19日。花道でチームメイトから禿げ頭を撫ぜられるローリー・ベスト主将。今大会で代表を引退する。北アイルランド、クレイガボン(Craigavon)出身。180cm、110kg。クライガボンという表記もある。ダニエル・クレイグのCraigと綴りが同じだからクレイガボンにした。クレイガヴォンが適切かも知れない。年齢もWikipedia日本語版だと1984年生まれの35、英語版だと1982年生まれの37と相違がある。まあいずれにしても禿げのかっこいい男だ。
準々決勝で最初に行われたイングランド対オーストラリア。クリスチャン・リアリーファノ。実況者も毎回のように言うのだが、白血病を克服してこの場にいる。181cm、92kg。
可愛らしいお名前のマリカ・コロイベテ。182cm、96kg。この試合はイングランドの横綱相撲の感があったが、その中でひとり気を吐いていた。後方にいるのは大事な一戦に抜擢されたジョーダン・ぺタイア19歳。26歳くらいにみえる。
大分スポーツ公園総合競技場(昭和電工ドーム大分)。私は大分に行ったことがないが、行きたい県のひとつである。クルマで行くと1,000km以上あるだろう。
オーストラリアでは現在、15人制ラグビーの人気に翳りが出ているという。ラグビーユニオン(15人制)よりラグビーリーグ(13人制)の方が人気があるのだ。W杯優勝2回を誇るが、昨季のテストマッチでは13戦して4勝の体たらくだった。プール戦でもフィジーに前半リードされて折り返したり、ウェールズに競り負けたり、圧倒する強さはみられなかった。「古豪」と呼ばれるには早過ぎる。
点差がひらき、やや呆然としている。あごひげにも白いものが混じり始めた。40対16、ノーサイド。
イングランドのラグビーがおもしろくないと言ったのは予選プールで敗退したアルゼンチンの選手だ。エディー・ジョーンズ率いるイングランドが強いかと問われれば強いのだろう。ただ、おもしろい試合をしているかと問われれば疑問符なしとしない。南アもおもしろくないと言う人がいるが、選手それぞれのキャラが立っているし、ボール保持をさほど目的としないでフィジカルでごりごりくるスタイル、それでいてめちゃくちゃ強いというのはおもしろいと個人的には思っている。
大振りな格子柄のジャケットに黄白黒ボーダーのネクタイを合わせるとはなかなかの傾奇者である。かたや解説者はフレッシュマンのような実直ないでたち。解説者栗原徹は潮来出身。
彫りが深過ぎて、どうしても目に陰翳のできてしまうオールブラックス主将、キアラン・リード。193cm、110kg。ハイスクール時代から学業優秀、スポーツ万能だった。W杯が終わると姫野和樹も所属するトヨタ自動車ヴェルブリッツでプレーすることが決まっている。
アイリッシュ・ガールズ。ふくよかな。
ローリー・漢・ベスト。
今宵は勿論、Kapa o Pango(東京にて)。しかし、アイルランド応援団の歌声に掻き消されてしまう。この歌というのが、1840年代のジャガイモ大飢饉の時にトウモロコシを盗んだかどでマイケルがオーストラリアへ流刑になるという歌詞の「Fields of Athenry(フィールズ・オブ・アセンライ)」だろう。
ここ最近はオールブラックスから勝利を上げてもいたアイルランドであったが…
スコットランドをノートライに抑え、日本も苦しんだアイルランドの鉄壁の守備を多士済済のオールブラックスはいとも簡単に突破し、トライを量産。どこからでもトライが取れるとはこのことか。
7トライされたが、根性で2トライ返す。試合後、ピークの時期を少し間違えたかも知れないとアイルランドのHCジョー・シュミットは呟いた。アイルランドはまたもベスト8止まり。
20日。宅建の試験監督員を終えたのが午後3時過ぎ。そこから都電荒川線でトコトコ帰ってきた。行きもそうだったが、車内はほぼ満員。窓際に立って小ぶりな住宅群を眺めながら、宅建の試験は120分、ラグビーの試合は80分、今おれは40分後自宅に着いていたいと文字盤をちらちら見ている。この針は客観そのものなのだが、時間の流れ方というのはつくづく主観的なものだとぼんやり考える。
テレビを点けると、午後4時15分開始の試合は始まってまだ3分少々だった。ウェールズ対フランス。しばらくはロマン・ヌタマックを起点にしたフランスの華麗奔放な攻撃に目を瞠ることになったが、ウェールズが質実剛健に点差を詰めていく。
出血は付き物。
ラグビーは基本的に旧大英帝国の植民地で発展したスポーツだが、フランスは異なる(日本も違うけど)。ドーバー海峡で隔てられているだけなので、そもそもは英国人が法国人にラグビーを伝えたはずだが、そこからフランス独自のラグビー文化が花開き、連綿とつづいているのだろう。
「古代ガリアの戦士」の異名を取るアラン・ウィン=ジョーンズ主将、198cm、108kgとカタラン(カタルーニャ)の血を引くギエム・ギラド主将、180cm、109kg。身長・体重はほんとうにゆらぎがありまくりなのだが、まあみんな大男ということでいいじゃないか。
タトゥーを彫り尽くした太いかいなでボールを芝に押しつける。赤竜の炎が噴き上がる。
古代ガリアの戦士の闘志。直近の両チームの対戦でもあったらしいが、前半フランスがリードするが後半ガス欠になり、結局ウェールズが逆転勝ち。この試合もそれに似ており、後半フランスは得点できず、1点差で敗退した。ダン・ビガーのガッツポーズが勇ましい。
シヤ・コリシ主将とリーチ・マイケル主将。主審はイングランドのウェイン・バーンズ。上背は似たり寄ったりの3人だが、やはり胸板の厚いふたり。コリシからラグビーを除いたらただの善人だ、と昔の彼を知る人が言った。
グ・ジウォンがスクラムで押し勝った時の雄叫び。ビーストことテンダイ・ムタワリラが稲垣啓太を危険なタックルで倒しシンビンになったこともあり、前半はよく耐えた日本が野球並みのロースコアに持ち込む。
タックルの出足も速いが、モールにしろスクラムにしろ、南アの圧力が半端じゃない。半ケツになろうともとにかく前に出る。いわば、サイとイノシシの力比べ。イノシシはひとたまりもない。
汗だくのムタワリラ。183cm、117kg。あおり運転でイキがっている輩は、相手のクルマからこのサイズのビーストが降りてきたら踵を返して逃げ去るのだろう。
後半、点差が開き始め、このあたりでスプリングボックス応援団も一安心している。
今大会、イケメンのひとりとして名を馳せているハンドレ・ポラード。サマセットウェスト(Somerset West)出身。
3対26。本気の南アはごっつかったなあ。ラッシー・エラスムスHCも真剣に日本対策を練ってきていた。それだけでもすごいこと。そんなことは8年前には夢物語だった。
同じ表情のリーチと娘。彼の瞳がケンシロウのそれに似た光を湛えつつあることは多くの人が指摘している。
ゴロー〇とオーノキン。スーツを着るラガーマン。黒人とラガーマンは思っている以上にスーツが似合うのだとかつてある友人が言ったものだ。だとすると、黒人のラガーマンがいちばん似合うということになる。たしかにシヤ・コリシやマカゾレ・マピンピがダークスーツを纏ったらかっこよかろう。
日本は史上最高成績を残して敗れたが、祝祭(パーティ)はまだ終わっていない。今週末、ランキング1位から4位までのチームが準決勝を戦う。