川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

食卓にカマキリ

両親とHさんが乗り気になったので、私も実家のクルマの助手席に座り、午前9時またも北関東へ向け出発。ところが常磐道の普段混まないような区間でクルマが数珠つなぎになっている。停まっては進みを繰り返すタチの悪い渋滞だ。東北道の混雑をみての選択だったが、こちらも五十歩百歩か。途中のPAで父親と運転を交替する。シルバーウィークやっぱりやばい。

北関東道はきわめて順調。父親の小便が近いのと柴犬の運動のため、もう一度PAに寄る。道の駅ましこは田園風景の中に忽然とあり、そこだけ混雑をきわめていた。駐車場の空きを探すのにまず一苦労。さまざまな地域のナンバーが駐まっている。時刻は昼過ぎ。三角屋根の瀟洒なガラス建築の上に太陽があらわれ、母親はお帽子の不携帯を後悔する。建物の裏に回ると、さっきから気づいてはいたが、パタパタと上空で音がしており、赤いヘリコプターが芝生に着地した。またすぐに飛び立つ。空中遊覧をやっているのだ。その様子を実家の柴犬が興味深そうに見つめている。かわゆらしい。

f:id:guangtailang:20200921221624j:image道の駅のレストランはあまりの人出にろくっすぽメニューから選べぬほど品切れなので、両親が何度か来たことがあるという森の中のレストランへ移動。ほんとうにこの奥にあるのかと思うほど深く緑へ分け入っていく。ぬかるんだ道を抜け、坂道を上ると辺りが展け、右にレストラン、左に駐車場がある。前方の勾配をさらに進むとパン屋や陶芸教室もあるらしい。

f:id:guangtailang:20200921221644j:image益子のサグラダファミリア。犬もくつろげるテラス席の空くのを40分ほど待つ。

f:id:guangtailang:20200921221658j:image食器は勿論、益子焼なのだろう。Hさんはモッツァレッラチーズを豆腐と勘違いしてふつうに食べている。

f:id:guangtailang:20200921221711j:imageデミグラスソースのハンバーグ。Hさんは野菜カレー。珍しくルーで溶けたチーズを食べている。

f:id:guangtailang:20200921221721j:image私が飯を食い終わってコーヒーカップに脣をつけたその瞬間、上から何か落っこちてきた。とっさにカップを持ったまま立ち上がる。立派なカマキリだった。今しがたまでライスが入っていた益子焼の縁に足をかけ、こちらを見ている。微動だにしない。カップを置き、写真を撮る。美しい黄緑色の肢体。デザートが出るのでこのままというわけにもいかず、昆虫の得意な母親がつかみ取るが、指を鎌で刺される。痛い痛いと言いながら向こうの叢にぶん投げるも、そこまで届かずテラス席の地面に落ちる。それを私が靴先で転がす。傷ついたら気の毒なので、ある程度の距離がとれたら放っておいた。柴犬も別段気にしていない。そのうち後方に移動し、そちらのテーブルの下にいた小型犬はカマキリに興味を持ったようだ。

f:id:guangtailang:20200921221734j:image森のレストランの名に偽りなし。誰かの別荘に遊びに来たような感覚になる。もっともこんな別荘に招待されたことはないが。

f:id:guangtailang:20200921221742j:imageデザートの上に2匹目のカマキリがすちゃっと当たり前のように着地されても困るので、梁を何度も見上げながら食べる。

午後5時半。渋滞情報をみるとどこの高速も凄まじく赤い線が伸びている。これはやっぱり年に数回あるかないかの酷さだろう。無論、東北道常磐道ともに地獄のクルマになっているので、父親と相談、大遠回りで渋滞を避けることにする。茨城空港北から鉾田に至る初めての道を走り(これは将来的に鉾田~潮来間もつながる予定らしい)、京葉道路で軽微な渋滞に遭った以外は順調で、午後9時帰宅。

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