川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コキュの屋上でする壁当て

『ダブルベッド』(1983・監督 藤田敏八)をDVDで。観るのはもう3回目くらいだが、前回観たのはだいぶ前だ。あらすじはいちばん下をみて頂くとして、この映画の岸部一徳と柄本明は30代半ばで演じているので、現在のおれよりかなり若くて、80年代初頭の風俗と…

あらわれた小狗

25日、午後7時30分。日暮里まで戻ってきて談話室ニュートーキョーで弁当を食いながら、空港での出来事をまたひとしきり話すHさん。 時間は午後4時まで遡って、スカイライナーで成田へ向かう。老眼が進み、眼鏡をはずしてスマホを弄る壮年43歳。照り上がった…

砂漠としての郊外

にっかつロマンポルノ、『少女暴行事件 赤い靴』(1983・監督 上垣保朗)をFANZA動画で。これはユーザーレビューが優れているので、私がなんとか云って屋上屋を架してもしょうがない。劇中の台詞もかなり磨き上げられていると思う。 監督の上垣保朗さんは今…

天嶮親不知

18日、晴れ。鶴岡抄太郎は糸魚川にあらわれた。自宅からおよそ320km、新潟県の最西端に位置する。かつて彼は中越・下越地方に頻繁に足を運ぶ一時期を持った男だが、実のところ上越地方を訪れたのは今回が初めてだった。以前より天嶮親不知に立ち、日本海を臨…

天嶮の漢たち

『ココシリ』(2004・監督 陸川)をDVDで。4、5年前に観て今回2度目だったが、またもや圧倒された。途方もない自然の中で、あまりに生死の近接した漢たちのドラマが進行する。映画は90分程に収まっており、私はパソコンの小画面で観たが、ほんとうはテレビで…

艶めかしい鞏俐

『菊豆』(1990・監督 張藝謀、楊鳳良)を大陸版DVDで。1920年代の中国内陸部の小鎮が舞台。鞏俐(コン・リー)が20代半ばで菊豆を演じている。ひたすら彼女ばかりに見惚れる映画。冒頭の15分くらい鞏俐は喋らず、染物屋の禿げおやじ金山に折檻され、悲鳴を…

東の果て(長崎鼻)

12日、晴れ。鶴岡抄太郎は外川町にあらわれた。自宅から130km、千葉の東の果て、犬吠埼の南側にある漁業を営むこじんまりとした町だ。窓を開けながら海沿いを走っていると、銚子ジオパークの看板が目に入り、犬岩という名に惹かれて脇道にクルマを突っ込んだ…

青紅

『青红(チンホン・別題〔我十九〕 邦題〔シャンハイ・ドリームズ〕)』(2005・監督 王小帅 ワン・シャオシュアイ)を大陸版DVDで。ジャケットにも“第六代”と書いてあるが、王小帅は贾樟柯(ジャ・ジャンクー)や娄烨(ロウ・イエ)と同世代の扱い。【以下…

いなたさの記録

帰国してから観たにっかつロマンポルノ、『女子大寮VS看護婦学園寮』(1984・監督 斉藤信幸)をFANZA動画で。何がVSなのかはよくわからない。寮同士で対決などしていない。女子大生と看護実習生は出てくる。【以下、役名では呼ばず、俳優の名で呼んでいます…

令和の羊肉串

半ば廃墟と化しかけている影视城の土楼で塑料の刀と矛を見つけ、対決するディンディンと壮年。シャオレイ撮影。 3日、晴れ。 毎夜、金山越府の客厅ではHさんとともにこの『我的前半生』と『都挺好』を観ていたのだが、马伊琍とともに主役を張る袁泉。この人…

五シェ

1日、晴れ。今日から日本は令和。Hさんの家族は何の関心もないか、もしくはその事実すら知らない。これも最近整備されたという春风十里小镇なるテーマパークに行く。入場口からゆるやかな斜面を上っていくと茶畑が広がる。遠景には山並みが霞む。動物園のよ…

諸曁睡衣(ヂュージーパヂャマ)

29日、諸曁は大雨。ディンディンと女朋友のシャオレイが空港まで迎えに来てくれ、挨拶もそこそこに腹が減っているなら炒麺のうまい店があるから行こうと誘う。機内の飯はうまくなかったと私が云い、Hさんは逆にうまかったと云う。米の上に乗っていた天ぷらが…