川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2018-01-01から1年間の記事一覧

『傾城之戀』

アン・ホイ(許鞍華)監督の『傾城之戀』(1984/98分)は、原作にかなり忠実につくられている。グラスの底に密林がみえる。レパルスベイ(浅水湾)ホテルの朝食。この後、流蘇が上海に戻ると言い出す。雨のレパルスベイ・ホテル。漂うふたり。香港に戻ってく…

瑞華

交通量が多く、大型車もひっきりなしに走行する明治通り。自転車通行帯を設けているが、こんなところ危なくて走りたくねえや。仮にちょっと走ってみれば、すぐに路駐のトラックに阻まれるし、それで右側に膨らんで車体に挟まれたり、タイヤに巻き込まれでも…

千葉市ゆかりの家・いなげ

台風一過、四方どこを見上げても入道雲がもりもりと湧いている。気がつくと、千葉市稲毛区の水路沿いを歩いていた。早くも額から汗が垂れてくる。念のため書いておくと、今や都道府県のうちで人口が増加しているのは6つか7つに過ぎないのだが、千葉県はその…

酸菜魚

酸菜魚(スワンツァイユィ)。諸曁市からHさんが昼飯の画像として送ってきた。以下、Wikipediaから。 重慶江津県の川辺の農村で生まれた。商品価値が低く市場では売れない小魚を漁民が物々交換に持ち込んだことから、農村の酸菜と一緒に調理した酸菜魚が誕生…

中津川

いつもの通り道。マンションのごみ集積所にごっつい本が捨ててある。触れずに撮るだけだが、函のみということもなかろう。よくみると、右下にも函入りの本が捨ててある。普段は主に雑誌と漫画なのだが、たまに大江健三郎の『取り替え子』のハードカヴァーと…

ある日曜

午後3時。荒川河川敷、虹の広場。右に東京メトロ千代田線、常磐線、つくばエクスプレスの3線を束ねたように1箇所に集中させた鉄橋が見える。そのちょっと先には東武伊勢崎線の鉄橋もある。都会の川に渡した橋なので、ひっきりなしにどれかの鉄橋の上を電車が…

日立大甕から常陸大宮へ

気がついたら、日立南部の大みか町にいた。この「みか」は甕と書く難読地名なのでひらがなにしたのだろうけど、駅名はちゃんと大甕駅である。行ってみると、駅前を大々的に工事していたので写真は撮らず。山口百恵・三浦友和の『天使を誘惑』(藤田敏八監督/…

伊達や酔狂

今朝、ふと思い出した。私の職場は今も28年前に通っていた中学校の附近にあるが、当時、隅田川沿いに建つその区立中学に、なかなか味のある顔をした初老の美術教師がいた。「長」の字が苗字についたと思うが、名前は忘れてしまった。戦前の生まれだったろう…

福岡~大濠公園西湖モデル説~

午前8時、今日はパンケーキを選ぶ。店内はガラス張りで吹き抜けなので、開放感がある。しかし、私の顔はぶちゃむくれている。 チェックアウトして街路に出ると、早くも太陽に灼かれる。地下に潜り、まだ店も開いていない通路を空港線まで歩く。人通りは多い…

唐津2~虹の松原~

鏡山展望台への入口には大きな鳥居が建っていた。そこからくねくね道を上っていき、20分やそこらで到着する。クルマを駐め、整備された公園の突端にある展望台まで緑陰を歩くが、汗が噴き出して、広い額から滴り落ちる。 展望台が見えてくると、一瞬、なぜか…

唐津1~烏賊渋滞~

14日夜、福岡空港に降り立つ。九州は高校の修学旅行以来。だから四半世紀ぶりだ。おりしも山笠祭りの最中だった。地下鉄空港線でホテルのある天神まで移動する。空港、新幹線駅、繁華街それぞれの近接ぶり、これが福岡市の素晴らしいところです。前方を歩く…

寧波=ニンポー

昨日から今日の明け方まで。 感冒薬をのんでいるが、鼻腔の奥が詰まった感覚がずっとあり、咽喉もいがらっぽい。但し、洟は垂れず、咳もほとんどない。この程度の症状で福岡へ飛ぶことに問題もないが、向こうで楽しみにしている食事には差し支えがあるだろう…

その夏の加齢による衰えの今は

死者120人超、安否不明80人超。「平成最悪の水害」とまで呼ばれるようになってしまった。親戚が広島にいるので、一昨日父親が連絡したが、被害はほとんどないとのことだった。 洟が垂れて、喉がいがらっぽいという症状が数日前からあり、改源をのんで職務に…

カーフェイジェリーと身長

深夜、ロシア対クロアチア戦を観ていても、青い帯に西日本の大雨情報が表示されつづけ、刻々変化する。これを書いている8日午後8時16分現在、「75人死亡 61人安否不明」に増えた。西日本の多くの地域で被害が出ているが、自然災害がめったにないとされていた…

雨の四谷

友人たちと四谷の牛たん専門店へ。この店は食べログ等でも話題になっており、富田林出身のJが予約を取ってくれたのだが、メンバーが揃うまで店先で待ち、揃った順に席に案内される仕様だ。相席などを調整するのだろう。それほどまでに次から次、客が来る。 …

