川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

ぼんがぼんが

f:id:guangtailang:20210102195019j:imageあけましておめでとうございます。應嘉麟(应嘉麟 イン・ジァーリン)です。私は泳ぐことが好きです。生まれてこのかた、脚をぼんがぼんが動かすことが好きです。気持ちいいから。ベッドの足下に備え付けられた玩具のスイッチをぼんがぼんが押すと点滅して音楽が流れます。気持ちいいので声を上げます。水中で動かすとなおさら気持ちいいです。ただ、この嬰児用プールに入るには68元かかります。それから洗澡に30元かかります。無論この100元は両親が払ってくれます。父は諸曁の公司に勤めていますが、現在は母の実家がある蕭山で成長しています。粉ミルクは日本の祖父(爷爷 イェイェ) が送ってくれたものを飲んでいます。この世にまろび出て間もないですが、ぼんがぼんがで本年もよろしくお願いします👶 

f:id:guangtailang:20210103202033j:imageファさんがクリスマスに恥骨を骨折し、それ以降、家事全般を抄太郎が担っており、『三体』を読むような余裕はない。この余裕のなさは時間的というより精神的なもので、込み入った話を読む気分にならないのだ。元々、トイレとフロの掃除、皿洗い、2階の部屋の整理、ゴミ出しは抄太郎が分担し、他はファさん、あとは互いの都合で適宜やっていたのだが、あらためて毎日家事をやることの大変さが身に沁みる正月となっている。

f:id:guangtailang:20210103202047j:imageとはいうものの、前述の余裕のなさを生み出しているものは、実は家事作業そのものではない、とも思える。それはファさんの指示(というより指図)によるものが大きいのだ。彼女は松葉杖の歩行となっており、日常生活に不便やストレスを感じているのは他でもない彼女自身である。そんな彼女をケアするのは当然に抄太郎の役目と言える。それは理解している。しかしながら、、、いや、やめておこう。愚痴ってセコイ人間の上塗りをしているようじゃいけない。暗く反省しても誰もついてこない、という箴言があるが、愚痴っているやつなどなおのこと誰も相手にしない。ラガーメンのキャプテンたちは上述のようなことは厳に戒めていると思う。ただ、10日足らずにして介助の大変さが身に沁みる正月となっている。愚痴がついて出るこの脣をその柔らかな足裏でぼんがぼんがしておくれ。

3日。ベスト8の試合がいちばんおもしろいとは巷間よく言われるが、本日の高校ラグビーもまさにそうだった。試合が次々行われることもあり、朝から午後3時まで通しで観てしまった。わずかな試合の合間、そして試合後にファさんから指示された家事その他をやり、ほぼいちにちが終わった。

f:id:guangtailang:20210103202107j:imagef:id:guangtailang:20210104142746j:image4日。昨晩から恥骨を骨折した側の腰(太腿の付け根)が疼いて眠られないというので、じゃあ、明日病院へ行くかと訊く。内側じゃなく外側に痛みがあるのだと彼女は強調する。唸り声を出すので、横にいる彼も眠れなかった。朝、触ってみると顔を歪めたが、たしかに腫れている。足を引きずる姿も甚だしい。自宅前にクルマを回し、連れていく。診断の結果、腰に特に問題はない。ただ、炎症が起きているのと、元々石灰が溜まっているとのことだった。湿布のみ処方してもらう。椅子に座り待っているあいだ、並びのじいさんに話しかけられる。最初は車椅子のファさんに言葉を投げていたが反応が鈍いので抄太郎に顔を向け、自分はいろんな病気をやっている、2回大手術をした、転んで今通院しているが、今度転んだら死んでもおかしくない、というような内容のことを言った。扉をスライドさせ出てきた看護師の若い女性を呼び止め、親しげに話している。手には軍手をはめている。75から80のあいだくらいかなと抄太郎は思った。

f:id:guangtailang:20210104172007j:imagef:id:guangtailang:20210104172018j:image冬はこれをかじりながら、濃いお茶を飲むんだい。生ごみの収集がまだ始まらないので、玄関の鉄柵の内側にごみ袋を置いているのだが、ドアを開けた時、袋の内部でかさこそ音がしているのに気がついた。袋の締め口を凝視していると、ドブネズミがひょこっと顔を出し、凄まじい速度で隣家との隙間に走り去っていった。「子年はもう終わってんだよ!」とわりかし大きな声で口に出してみた。

※ジァーリンの両親に照片使用の許諾を得ています。