川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

傍若無人

『颱風とざくろ』9~10話。監督は樋口弘美。園井からプロポーズされているが、石坂がどうにも気になってしまう松原。一方、石坂は園井に面会し、シルクロード探検そっちのけで松原から手を引いてくれと頼む。ありていにいって三角関係なのだが、このおもしろいドラマの中であまりおもしろくもないパートである。

f:id:guangtailang:20190820202825p:plain樹と雲と日光。

f:id:guangtailang:20190820204317p:plainその条件提示は人を食ったもので、さすがの園井も気色ばむ。それで松原の実家を訪れ求婚の意志を家族にも伝えるのだが、結局、彼女に断られ園井が身を引くこととなる。この時も物分り良さそうなことを言うのだ。彼は栄転でアメリカへ飛ぶ。

f:id:guangtailang:20190821123303p:plain69年の颱風情報。この頃は気圧の単位が「ミリバール」だったんだ。「ヘクトパスカル」は92年からだという。さらに遡ると、戦前は「ミリ水銀柱」というのを使っていた。mmhg→mbar→hPaという流れ。

f:id:guangtailang:20190821123342p:plain石坂から海の遊びに誘われていたが、彼の傍若無人な振る舞いに嫌気が差し、断った松原。折しも颱風が接近し、石坂は消息を絶つ。家族も松原も心配するが、結局、油壺に避難していたというオチで、マンションに帰宅し、けろっとしている石坂をひっぱたく松原。外に出てドアに寄りかかると、涙が頬をつたう。そのまま傘も差さず雨風の中を歩いていく。

f:id:guangtailang:20190821123429p:plain第10話は赤ん坊の取り違えが加藤の産院でも過去にあったことが暴露され(取り違えられたのが松原で、これは第2話の段階で暗示されている)、それが権力によって揉み消されてもいたので、マスコミに責められ窮地に陥る加藤。その記事を書いた週刊誌記者と旧友の岡田。

f:id:guangtailang:20190821123557p:plain9~10話の解説書。やはり、ビンパチ演出のような遊び心に欠けていた。

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