川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2019-01-01から1年間の記事一覧

Ka Mate(大分にて)

Ka Mateが始まる。カ・マテ!カ・マテ!(私は死ぬ!私は死ぬ!)。あおり運転をしてイキがっているシャオルベンレンは彼らと対峙したらいい。 両チームが入場してくる前、横に並んだオールブラックスを見て、何人かのカナダ選手は目が泳いでいた。 2日。こ…

榨菜の罐詰

29日午前9時。ベッドに横臥しながら昨夜の日本勝利に対するラグビー強豪国の反応をスマホで読んでいると、Hさんが新大久保にしか売っていない榨菜を買いに行くからついてきてくれろと言う。新大久保にしか売っていない榨菜とは何だと反問すると、上海姐がそ…

ティア

26日夜、ラグビーW杯のイングランド対アメリカを観る。ほとんどの時間、イングランドがアメリカの陣地で試合を進め、結果的にはかなりの点差がついた。しかし、両国とも最後までファイトしていた。考えてみれば、スポーツ大国のアメリカがここまで劣勢に立た…

吹流し

気がつくと、鶴岡抄太郎は佐野市出流原町の池の畔に佇んでいた。ゼリーのようにもみえる水面。水が澄み切っていて魚が宙に浮かぶようなのは忍野八海以来だろうか。あすこは観光地然としている上に中国語が飛び交っていたが、こちらは小ぢんまりとして落ち着…

対照させて言う

24日夜。埼玉県熊谷市で行われた日本と同じプールAのサモア対ロシアをJSPORTSで観戦する。初対戦らしいのだが、実況者が7つの小島からなる常夏のサモアと世界最大の面積をもつ極寒のロシアみたいに対照して言い、なるほどと思う。 サモアのSiva Tau(熊谷…

Kapa o Pango(横浜にて)

ここまで自宅で全試合観ている。連休中はどっぷり浸かるつもり。『インビクタス/負けざる者たち』(2009)のテレビ放映版はカットが多く、巨匠イーストウッドへの敬意を欠くと批判する向きもあるが(ちなみに声優陣は見事)、何はともあれオールブラックス対…

老いの微笑

19日夜、隣接区同業者団体との会食でローストチキンが出る。どこかなまめかしいかたち。向かいの主催者側の若者が慣れた手つきで肉を裂いていく。こちらは切り分けられた塊をかじるだけで楽なものだ。ジューシーで実に美味。ただ、右側でばかり噛むのはやや…

尚仁沢湧水

尚仁沢湧水に至る原生林。人気なさそうに写っているがけっこう人と行き違う。1kmちょっとの道程とはいえ、散歩感覚で踏み入ると驚くことになる。アップダウンは多いし、足元は岩石や倒木や根っこで躓きやすい。靴は泥濘で汚れる。 15日、晴天。時間は少し遡…

ストレス

月餅を食らう。今週は職務上のあれこれで心身ともに疲弊して、帰宅後、暴食にてストレスを発散するありさまだ。この400kcal以上ある月餅も食後に2個ぺろりと平らげてしまい、Hさんに窘められる。こちとらアルコールも入っているので、皿に残っている卵黄の…

官能検査

業界青年会の家族レクリエーションにHさんと参加し、またも茨城に来る。守谷市(人口6万7千余)にあるアサヒビールの工場見学。10分かそこらの紹介映像を観終えるとおもむろにスクリーンが上がり、後方のガラス越しに池や緑があらわれる。これはなかなかの…

干し梅のような糞

6日。涙ぐましいブルーの空に入道雲が湧いている。業務上定期的に顔を合わせねばならぬ、トンチンカンな物言いで変に被害者意識の強い母娘の客がいるのだが、今日のきゃつらの要求にはいつも以上に腹が立った。当然、峻拒したが、怒りがあとを引いて、そのこ…

右に左にレンコン栽培地を目にしながら北浦沿いをしばらく南下し、

果樹園の樹木の高さに合わせルーフがぶった切られた軽トラ。 今年もかすみがうら市(人口4万余)までナシ狩りに来た。茨城県内の人口トップは水戸の27万弱で、つくば、日立、ひたちなか、古河、土浦、取手、筑西とつづくが、実は県全体の人口でみると広島、…

ジャンクな味道

Hさんが朋友からもらったお土産を全部ぼくにくれた。辣いものは食べないからと言って。浙江や福建出身者には辣いものを苦手なひとが多いが、彼女は特にそうだ。中国料理店でも「这个菜辣不辣?」と頻繁に訊き、出てきた菜(ツァイ)が予想よりも辣いとその…

濡れた螺旋階段

土曜日の午後8時頃、書斎の床に横臥して鼻をほじっていると珍しく父親から電話がかかってきて、明日、南牧村に行かないかと誘う。Hさんは仕事があるらしく、ぼくは特に予定もないので、こだわりなくいいよと答えた。 「なんもくむら」が有名になったのは、2…

傍若無人

『颱風とざくろ』9~10話。監督は樋口弘美。園井からプロポーズされているが、石坂がどうにも気になってしまう松原。一方、石坂は園井に面会し、シルクロード探検そっちのけで松原から手を引いてくれと頼む。ありていにいって三角関係なのだが、このおもしろ…

