川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

Zパッドおじさん

f:id:guangtailang:20210718091614j:image入院4日目。初日に裸でシャワーを浴びれたが、その後は風呂に入れず、それが辛かった。髪がベタつき、洗面台の前に立つと薄毛に地肌の露出した小汚いおっさんが鏡に映っている。『クオ・ワディス』も中巻を読み終えたはいいが、下巻と勘違いしてすでに読了済みの上巻を持ってきてしまった。つまり、これから読む本がない。テレビをだらだら見るしかない。あるいは日中、風呂に入れるのでそれを楽しみとするか。老いたわ、完全に。

朝7時過ぎ、風呂に入る。患部の血流を良くするため久しぶり湯船に浸かる。無論洗髪もした。病室に戻るとカーテンを開け放ち、小窓を換気。ライナーが滑り去っていく。車体の横のラインがエメラルドグリーンに塗られているタイプだ。風でレースがふわっと膨らむのを横臥して眺める。

10時38分、ずっとベッドに横になっているといかにも病人じみているので起きあがってあぐらをかきながら「激レアさんを連れてきた。傑作選」を見る。

11時30分、おしっこをしようと力を入れると、泥状便が漏れて下着及びパジャマを汚してしまう。まだ排便コントロールができていない。こうゆうのも赤裸々に書かんとね。Zパッドが受けたからまだよかった。今日は売店が休みだが、月曜日に大量購入しないと。20枚入り410円。速やかに下着とパジャマを着替え、自前の下着は洗濯機に放り込む。それにしても読む本がないのは退屈に拍車をかける。古代ローマの小説の他に、漱石の『明暗』(未完)でも持ってきてりゃこうはならなかった。 

16時。風呂に浸かる。こんな時間に入ることは普段ないので、いかにもモラトリアムといった風情。東京オリンピックの開催、コロナ感染者数連日千人超え、全国各地で猛暑日。そういったニュースをこの隔離された小部屋から眺めている。

f:id:guangtailang:20210718104934p:image久々に应嘉麟(インジャーリン)を載せておく。彼もここのところ体調が思わしくなく、下痢がつづいているので医院(イーユェン)に連れていくという。小さな躰で気の毒なことだ。