三夜沢から黒保根へ至る途中。今日はいちにん。お天気も良く、のどかなドライブ。ただ、車内に流れる松任谷由実の「コンパートメント」が怖くて、怖いもの聴きたさになぜだか繰り返し聴いてしまう。睡眠薬自殺をテーマにした歌曲だが、こんなに美しくて怖い歌詞をよく書けるな。
個人的な興味で少し前から来てみたかったのだが、まるで関心のないファさんを連れてくるのもアレなので、いちにんの今日、実行した。三夜沢(みよさわ)の赤城神社。有名な「赤城神社主婦失踪事件」(1998.5.3)の舞台となった場所である。数ある失踪事件の中でも不可解な要素が非常に多く、ネットのブログやYouTubeなどでさまざまな考察がされている。だから、映像で現地を見たこともあるのだが、自分自身をこの空間に立たせてみたかった。事件の詳細を知りたい方は、YouTubeのチャンネル「話題の事件」並びに「ネオホラーラジオ」がオススメです。
鳥居の手前を左折して第1駐車場にクルマを入れる。20年以上の月日が経っているが、神社であるからして境内の様子が大きく変わっているということもないだろう。
まず感じるのは、コンパクトということである。参道の長さは100mほどだとか事前情報として知っていたが、私の足だとものの数分で拝殿に至る。そして樹木は適度に間引きされ、木漏れ日で明るい印象。事件当日は雨が降っており、連休で混み合っていた。今日は人影もまばらだが、参道全体がくっきりと見渡せる。
これは参道からずれて御神水の脇を通り第1駐車場へと至る林道だが、鬱蒼としている感じはなく、整備されて見通しが良いと言えるほどだ。叫べば声もあたり一帯によく響きそう。背後の山までは分け入らなかったが、少なくとも日中の境内周辺は誘拐や拉致に向いた場所じゃないだろうと思ってしまう。なにせ、コンパクトだ。
道の駅 くろほね やまびこでやまびこ定食を食べる。この道の駅は変に気取ってなく、素朴なのが良い。自分の生活の拠点から遠く離れた、縁もゆかりもない場所でこうしてひとり飯を食うことになにかしら幸福のようなものを感じる。
桐生市(人口10万6千)の大川美術館へ。かなり急勾配の石畳の道を上っていく。大きく洞の空いた樹木のそばにクルマを駐め、そこから少し下ると、右側に建物上部が見えてくる。「山の中腹に斜面に沿って建つスキップフロア方式」(Wikipedia)という魅力的な建築だ。
入口で来館者カードを書かされる。住所の欄には正確に東京の住所を記したが、私の前にいた両親と娘の客は〈東京都……市〉とだけ書いてあるのがちら見えた。まあ、電話番号があればいいのか。
階下にくだりながら作品を鑑賞し、また上まで戻ってくる。エレベーターは確認できなかったが、足の不自由な人には厳しい構造。おんぶして回ってあげる人が必要だろう。
再現された松本竣介のアトリエは撮影OK。本が多い。哲学書や思想書、小説などかなりの読書家だったようだ(目視確認はできぬが、背表紙を撮影したパネルが別個に展示されている)。
何か気になった仮面の部屋。左側のブラインドが下りている─階段の向こう側の─部屋は館長室とあった。
ポストカードを3葉買い、外に出るとやたらと疲労していた。久しぶりに美術館を回ったからだ。
この注意喚起看板はあれども、市街が一望できる公園の展望台まで行こうと考えていたのだが、予想以上の疲労のため、諦める。美術館を回るというのは体力のいることなのだ。
帰りの東北道はなかなかクルマの数が多かったが、渋滞にはならず、午後4時帰宅。道の駅で買った白菜の立派さをファさんに褒められた。