川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

セロリ

f:id:guangtailang:20210110180446j:image日本海側は大変な積雪だが、こちらは安定した晴れの日がつづいている。ただ、東京は圧倒的にコロナの感染者が多く、行き来の多い隣接3県とともに緊急事態宣言再発令のただなかにあるのだった。だから誰もが閉塞を感じている。

f:id:guangtailang:20210110180516j:image抄太郎は北千住駅にいた。改札の内側にあるコーヒーショップでミルクティーを注文する。最初、アクリル板で両側を仕切られた屋内のカウンター席に腰を下ろしかけたが、脇のドアからテラス席に出ていく人がおり、あとにつづいた。感染防止対策というほどでもなく、天気がいいのと、寒がりじゃないのと、アクリル板の圧迫感より屋外の開放感を選んだのだ。千住のがちゃがちゃした建物の上に涙ぐましいブルーの空が在る。この場所で飲むミルクティがうまい。

f:id:guangtailang:20210110180554j:image時間は遡り、9日。高校ラグビー勝戦。午後2時まで仕事があり、急いで帰宅するが、すでに開始5分経っていた。桐蔭学園は前半あえて風下を選択したらしい。10対10の同点でハーフタイムを迎えるが、相変わらず紺色の選手らは沈着冷静な面持ちで引き上げてくる。これは後半怖いんじゃないかと思ったら、案の定おばけで、解説のラグビー経験者らも「巧い!」と思わず唸る連続トライにより点差が広がる。なんかアダルトな試合運びなんだよな。終盤、京都成章も不屈のトライを取るが、桐蔭学園の危なげない2連覇。ところで、クレルモンてフランスのどの辺に位置するかよくわからないよね。

f:id:guangtailang:20210110180626j:image南六郷に住む福建人が送ってくれた餃子。私は面識がなく、無論ファさんのツテである。彼女は今、満足に料理がつくれないし、抄太郎の簡便過ぎる料理は好まない。また、彼が買い物で運んでくる食材も時として好まない。山崎まさよしの「セロリ」ではないが、育ってきた国家が違うから好き嫌いはイナメナイ。まあ、国家から違うとなれば、そもそも差異を前提に出発できるある種の気楽さはあるだろう。ちょっとの違い、それが困るということだってあるのだから。ちなみにこの水餃子を黒酢で食べるとやたらにうまい。ばくばくいってしまう。福建人だが皮から手づくりらしい。サイズは小ぶりで、50個2,000円。別に職業料理人でもなく、趣味でつくっているのだという。

f:id:guangtailang:20210110180645j:imageにんじんが入っている。ファさんの松葉杖生活以後、諍いもあるが、彼女の父親が送ってくれた茶葉を急須に入れ、お湯を注ぐ。しばらく蒸らし、揃いのマリメッコの茶碗に注ぎ、向かい合って飲んでいると憤懣の糸玉がゆるゆるとほどけていくようだ。中国人と無言で茶を飲むという行為が何か特権的にも思える抄太郎であった。

f:id:guangtailang:20210110181056p:plainロマンポルノ『女高生100人(秘)モーテル白書』(1975・曽根中生監督)をFANZA動画で。この頃、甲府で女子高生の集団売春事件が実際にあったらしく、それをモチーフにしたドキュメンタリータッチで、序盤の白黒画面のあいだはこれはいいぞと思ったが、カラーになってからは低調だった。岡本麗のデビュー作で、すでに演技力がある。

f:id:guangtailang:20210110181135p:plainネクタイの裏側を見せながら岡本麗と談笑する鶴岡修。飄々とした味のある抄太郎の好きな男優のひとり。ふたりは記者である。岡本が都会の記者で、地方新聞社に勤める鶴岡のところへ女高生モーテル遊びの件で情報収集にやってくる。「おまえ、ここでは招かれざる客なんだぜ」。過去にふたりは親密な関係であったことが匂わされる。

f:id:guangtailang:20210110181216p:plain親密な関係であったふたりが岡本の滞在する安ホテルの空間を共有し、酒でも入れば、同衾するのは当然の成り行きか。

f:id:guangtailang:20210110181252p:plain岡本は20代前半で演じている。常にベルボトムで取材をし、こんなサングラスをかけている。土地柄、ぶどう畑が何度か出てくるが、『この窓は君のもの』(1995・古厩智之監督)で青々としたぶどう畑の中を走り回る高校生を見た時、地方都市の青春を漠然と羨ましいと思ったものだ。