動車整備工場に持っていき、それは直した。なにやらの接触不良だと説明され、代金は取られなかった。するとその晩、今度は書斎のデスクの置き時計がいきなり鳴り出した。鳴り出したといってメロディが…

霧の公園

霧の公園にいる。ここは東京ではない。向こうに灯台が見える。耳をすませば波の音も聞こえる。湿り気をおびた風が気持ちいい。手前の芝生で子供がじゃれあい、父親がおいおいいい加減にしないかと寄っていく。灯台の脇まで来ると女がベンチにバッグを置いた…

ケイラン並びにヤーダン

房総の森の中を走っている時、過去最多360人以上の感染を確認というニュースを聞いた。まあ、こんな日に強いて県を跨ぐ必要もなかったのだが、前々からHさんが鶏卵並びに鸭蛋(ヤーダン・アヒルの卵)を受け取る約束をしている相手が君津にいて、Hさんが今…

惑溺と頼みの綱

『人間の絆』(原題 Of Human Bondage・1915)読了。ミルドレッドに尽きます。モームはよくぞミルドレッドという女を造形しましたよ。ペルシャ絨毯がどうとか他のさまざまな挿話は正直今霞んでいます。長編だけあって登場人物もそれなりに多いのだけど、ミル…

アカチャンホンポにて

午前中大雨だったが昼過ぎには止み、錦糸町に繰り出す。Hさんの息子の嫁シャオレイが9月に出産予定なのだが、その胎児(男)の入り用な品を買いにアカチャンホンポへ。やはり日本製がいいということか。 先に昼飯を食おうと、わたしがあらかじめ調べていた…

流星のように

潤一郎の未完小説「鮫人」(1920・大正9)を読む。バルザック的大作を目指して書かれ始めたとも言われるが、物語が進むほど散漫になり、深夜の浅草の描写で途切れた。同年、潤一郎は横浜の大正活映株式会社文藝顧問に就任しており、そっちが忙しくなったとか…

埼玉西部を漫遊す

輝く純白の豆乳ソフトクリーム。ここまでの白とはいかないが、フロントグラス越しにずっと入道雲の眺められるいち日だった。味わいが増すとのことで、売店に醤油が備えつけてあったはずだが、疫病予防のためだろう、見当たらなかった。 時間は朝の8時に遡る…

おいしいたべもの

くもりときどきあめ。きょうふう。とうきょうはそのていどですんでいますがきゅうしゅうにつづいてぎふやながのでかせんがはんらんしてたいへんです。せんじょうこうすいたいはおそろしい。つゆといえばしとしとあめがふるというふぜいはもうむかしのはなし…

脣、叢、躰

雨のち曇り。終日蟄居。都知事選の盛り上がらなさが異様だが、昨日仕事のあいまに期日前投票に行ってきた。そんなことよりしかし、熊本南部の豪雨災害、こちらも豪雨による中国三峡大壩のすわ決壊かという事象の方に関心がある。日本のテレビニュースで後者…

グアシャ

7月2日、晴れ。おとといの深夜、トイレに下りていったHさんがなかなか戻ってこない。20分も過ぎたろうか。大便の可能性よりも不安が先に立ち、がばっと起き上がると僕も下りていった。すると、トイレの扉が開け放たれ、便座にHさんはいたが、壁に頭をくっ…

去兜风。

28日、朝。ヴェランダからふたりして豪雨を眺める。一晩中ルーフを叩いていたが、それが今もつづいている。チ、チ、チと隣りで舌打ち。階下に行き、とうもろこしとコーヒーの朝飯。とうもろこしにかぶりつく顔を批評し合う。 2時間くらい経った頃か、雨が弱…

繁茂する流頭部〜千葉最北端〜

午後2時に仕事を終え、それからドライブに繰り出す。薄曇りのむわっとした天候だが、なんとなくそうしたい気分だった。車中、セロニアス・モンクの訥々として優しいピアノ曲、リメンバーが胸に染みる。 この辺りを走っていると、頻繁に県を跨ぐ。道の駅ごか…

ラジオトーク

南千住の跨線橋。冬の空は雲も少なく透き通ってもっと高かったろう。 彼女のラジオトークの質問箱(仮)も現在230本を超えているが、そのうち4分の3くらいはここ1週間で聴いた。中文で喋っているこぼれ話の方は本数が少ないが、そっちもいくつか聴いた。基本…