川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

北や南、それから記憶の

村上春樹の小説「中国行きのスロウ・ボート」の書き出しで、自分が最初に出会った中国人は誰だったかみたいなのありませんでしたっけ。僕は村上春樹好きでも嫌いでもないから、昔読んだっきりの記憶ですけど。その顰に倣うとすれば、僕が初めて出会った中国…

けうとい夕刻の道を

今日は躰がだるかったな。外回りも無く事務所でデスクワークだったから2千歩にも達していない。一度駄目になった話が思わぬかたちで復活したのはよかった。禍福は糾える縄の如し。帰宅して飯の前に体重計にのったら79kgに戻っていたが筋肉で重くなっているの…

碧いスーツケース

朝、スーツケースのナンバーロックの番号を忘れたとHさんが騒いでいる。この碧いスーツケースはこのあいだ買ったばかりで、三桁の番号はたしかふたりで決めたのだったが、わたしもまるで思い出せない。彼女はわたしを責め立てる。あなたの記憶力は落ちたわね…

アッシュグレーの休日

散髪に行く。外はからっと晴れて気持ちがいい。いつもの美容院。客はそこそこ入っているが、不思議にどこかがらんとした印象だ。ちょっと考えて、今日は入口に座って待つ客がいないからかもしれない。それと、下町の店だから客のなかにお喋り好きが2人か8人…