川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

濡れた手とヘルシー

霞ヶ浦の北側を回って鹿島灘へ。また今日も茨城に来てしまった。かすみがうらで梨を3個ずつ食って一時は満腹になったが、私は腹が減ってきてしまい、Hさんに昼飯いいですか? と訊ねると、あまり量は食べられないけどとの返事だったので、目についた国道沿いのレストランの駐車場にクルマを突っ込んだ。午後1時を少し回ったくらい。窓際に座ってオススメの荒磯定食とみそかつ定食を注文し、待っているあいだ、ふたりして梨狩りの照片やら動画やら見ている。

f:id:guangtailang:20200913191955j:imageお帽子も取らずに見ている。座敷かテーブル席か訊かれたが、店内を眺め回すと奥があって随分広いようだ。

f:id:guangtailang:20200913192010j:image時間は少し遡る。もう3度目の来園になるここの敷地は、前夜降った雨の影響でかなりぬかるんでいた。クルマから降りたったその右脚がぬぷりと泥の中にめり込む。心配になり反対側に回ると、Hさんの白いシューズにはすでに褐色の跳ねが散らばっていた。

幸水豊水も終わり、新高なのだと言う。でかい梨だ。よくソフトボールに喩えられるが、もっとでかいのもある。水分も多く、剝いて食っているうち手がびしょびしょに濡れてしまう。

新高は1927年(昭和2年)に命名された歴史の古い品種で、菊池秋雄氏によって育成されました。命名された当時は新潟県の梨「天の川」と、高知県の梨「今村秋」が両親とされていたため、それぞれの地名を1文字ずつ取って「新高(にいたか)」と名付けられました。 

〔果物情報サイト 果物ナビ〕より

f:id:guangtailang:20200913192026j:image梨のごろごろ転がる中にニホンアカガエルがいた。おとなしい生き物だ。

2個のカゴに満載した新高のうち7個をHさんの客に郵送するといって伝票を書かされ、横浜市磯子区の郵便番号を調べるあいだにも、受付には次から次へと客が来る。家族、恋人たち、アジア系の女性ペア。応対している園のお兄さんの腕が丸太のようで、きっとボディビルをやっているんだろうと思った。(中国人への礼物なら8個としたいところだろうが、箱との兼ね合いで7個となった)

f:id:guangtailang:20200913192205j:imageレストランの飯はHさんにみそかつを2切れあげると早々と満腹になった様子で、残したものを私が平らげる仕儀となった。これこそ私が肥満してしまった最大の原因とも思えるのだが、他方で昼飯は3食のうちでもっとも量を食べてよいと自らに許しており、みそかつ以外はヘルシーなわけだし、この後腹ごなしに海浜公園を散歩するわけだし、などと生来のぞろっぺいに引き摺られてゆくのだった。

f:id:guangtailang:20200913192243j:image遠目に眺めたり、防風林の中を歩いているあいだは気がつかなかったが、海は荒れていた。風でHさんのお帽子が飛ばされてそうになった。今日の海は不穏だから気をつけて。

f:id:guangtailang:20200913192253j:image今日の海と相対している人が何人かいた。このおじさんは細君を浜の上に残し、恬淡と相対している。強い磯の匂いを嗅ぎながら、白く砕ける波を眺めていると、ああ今年の夏も終わりかなと思う。

道の駅いたこに寄って食材を買う(時間が遅かったので売り切れが多い)。錦糸町まで戻ってきて雨に降られる。午後5時過ぎ帰宅。

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