霧降高原

お盆休み後半を日光の霧降高原に遊んだ。あまり動き廻らないでのんびりしようと考えていたが、大笹牧場に2日連続で行くとは思わなかった。Hさんのリクエストである。ブラウンスイス牛が売りのこの牧場で牛乳を飲みながらジンギスカンばかり食べた。 宿泊し…

69年

【以下、ネタバレあり。尚、役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】『颱風とざくろ』5~8話。緒形拳が谷川岳で死に、松原智恵子の初恋は終わった。あれから1年。彼女は髪をバッサリ切ってショートになり、テレビ局の新人アナウンサーとして働いている。こ…

潮わかめが思い出すサメ

颱風10号が超大型に発達した。それで、接近ないし上陸する頃ちょうど関西にいるはずの両親は旅程の大半をキャンセルした。ただ、復路で一泊する予定だった浜名湖の宿には行くらしい。私にも颱風と一緒に移動するような旅があった。2年前のお盆休み、岩手の浄…

エアコンをパワフル運転に。

2、3日前、Hさんと口論があった。僕も彼女も顔を歪めて自説を言い立てた。きっかけはよくあるように些細なことから始まるから書いても詮無いことだが、それでも少し書くと、家の3階が暑過ぎる、夕方熱がこもり布団がほくほくしてとても横臥する気になれない…

昭五郎のドラマ

【以下、ネタバレあり。尚、役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます】 『颱風とざくろ』3、4話を観る。この2話の監督は「ロマンポルノの職人」西村昭五郎。先に言ってしまうと、緒形は4話の後半、谷川岳で転落死する。松原が大学生の男らのひとりに同伴喫茶…

八月の蛇はエロス

予報によるとその土地の気温は36℃で、彼の住んでいる場所より1℃だけ高かった。たいして変わらないと鶴岡抄太郎は帽子も携帯せずに運転席に乗り込み、カーエアコンをぎゃんぎゃんに効かせながら東北道〜北関東道を疾駆した。昼頃、群馬県太田市藪塚町のジャパ…

繁矢のドラマ

日活・日本テレビ制作のテレビドラマ『颱風とざくろ』(1969)をDVDで。全13話のうち9話を監督した藤田繁矢は藤田敏八の前身というか別名である。以前から観たかった昔のドラマのひとつだが、このたびDVD化されたので即座に買って、第1、2話を観た。原作は石…

ぼんがぼんが(する壮年)

今日から8月。旧聞に属するが、中国北方の夏の風物詩、いわゆる「北京ビキニ」が非文明的という理由で当局から規制を受けているという。日本国内では馴染みが薄く、ビーチなどでたまに見かける程度、知る人ぞ知る北京ビキニであるので、どういうものなのか念…

ブルーベリー農園3 伊能先生、茨城県は犬の形をしているのですか?

27日。台風の影響で開催が危ぶまれていた隅田川花火大会だが、予定通り行われた。よほどの天候不良に見舞われない限り中止にできないのがこの花火大会なんだろう。 午後2時に仕事を終え、ちょっともやもやした気分が去らないので、行先も決めずドライブする…

横須賀男狩り

日活ロマンポルノ、『横須賀男狩り 少女・悦楽』(1977・監督 藤田敏八)をDVDで。2度目。70年代の横須賀が舞台で、舶来的な雰囲気がいいんですね。海がそんなに映るわけじゃないんですが、米兵がいたり、彼ら向けのディスコやバーがあったり、軍艦が鎮座し…

岬②

2日目も冴え冴えしない予報が出ていたのだが、朝、カーテンを開けると陽があった。海の上は青空が覗き、山の方は一面どんよりしている。朝飯を食い、多々戸浜を散歩してチェックアウトすると下田海中水族館へ向かった。これはホテル内の広告を見たHさんのリ…

岬①

日・月、伊豆下田で遊んだ。数日前にホテルを予約し、それから天気予報とにらめっこだったが、毎日微妙に予報が変わるので困った。で、当日朝、東京は雨がぱらついていた。しかしそれもすぐに止み、半島を南下している頃には雲間から陽が射し、南国の蒸し暑…

都電のち羊肉串

20日、曇天。荒川都電(東京さくらトラム)に乗って大塚まで行く。都電の停留場の間隔は短い。こまごました民家のあいだを走っては停まりの繰り返しだ。そして、ひっきりなしに乗降客がある。乗ってくる客をみていると半分くらいは75を超えているだろう男女…

濁流

区内のスポーツセンターで期日前投票を済ませ、帰りに眼下のプールを見やると遊泳者はほとんどいない。久しぶりの青空とはいえ平日の昼下り、気温もそこまで高くないのだからもっともなことだ。子供らの夏休みは20日からだっけか、その頃は台風の影響でまた…

蜜柑汁とブルドーザー

にっかつロマンポルノ、『昼下りの女 挑発‼︎』(1979・監督 斉藤信幸)をDVDで。ここにはロマンもポルノもなく、荒唐無稽なドタバタがあるに過ぎないといえばいえるのだが、極彩のパワーが横溢しているので最後まで観てしまう。いろいろと大らかだった時代に…