川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

歩幅

f:id:guangtailang:20210712195321j:image不順な天候でちょっとサボり気味だったウォーキングに繰り出す。まだ空は明るい。Hさんが尻の手術をしたあとウォーキングできるのかと訊くから、そりゃ時間が経てばできるだろうけど、どのくらいの期間で今みたい早足できるかはわからないと答える。彼女はちょっと思案し、わたしが握っていたスマホを貸せ(给我你的手机)、そして歩け(走)と言い、後ろ姿を撮られた。これが数日後に痔核根治手術をする男の尻よ、と。

f:id:guangtailang:20210712195329j:imageHさんのちょっと強引なこの手のユーモアはわりかし好きで、出会った時から変わらないものだ。こちらを笑かす気もないと思うが、ほいとスマホを返されると一連の強引さにわたしは笑ってしまう。

ところでHさんとMの身長はほぼ一緒くらいで170弱だと思うが、ふたりとも脚が長い。それで歩幅が大きいのだろう、並んでしばらく歩いても遅れるということがない。普段あまり意識しないことだが、これが自然じゃないことは仕事で小柄な女性と歩いた時にわかる。途中で遅れ、小走りで追いついてくる人に、このペースは違うんだと。わたしも特に短足じゃないと思うが、ふたりと比べるとバランスが違う。腰の位置が違う。Hさんは衣服を買う時に服務員に「わたし、脚長いだから」と自ら言い、服務員も一拍置いて「ええ、お客様長くていらっしゃるのでこちらでいいと思います」などとやりとりしている。Mのショーパン姿はこんなもん欧米のティーンエイジャーかよ。ふたりが無造作に脚を投げ出しているのを偉観として見る。