17日朝、薄曇り。今日はHさんの両親の家、妹の家、朋友のフェンホンの家を廻る。私が以前、乡下(シャンシャ 田舎・農村)の家を見てみたいと言ったら、だったら両親と妹の家に行けばいいとHさんが言ったのだ。ちなみに妹の旦那、ジエンホアは杭州市に出稼ぎに行って不在だ。金山越府からクルマで20分ほど、田園地帯に入りまもなく、空き地の向こうに両親の家が見えてくる。
爸爸が三輪車を出している。闖入した私に対して番犬が吠えまくる。こういう造りの家は映画で何度も見たことがあるが、入るのは初めてかも知れない。内部の写真撮影の許可もすでに取ってある。
番犬が大人しくなる。あとでわかったが、この辺りの家は皆番犬を飼っている。
1楼左端にある食卓と厨房。これは撮るのを控えたが、右の壁に毛沢東の肖像と爸爸が天安門広場で撮った照片が貼ってある。
厨房で妈妈が葡萄を摘んでいる。こういう厨房も映画の中では何度も見たことがある。
2楼の真ん中辺りにある寝室。一緒には寝ていないんだな。
1楼の倉庫。
小狗。
2楼廊下。
家畜。
爸爸が焼いてくれた甘く平たい餅を2、3枚食い、妹の家に移動する。クルマで10分かからない。はじめに門を潜るのだが、そこにはなんとか村と書かれていた。この村の家もほとんどが番犬を飼っている。
年季は入っているが、3階建ての堂々たる造りだ。家の中に円卓がある。広々してすっきりとした印象。ケッペンの気候区分によれば、浙江省は亜熱帯モンスーン気候である。思い出したのだが、私はハルピンの方正県でこのような感じの3階建ての家屋にお邪魔したことがある。北と南の住まいのいちばんの違いだが、向こうではあらゆる部屋に、トイレ並びにシャワー室にもヌアンチィ(暖气)と呼ばれる温水暖房設備が張り巡らされていた。かの地は亜寒帯冬季少雨気候に区分される。
妹のつくってくれた昼飯。红烧猪脚、鸭子等。
2楼からの眺め。
廃墟。
昼食後、腹ごなしに裏の山に上ろうと妹が言う。ディンディンや女朋友、妹の娘のルル、息子のシンイエは暑いからと断る。
裏手の道を行く。20分ほど上ると視界が展けた。諸曁の街が遠望できる。中国風の四阿とコンクリートで護岸した小さな池があり、妹が語るところによると、ある時、この池で蟒蛇(大蛇)が洗澡(水浴び)していたという。ほんとかな。
移動する車中で、椰子の実に直接ストローを突き刺したジュースを飲む。
フェンホンの家の夕食では、昼食と同じ料理が2品も出てしまう。红烧猪脚、鸭子である。フェンホンはHさんの幼馴染みで、今やもっとも裕福な人間である。椅子にそれがあらわれている。9歳かそこらの息子がいる。
金山越府のライトアップ。稲光がし、またぞろ雨が降ってきた。