川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

元日の光

f:id:guangtailang:20230102002924j:image起床して下りていくと書斎にまばゆい光が射し込んでいた。元日の朝に縁起がいいと思った。家の真向かいに建設中だったマンションは去年の暮れに完成し、ぽろぽろ居住者が入っているようだ。まあでも満室かそれに近い状態になるにはかなりの時間を要するだろう。場所のわりに家賃が高過ぎる。この一帯は分譲・賃貸にかかわらず特にマンションが増えたし、今も気が狂ったようにマンションを建てているし、これから建てようという計画の場所もいくつもある。区がそれを推進しているからだ。民間業者は当面の利益を上げるためにばかすかつくりつづけるだろう。なにせ空間の値づけが異様に高くても売れている。日本全体を見渡してみれば夥しい数の空き家だらけで、人口もどんどん減っているのにアンバランスな話だ。数十年後のこの国土では人が住んでいる場所は今よりだいぶ限られているだろう。階下で餅を2個食ってコーヒーを飲み干し書斎に戻ると、さきほどの光は失われて部屋が青暗くなっていた。

f:id:guangtailang:20230102002927j:image東京は何地獄ってマンション地獄だろう、スクラップアンドビルドで結局みんマンションになるじゃねえかとぼやいたのは知り合いの二回りくらい上のおじさんだ。ほんとうに厭になったのと身軽だったから、下町の自宅を売って数年前に千葉の海の見える丘に引っ越してしまった。