本日午後、事務所の二階で中文課本の贈呈式がありました。左の彼はこれまで何度かJとして登場しているのですが、わたしを中文のみならず大きく中国文化へと誘った当人です。あれからもう10年になんなんとする歳月が流れました。持ち前の諧謔精神を中文を操っても発揮し、上野仲町通りで高身長の北方小姐を紹介してくだすったのは今は昔。上野地下のペクトゥサン(長白山)の絵画のかかる羊肉串店に連れてってくだすったのも今は昔。まあとにかく実地にいろいろと教えてくださりました。おかげさまでハルピンから紹興へと飛翔する仕儀になりました。そうゆうわけで現在、わたしの妻は中国人、彼の妻は日本人というのもこれまた数奇なサラリーマンの道行きということでしょう。
彼とその妻がコロナ状況下を利用して中文を学習し、レベルチェックのため考試を受けているという話は折りに触れて聞いていました。HSKというやつです。ブランクはあったのでしょうが、最近彼は5級、妻は3級を受け、ふたりとも合格ラインを上回る点数をとったそうです。わたしとしてはJの妻が中文に関心を持っていると聞いた時は随分意外な感じがしました。しかし、現に考試を受けて合格しているのですから慶賀すべきことです。それで合格後、ややモチベーションを落としているという彼の妻、そしてJに、家で積読状態になっていた中文課本を差し上げることにしたのです。彼はペイズリー柄のネクタイを好むので、それを締めて臨むことも忘れませんでした。
そういえばおとつい、内モンゴル出身の女優于月仙さんが不慮の事故で亡くなったと、Hさんがスマホを振り回しながら叫んでいました。画面を見ろとわたしの顔前にかざします。わたしはこの方を存じ上げませんで、ニュースの内容もHさんから聞いただけで他で確認もしていませんが、なんでも夜も明けきらぬ内モンゴルの砂漠で、映画だかドラマの撮影に向かう途上、乗っていたクルマがラクダの列に衝突して帰らぬ人となったそうです。ラクダ2頭も死んだそうです。ルオトゥオ、ルオトゥオと連呼するHさんにすぐには聴き取れませんでしたが、駱駝(luòtuo 骆驼)だった。