剛い髭ときつね目

高温多湿の夜。冷房は点けずに部屋を暗くし、道東の原野が吹雪く、真逆の季節の映画を、パンツ一丁で観る。『きつね』(仲倉重郎監督/1983/104分)。じっとり汗をかく。 主演は、私はあまり知らないのだが、両親の世代は皆知っているミュージシャンの岡林信…

見送り

フランス対アルゼンチン戦を観終わって、なんやかやで寝たのが午前1時半くらいだったと思う。で、早朝の5時頃にはHさんがもそもそし始め、ついには起きだし、スーツケースの中身を最終確認している。そのガサゴソ音に僕も起こされた。 午後1時過ぎ。日暮里…

浮遊感覚

《藤田敏八略歴》(KINENOTEより) 「【同時代の空気を青春映画に刻み込む】朝鮮・平壌で生まれ育ち、終戦とともに三重県に引き揚げる。東京大学仏文科在学中は演劇活動に熱中し、俳優座養成所にも通った。本名は繁夫で、1968年までは“藤田繁矢”名義で脚本・…

批難

今朝、玄関のドアを開けた瞬間、熱気を含んだ風に纏わりつかれて、中庭には光が降り注ぎ、東京、梅雨明けた!?と感覚した。まだ6月だのに。水不足が憂慮されるな。 門外漢ながら。昨晩の日本対ポーランド戦の後半残り10分強の緩慢且つ消極的なプレーに、海…

極東で禿げる。

1箇月前倒しの気候とも言われているが、湿気を含んだ強風に髪をなぶられながら、おれは去年の夏に行った飯田の天竜舟下りを思い出していた。あの時、安曇野滞在中はどしゃぶりの雨だったが、高速をしばらく走っているうちに雨は止み、伊那の辺りからは青空の…

情緒

早起きしたHさんがスマホで中国のポップスを流しながら家事などしていて、僕はとろんとしつつ寝床でそれを聴きながら、いいなと思うことがある。こういうのが中華系の「情緒」なんだよなあ、と。ジャ・ジャンク―の映画なんかでも台湾や香港のポップスが巧み…

場違い

雨上がりの上野を歩き、中国料理店へ。ここでHさんの仕事仲間Lさんと待ち合わせ。3人で昼飯。Lさんは常連らしく、彼女がささっと注文して、出てきたものを食べる。長春出身で標準的な普通話を喋り、また鈴を転がすような声なので、個人的にびんびんくる。 辣…

7月、玄界灘へ

詩の翻訳、といっても漢字を共有しているので、中文の詩だけみせられてとしても、簡体字とはいえ、なんとなくイメージが浮かびます。 僕は根気に欠けるから、定点観測の撮影はできないけれど、その行為自体には非常に関心を持っています。それらの中に定着さ…

九州

仕事の関係でウィークデイを北九州で過ごしている友人がいるが、彼がこちらに帰ってこない週末に行った呼子のイカをたびたび絶讃しており、私は最近俄かにそのことが気になり始めた。その友人SPはじめ呼子のイカの活き造りを食べた人は皆、その透明さ、新…

行先変更

当初、埼玉の日高市にあるサイボクハムに行く予定だったが、日曜日の早朝、まだ仰臥している状態のHさんが、今日はあの肉の専門店には行きません、と言い出した。オート三輪が路辺の石に乗り上げて転倒し、腰を痛めて入院中の母を見舞いに、私はもうすぐ中…

ひとの基底

土曜日の午後。肌寒く、いつ降ってきてもおかしくない空模様。23区西部に住むK夫妻と丸千葉。この名店の誉れ高い居酒屋は僕の地元にあり、ふたりはわざわざ足を運んだかたち。といって、夫妻はもとより僕も暖簾をくぐるのは初めてなのだ。Kたっての希望で…

雨なので

梅雨らしい天気。雨なので、キャンセルが1件ありました。 昨夜9時頃の隅田川沿いは涼しく、風に乗ってクチナシの甘い香りが運ばれてきます。ウレタン敷きのジョギングコースをずっと歩いていくと、終点の辺りにスキンヘッドの白人が仁王立ちしており、まだ…

『それから』

日中は陽が出たり曇ったりを繰り返していたが、午後5時を合図に凄まじい驟雨があった。映画どうしようかなと一瞬迷ったのだが、30分ほどすると雨は完全に止んだ。 ホン・サンス『それから』(2017/91分)をヒューマントラストシネマ有楽町で。何年か前にこの…

昨晩の事件

そぼ降る雨の中、上野の新会所へ。皆が1品か2品つくって料理を持ち寄る会。Hさんも鸡胗 (鶏の砂肝)と黄瓜拌香菜(きゅうりとシャンツァイのピリ辛和え)を持って行く。おれはタダ飯を食べに行くだけの気楽な身分である。走り廻っている未就学児も含めれば…

青梅竹馬

退勤後、地元駅前の回転寿司屋でHさんと落ち合う。今日はすんなりとテーブル席に通される。彼女は午後いっぱいかけて、新大久保で髪型を変えてきた。先だって日曜日の夜、この寿司屋に来たときは178番の票を取らされ、163番あたりから進みが妙に遅かったので…