いつもの通り道。マンションのごみ集積所にごっつい本が捨ててある。触れずに撮るだけだが、函のみということもなかろう。よくみると、右下にも函入りの本が捨ててある。普段は主に雑誌と漫画なのだが、たまに大江健三郎の『取り替え子』のハードカヴァーとかも捨ててあったりする。別に拾わないけど。昨日は中津川出身の女性と話す機会を持った。最初、岐阜というから岐阜市かと思って、「やっぱり名古屋に遊びに行ったりしたんですか?」と言うと、笑顔で首を横に振られ、しばらく話しているうちに中津川という地名が出た。「行ったことはないけど、長野との境ですよね。馬籠や妻籠ですか」と展開すると、両方とも以前は長野で、自分も長野の高校に通っていた。馬籠は自分の学生時代に中津川に「吸い取られた」と面白い表現をした。中津川より、長野の方にシンパシーがあるような言い方だった。あとでWikipediaで調べると、次のようにあった。
「馬籠宿(まごめじゅく)は、中山道43番目の宿場(→中山道六十九次)で、木曽11宿の一番南の宿場町である。
かつては長野県木曽郡山口村に属したが、2005年(平成17年)2月の山口村の越県合併により岐阜県中津川市に編入された。1895年(明治28年)と1915年(大正4年)の火災により、古い町並みは石畳と枡形以外はすべて消失したが、その後復元され現在の姿となった。」
当時、彼女は長野の高校でバレーボール部に所属しており、松本などにも遠征に行ったらしい。だから、中津川より長野の方が楽しい思い出が多いのだろう。また、岐阜といえば『君の名は。』(新海誠監督/2016/107分)で飛騨高山がますます有名になったことを言うと、ヒロインの宮水三葉の使う方言が自分の方言とかなり違っていて、こういう語尾なんだ、といくつか具体例を挙げてくれたが、私はすぐに忘れてしまった。たぶん、中津川の言葉は信州の影響が強いのだ。不意に大学時代、養老天命反転地に行ったことを思い出し、話したが、彼女は知らなかった。
帰り道、これも長野だけど阿智村の星空のことを訊くのを忘れたな、と思った。