川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

河北 〜いきむく壮年

大陸から帰ってきて、また中文教室に通うことに決めた。なぜそういう気持ちになったのか。ひとつは、今回、向こうでHさんの親類縁者と交流してみて、あらためて会話力の向上が必要だと感じたこと。もうひとつは、週一でも習い事に通って、のんべんだらりと過…

ユートピア

明け方に変な夢をみて、事務所に来てからも引きずっている。まあ、夢で変じゃない夢はないのだが、それにしても妙なリアリティがあったので、夢の断片を思い出し、あれこれと詮索してしまうようなことです。 すでに数年を大陸(中国)で暮らしているおれが、…

海の色

舟山群島一帯の海はコーヒー牛乳色だったが、はて、私の好きなあすこの海の色はどんな風だったか、もう一度確かめてみよう。晴れた日曜日にそんなことを思った。すでに35度はありそうな昼過ぎ。新しい町の祭りを横目に川を渡り、常磐道に上る。高速を下りて…

吃夜宵

大陸のコンセントと持参した万能プラグ。17日午後9時半過ぎ、ディンディンが今日は晩飯も早かったし、夜食(夜宵 イエシャオー)に新疆人のやっている店で羊肉串を食おう、と誘ってくれる。それをHさんに伝えると露骨に嫌な顔をした。私が夜食に肉を食うのが…

洗澡する蟒蛇

17日朝、薄曇り。今日はHさんの両親の家、妹の家、朋友のフェンホンの家を廻る。私が以前、乡下(シャンシャ 田舎・農村)の家を見てみたいと言ったら、だったら両親と妹の家に行けばいいとHさんが言ったのだ。ちなみに妹の旦那、ジエンホアは杭州市に出稼ぎ…

台風の影響 ~舟山普陀山~

16日。朝から曇天で風が非常に強い。朝飯を食いに別棟から本棟へ中庭を歩く時も、ぬるく強い風に髪をなぶられた。いよいよ台風の影響かしらん。今日は船で普陀山に渡るのにから。この島の成り立ちがなかなか面白い。 「当地が観音霊場となった由来は、〔中略…

八月の濡れた砂 ~舟山南沙~

15日午前、一路舟山群島へ。 大陸から島へ、海上に架かる橋を渡るわけだが、ディンディンが跨海大桥(クアハイダーチャオ)と呼ぶそれは最大島である舟山島の西側にあるわりかし大きな金塘島へと至る金塘大橋だ。金塘大橋を快走する。ここまで、台風の影響は…

天一閣 〜寧波〜

たしかに寧波を代表する有名観光スポットであるわりに天一阁の場所はわかりにくい。狭い道に進入したディンディンも迷ってしまい、クルマの窓から顔を出し、道路脇に立っている白いランニングシャツのおやじに「师傅」と呼びかけている。この辺に駐車して天…

老外灘 ~寧波~

14日夕刻、宿に到着。ウェルカムドリンクがあったり、フロントの右側に下のようなスペースがあったり、瀟洒なホテルだ。亚朵酒店(ヤードゥオジィョォディエン)。ここもディンディンが予約した。部屋には老外滩(ラオワイタン)の大きなパネルが据えてある…

風にはためくスカーフ ~寧波~

14日、晴れ。寧波の中心市街地に宿をとったが、先にディンディンが奨めてくれた蒋介石旧居に向かう。西から東へ、高速公路を快適なドライブ。ディンディンの運転はかなり上手い。旧居は寧波市奉化区の渓口鎮にあり、このエリアは国家重点風景名勝区AAAAA級旅…

諸曁の夕暮れ

13日午後4時過ぎ、メガロポリス上海虹橋駅から高鉄(ガオティエ)に乗車する。諸曁(ヂュージー)から迎えに来てくれたのはHさんの息子、ディンディン。彼はバスケットボールをやっているが、黒のタンクトップに短パン、手ぶらのサンダル履きという練習帰り…

切なさとだらしなさと

午後から晴れた。が、またぞろ台風が発生したらしく、その14号ヤギの進路が、僕が飛行機に乗る日まさにその空域を目指しているようなあんばいなのだ。困ったなあ。 会社をやめた恵子(山口百恵)が友人と不倫する元上司の岩淵(津川雅彦)に、「家庭にお戻り…

ガングリオン

昨晩は同業者との暑気払い。夕刻、事務所を出て自転車で駅に向かっていると涼しい風に顔を撫ぜられた。前方を歩いているサラリーマンの手には傘が握られている。関東に台風13号が近づいており、明日には上陸の恐れもあるという。 上野の居酒屋。座った向かい…

宵寝

昨日は昼職場にいる時から躰がだるくて、帰宅後、飯を食ったあと宵寝した。2時間ほどして起き上がると、だいぶ恢復している。やっぱり眠るのがいちばんだな。 大学の先生らが執筆した『東アジア海域に漕ぎだす3 くらしがつなぐ寧波と日本』(東京大学出版会…

燈台へ行く道

2011年8月29日、横須賀市。当時の人口42万弱、現在は40万を割った。かつて、日活ロマンポルノの一作、『横須賀男狩り 少女・悦楽』(藤田敏八監督/1977/77分)が撮られた。なんか先々月くらいにDVD化されていたな。おれはDMM.R18(現FANZA)で観たけど。この…

川と祈りの花火

午前8時52分。自動販売機で600ml入った麦茶を買う。そして、緑の庇の下でごくごく飲む。向かいのほとんど終わりかけているマンション工事現場を眺める。60年配の初老の男たちが、暑さでヘルメットの下の顔を紅潮させながら交通整理をしている。このマンショ…

『傾城之戀』

アン・ホイ(許鞍華)監督の『傾城之戀』(1984/98分)は、原作にかなり忠実につくられている。グラスの底に密林がみえる。レパルスベイ(浅水湾)ホテルの朝食。この後、流蘇が上海に戻ると言い出す。雨のレパルスベイ・ホテル。漂うふたり。香港に戻ってく…