川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

エネルジコ

f:id:guangtailang:20210616122210p:plainいきおいで『恐怖劇場アンバランス』DVD全6巻セットを買ってしまう。30,000円。Wikipediaをみれば、1973年に放映されたこのオムニバスドラマの概要を知ることができる。私世代のなじみだと『世にも奇妙な物語』の元祖という感じがする。タモリのかわりが青島幸男。当時、このドラマの企画・制作はかなり野心的だったようで、それがゆえの紆余曲折も載っている─制作は1969年に開始された─。個人的にこの時代の映像は大好物なので、私は大いに楽しみながら観ている。日活の監督─まだそれほど日の目を見ていなかった頃の─を多く起用したということで、彼らの回のドラマから先に観ているのだが、それぞれすでにテイストが出ている。最初は勿論藤田敏八「死を予告する女」。鈴木清順木乃伊の恋」、神代辰巳「死骸を呼ぶ女」。さらに黒木和雄「夜が明けたら」等。昨晩は満田かずほ「猫は知っていた」を観た。すでに半世紀近くが経過し、監督や出演している俳優の多くが鬼籍に入っているのだが、映像は残る。これからも。

f:id:guangtailang:20210616122350p:plainCMに入る前。血みどろの、真紅のマニキュアをした女の手が壁をぬぐう。こうゆう字体。1970年代テイストのおどろおどろしさ。『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』(1970)を思い出した。

f:id:guangtailang:20210616124641j:image関東甲信が梅雨入りした14日の晩。小雨がぱらついていたが、傘をさしてウォーキングに出る。これはHさんと私にとって異例であり─特に〈雨だからやめましょう〉とつねづね言う彼女にとって─、それでも敢えてという意志はルーティンを破ってさえいると思うが、一緒にウォーキングすることが必要だという感じが互いにあった。歩きながら、アジサイの色がどうとか、この家は築何年くらいかとか、雨だからさすがに土手に人がいないとか、ヘリコプターが飛んでいるとか、当たり障りのない、土曜日の晩の諍いの内容に一切触れない、そこから遠く離れたお喋りをする。途中で雨はほぼやんだ。

f:id:guangtailang:20210616124648j:imageマックス・ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲 第1番ト短調 作品26」第3楽章 アレグロ・エネルジコを繰り返し聴く日々。どこへ向かっているかはわからない。ただ、力強く、前に進みたい。気持ちの上ではそう思っている。

ところで昨日の午後、肛門の病院に行ってきたのだが、緊急じゃないにしろ、完治を目指すなら手術・入院をすすめられた。要は痔核の問題である。脱出性内痔核が甚だしくなってしまった。母親はセカンド、サード・オピニオンをすすめる。物心ついて以降、この年齢まで手術も入院もしたことがないが、ちゃんと考えねばならない。