川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

フジエダヌード

f:id:guangtailang:20201124123048j:plain11月恒例、上田のりんごを両親からもらう。以前は日帰りしていたのだが、ここ数年は往路の軽井沢で犬の泊まれるホテルに一泊している。連休中の軽井沢のアウトレットは非常な混雑だったらしく、両親もまたその中の一員であった。抄太郎もファさんも今年は長野、新潟を訪れずじまいだろう。クルマで行って行けないことはないが、やはり一泊するのが妥当な距離だろうし、新幹線で行くことを常としているから。新型コロナによって新幹線に乗ることを危惧したほどでもないが、クルマの方が感染のリスクが低くなると考えなかったと言えば嘘になる。

そういえば、やむを得ぬ出張で年に数回ほど藤枝に赴く友人(Jとしておこう)がいるのだが、彼が新幹線を降り、駅前のビジネスホテルに投宿するや、長い夜の無聊を慰めるため飲酒し、そのうち気持ちよくなってしまうのだろう、LINEにヌードを送ってきた。それがいちに年ほど前である。即座にもうひとりの理解ある友人S(彼は抄太郎よりJとのつきあいがはるかに長い)にそれを転送した。ヌードのJがわれわれに向ける白熱したまなざしに、Sは通り魔のような純粋さと狂気を読み取った。抄太郎は頷き、それらが際立つようシルバートーンで加工し、送り返した。

爾来、Jは藤枝出張のたびにホテルの一室でヌードになり、それを自撮りし、われわれに送ってくるようになった。本人もさすがに躊躇する時があるようだが、結局、夜の帳を裂くようにヌードになった。いつしかこちらもフジエダヌードにそこはかとない期待を寄せるようになり、車中の彼に今回はありますか?と問い、Jも特別ですよなどと言いつつ毎回それに応えた。不思議なことに、藤枝以外の土地への出張でJがヌードになることはなかった。つい先日も、Sが一部愛好家に受けそうと評したヌードが送られてきた。はたから聞けば気色の悪い話かも知れないが、想像しているよりもファニーですよ。つけ加えるなら、それらヌードはすべて抄太郎のアルバムに保存してある。 

f:id:guangtailang:20201125193732j:image咖啡にマシュマロを入れて飲む午後4時28分。