埼玉県立川の博物館、〝荒川大模型173〟の源流の山々。数字は荒川の総延長距離(173km)だそうだ。
午前9時台に出発としようとしたが、突如バケツをひっくり返したような大雨になった。マックスにしたワイパーも役に立たず、フロントグラスの向こうに何も視認できない。かろうじて前方のクルマの尾灯が滲むのがわかる程度。危険を感じたので路肩に停め、雨が弱まるのを待つことにした。こうゆう雨は長い時間つづくもんじゃない。5分も経たないうちにHさんから微信のメッセージが届く。こんなにすごい雨は日本では初めてだと言うから、ああ、あの時のことが念頭に浮かんでいるのだなと、寧波から諸曁に帰る時もひどかったよな、しかもあれは高速公路上だった、ディンディンの運転は信頼していたけど、いつ追突されるかとヒヤヒヤものでと返す。
風布は曇りで、時折陽光も射した。といって、先日までの暑さではない。美女木の辺りでほとんど雨は止んでいた。道中、BGMはスタン・ゲッツの「スウィート・レイン」で、Hさんは鹿のような顔で前方を見つめていた。
いつも盛況の風布川日本水(ふうっぷがわやまとみず)。熊谷ナンバーの人に東京から来やがってと思われているか、他に多摩、横浜ナンバーがいた。まあこれには反論の余地はないと思っている。はい、確かに東京からここまで来てしまったのですとお答えするしかない。
川の博物館の入口では、まずいくつかの施設が休止していることの説明を受け、掌を消毒し、体温を手頸で測定され、そして紙面に代表者の氏名、連絡先、居住している都道府県を記入し、チケット窓口で提出した。
今月の終わり頃から、不動産取引時に「水防法に基づき作成された水害(洪水・内水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示す」ことが義務化されるらしいですわ。思えばずっと江東デルタ地帯の際で身過ぎ世過ぎしてきたぼくです。
狭山環状有料道路。150円。大雨が降り出す。しかし、東京に戻ってくる頃には朝日のような夕日がビルの壁面ガラスに照り映えている有り様だった。
武夷山の高級な茶をHさんの仕事仲間の福建人からもらい、最初何気なく飲んでから、三感を刺戟するうまさに数日しきりに飲んでいる。もっと計画的に飲んで長い時間もたせるべきだが、あさましいとは思いつつ我慢できずに手が伸びてしまう嗜好品。歯に着色しようがままにせよ。味道は無論のこと、色の美しさ、香りの高さ、なんとも官能烏龍茶である。