川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

10日もない

f:id:guangtailang:20221003133415j:imageここのところバタバタして時間の観念もゆがみがちなのだが、ある晩、ラグビーの試合を観た。ジャパン・フィフティーン対オーストラリアA代表。観客がたくさん入っていることにまず目がいった。フィフティーンというのはテストマッチを戦うということじゃないですよという意味で、A代表というのはワラビーズ予備軍ということらしい。試合は前半緊張感がある中フィフティーンがリードして折り返したが、後半途中からA代表の連続トライで突き放されて22対34で敗れた。おもしろい試合だったが、ジャパン・フィフティーンはまだ力が足らないということなのかな。ラグビーに限らずスポーツに詳しいわけではないが、試合を逃げ切る、あるいは逆転できるというのがその者(たち)のほんとうの強さだと思う。フィフティーンは逃げ切れなかったし、リードされてから逆転もできなかった。それでも、ラグビーは最後までおもしろく見られる。重要だから2回言いました。さらに個人的には、腕っぷしを鍛えなければという気持ちに駆られる。

話は全然変わるのだが、Mに月のうち体調が良く、気分も優れている時間はどれくらいあるのかと妻恋坂を上りながら投げかけてみた。黙々と長い脚を動かしてから、10日もないんじゃない?と返ってきた。月経という現象により女性の情緒は左右される。それは男性にはおよそ実感できないが、理解しようと努めることはできる。しかし、原因はそれだけじゃないらしい。女性には正体不明の不安の感情がつねに奥底に横たわっており、ひとたびそれが起き上がれば、情緒は不安定になるという。中腰状態でも気分は晴れないという。これは男性にはわからない。みじんこというカフェで軽食を済ませ(すんなり入れたわけじゃなく、昼は予約できない方式で番号札を取って待った)、妻戀神社を参詣したあと隣りの建物に入った。

昔、出会い系サイトで知り合って早々めちゃめちゃ自己開示し始め、こちらの住所を教えたら写真を送ってきて(民家のブロック塀の前でピースサインしているものだった)、どうですか?タイプに入りますか?もしよければ会いませんか?と言われ、電光石火で会った女性がいる。アッシュピンクのショートカットでちょっと吊り目、脣厚め、色白、24歳、164cm。その女性とは1回目に上野動物園の両生爬虫類館で長い時間を過ごし、2回目に会った時に夜を越えたが、翌朝入ったファミレスで彼女は大量の錠剤を取り出すと、目の前のコップの水で飲み下した。向かいで目が点になっている僕に、ちょっとなんか不安になっちゃってと言った。女性とはサッカーW杯の日本対ブラジル戦を観たい僕と興味のない彼女で諍いになり、強引に帰路についてからなんか疎遠になり、そのまま自然消滅した。いや、その後も何度かやりとりしたような記憶もある。2006年の出来事だから、僕は30歳になるやならずだった。

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