14日夜、福岡空港に降り立つ。九州は高校の修学旅行以来。だから四半世紀ぶりだ。おりしも山笠祭りの最中だった。地下鉄空港線でホテルのある天神まで移動する。空港、新幹線駅、繁華街それぞれの近接ぶり、これが福岡市の素晴らしいところです。前方を歩く女性が韓国語で子供を叱りつけていた。スーツケースを引っ張っているから観光客なのだろうが、地理的な近さもあって、韓国人と中国人が非常に多い。
朝、カーテンの隙間から漏れる光で目覚める。テレビが点けっぱなし(ヴォリュームは極小)。昨晩はウィンブルドンのナダル対ジョコビッチの白熱した試合を観て、そのまま寝てしまった。
ホテルの1階にタリーズコーヒーの店舗が入っており、そこで朝食を食う仕様。2種類から選ぶのだが、ホットドッグの方を選んでスマホを忘れたので写真なし。店の天井が吹き抜けになっていて、開放感がある。
ホテルの前の通り。向かいに警固神社というのがある。明るくなって気づいたが、このビジネスホテルは天神の中心部にある。立派なビル(西鉄福岡(天神)駅)の下辺りから欧風の重厚で薄暗い地下街がずっとつながっており、そこを歩いて、空港線でレンタカーを借りに博多駅筑紫口まで行く。
午前9時、ヴィッツを借りる。
まさかこんなことになろうとは。烏賊渋滞である。時刻は正午になろうとしていた。
スムーズにいけば1時間45分くらいの道程らしい。実際、料金所附近の工事などでやや混雑しかけたものの、おおむねスムーズにきたのだ。それが呼子港まであと1キロ少しというところまで来て、クルマが数珠つなぎになって動かない。じりじりとボディが灼かれる。周知のように、渋滞にはのろのろでも流れる渋滞と完全に停まってしまう渋滞がある。これは後者の、しかも酷いやつで、停まったら5分も微動だにしない。だからこの写真も撮れたのであるが、これらのクルマに乗車している人たちは自分も含めて、皆、烏賊(ヤリイカ)を食べに行こうとしているのである。これを「烏賊渋滞」と呼ばずしてなんと言えばいい?
時間を空費しながら、かろうじて港までクルマを運んだが、烏賊の店の前はどこもクルマと人でごった返して、とりわけ私が目指した河太郎呼子店は大変なありさまだった。広い駐車場はほぼ満車。店の外に25人くらい、内部に15人くらい順番待ちしている。まさに昼時なのだ。ここで重要な決断を迫られる。順番を待ったとして、これでは私が透明な烏賊を食べ終わる頃には、すでに午後2時を廻っているだろう。今日のスケジュールに唐津城、虹の松原、鏡山(284m 270度パノラマ)があることを勘案すれば、その選択を賢明とは言い難い。透明な烏賊は明日、博多の河太郎でなんとかするとして、昼飯は唐津市街まで戻って食べよう。それというのも、事前に北九州単身赴任中の美食家SP氏から唐津の店のリストを送ってもらっており、その中に気になる佇まいの鰻屋があったのだ。
午後1時過ぎ、唐津市街に戻る。駐車場からどどんと唐津城が見えたので、先に登ることにする。どうせ昼飯の時間は廻っているので。
前方にさっきクルマを置いた駐車場。
右下に早稲田佐賀中・高等学校。今調べたところによると、大隈重信の出身地である佐賀に早稲田の附属校をつくろうとOBが奮闘して、2010年に開校したらしい。ちょうどグラウンドに整列している高校球児たちの「都の西北」」が聞こえてきた。隣りにいたカップルの女性が「そばで唱ってるみたいだね」と言うくらい、空に舞い上がって、鮮明に聞こえた。彼ら高校生が大学の校歌を唱うのには理由があるらしい。
午後1時40分。唐津の鰻屋。非常に趣きがある。こちらも名前と人数を書いて多少待つことになったが、名簿にJeon 3とあったり、LUCY 1とあったりした。2階の一間に通される。この部屋がまた時代を感じさせて素敵だったのだが、他の客もいたので写真はなし。唐津2~虹の松原~、福岡~大濠公園西湖モデル説~につづく。