しれっと前橋文学館に至る。今回で3回目か4回目。2016年に萩原朔太郎の孫、萩原朔美氏が館長となってからは初めて。朔美氏は現在70いくつだが、私が大学時代に所属した学科の教授だった当時は年齢的に脂が乗っていたのだと思う。ただ、この人の講義を聴いた記憶は残っていない。文学館向かいの立派なビルの駐車場4Fにクルマを入れ、そこから文学館、橋と袂の朔太郎像、広瀬川が1枚に収まりそうだったので撮る。関越道を走っているあいだ、ぼつぼつと雨粒が落ちてきたが、前橋は雲間から陽が射している。文学館の対岸、駐車場の通りを隔てた幼稚園の隣りの敷地に萩原朔太郎記念館が移築されている。敷島公園にある時期に私は2度足を運んだが、2017年4月からこの地で公開されているらしいので、移築に適切な土地があった上で、朔美氏の指示があったのかも知れない。まあたしかに、なんで公園の隅っこの松林の中に建っているだろうと思ったからね。生家跡や文学館とも離れているし。傍に「林間学校発祥の地」という碑文があったな。
館長が変わって、館内・展示室のレイアウトも変わったな。好ましい方向に。前橋文学館というか、萩原朔太郎文学館でいいんですよ。屹立しているのだから。
「詩のステージ」もすっきりした。当然に朔太郎自身の朗読「乃木坂倶楽部」を聴く。
サイズの小さそうな革靴(内羽根のストレートチップだから、非常にフォーマル度が高い)。この靴で前橋や東京の雑沓を漫歩していたのか。
企画展は、ティム・サトミ氏の作品にもっとも惹かれた。
せっかく前橋まで来たので、紅葉をみに赤城山に上る。大沼(おの・おおぬま)。
左手前の店でワカサギのフライと舞茸の天ぷらそばを食べる。午後をだいぶ廻っていたが、ほとんどの席が客で埋まっていた。幾人ものおばあさんの服務員が元気に働いている店だった。
眠っているように穏やかな湖面。
吸うほどに体内がきれいになる清爽な空気。標高1,300m。