川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

濁流

f:id:guangtailang:20190717222641j:image区内のスポーツセンターで期日前投票を済ませ、帰りに眼下のプールを見やると遊泳者はほとんどいない。久しぶりの青空とはいえ平日の昼下り、気温もそこまで高くないのだからもっともなことだ。子供らの夏休みは20日からだっけか、その頃は台風の影響でまたぞろ天気が荒れるそうだから、まあ、先に新海誠の『天気の子』でも観にいってらっしゃい。プールなど8月にいくらでも入れるから。それに、八月はエロスの匂いということは高校生になったらしぜんとわかるんだ。

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5月2日に行った諸曁の名所、五泄が濁流と化している。怖いぐらいの光景だ。昨日だかおととい、Hさんの親族が微信で送ってきたものだが、諸曁の一部で話題になっているのかもしれない。数年前、岩手の龍泉洞に行った時も、その一週間か10日後くらいに台風で洞内に大量の水が流れ込み、しばらく立入禁止になったことがあったな。

先日、同業者に諸曁の地名を説明するのに、たまたま目の前に紙とペンがあったので浙江省紹興市諸曁市と書いたら、市がふたつ重なってるじゃんと言うので、中国ではこれはあるんだと答えた。もし疑問がまだくすぶっているようなら、下の説明をご覧なさい。そしてもし諸曁市に行く機会があったなら、あつあつの西施豆腐をお召し上がりなさい。

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※18日午前10時過ぎ、京都市伏見区桃山町の「京都アニメーション」第1スタジオに男が侵入し、ガソリンを撒き、火を放った。鉄筋コンクリート造3階建延べ690㎡がほぼ全焼し、現在、死者33名、負傷者36名が確認されている。火を放った41歳の男も火傷を負っており、病院で治療中である。詳細については捜査の進展を俟たねばならないが、火災による死傷者が70名に近く、放火による事件としては平成以降で最悪の惨事となった。私は門外漢に近いのだが、弟がアニメには一家言あり、10年ほど前に彼の部屋で推薦されたアニメを集中的に見せられる一時期を持った。それらの多くが京都アニメーションの作品で、部屋の灯りを消した中で画面を見つめながら熱っぽく語る弟の姿を今でもめざましく思い出せる。彼も41歳であるが、紅蓮の炎が吹き上がる建物の映像を見ながら、今、どのような感情が沸き起こっているのだろうと考える。いずれにしろ私の想像しえない強度の感情だろう。このようなことがあってもあらためて連絡を取るような間柄ではなくなってしまっているが、今回の事件に際して、真っ先に弟のあの暗い部屋の中で光る画面が私の脳裡に去来した。