川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

最初の字は何かしら

f:id:guangtailang:20201121184913j:image21日、快晴の強風。ひたちなかへ。連休初日なので常磐道でも渋滞を覚悟したがそれほどのことはなく、落ち葉が踊るように舞う高速道路を比較的スムースに疾駆する。筑波山が正面左手に見えた時、ほんとうに紫色をしているなと思った。

f:id:guangtailang:20201121184933j:image予定よりもかなり早く到着したので、店の開店まで時間を消さなければならない。湊公園へ。丘の上にある公園で、周囲が一望できる。写真の奥はおさかな市場と太平洋。元水戸藩の別邸夤賓閣(いひんかく)の跡地に作られたらしい。ファさんに〈夤賓閣〉を読めるか訊いてみると、最初の字は何かしらと言う。おれも最初の字は読めないからルビを見たんだと返す。調べたら、拼音だとyín(イン)、書面語で〈畏敬する、(夜が)深い〉という意味ですって。まあ、一生使わなくてもいけるわね。

f:id:guangtailang:20201121184948j:imagef:id:guangtailang:20201121185010j:image奮発したあんこう鍋弁当。おれは満足したが、ファさんは不満足のよう。そもそも彼女はあんこうが好きだったかな。わからない。グロテスクな見た目には驚いてもいなかったはずだが。別にたのんだメヒカリの唐揚げは美味しそうにむしゃむしゃしていた。

おさかな市場は人混みがすごかったので、あさりとアジの干物を買って早々に引き上げる。網の上で干されたイカが日光に輝いていた。

f:id:guangtailang:20201121185107j:imageあんこう鍋はおれのリクエスト、次はファさんのリクエストの紅葉を見に水戸へ。茨城287万いるうちの27万県庁所在地である。ファさんに〈偕楽園〉を読めるか訊いてみると、またもや最初の字は何かしらと言う。中国の高速鉄道の先頭に書いてある〈和谐〉の谐と左側が違うが、調べたら、拼音だとxié(シエ)で、発音は同じみたいですよ。

領民と偕(とも)に楽しむ場にしたいと、この巨大な大名庭園は斉昭自らにより「偕楽園」と名づけられた。「偕楽」とは中国古典である『孟子』の「古の人は民と偕に楽しむ、故に能く楽しむなり」という一節から援用したもの…

Wikipedia

f:id:guangtailang:20201121185122j:imageもみじ谷はコスプレイヤーでごった返していた。どんな原作か壮年には知識がないのだが、銀色の髪をした女執事、九尾の狐のように尻からしっぽを生やす者、作り物の烏を腕に留まらせる者、鎧の下着から横乳をはみ出させる扇情的な衣服の者など、さまざまいた。高価そうなカメラ機材を巧みに操る男たちもまた壮年であった。

f:id:guangtailang:20201121185133j:imageSAでソフトクリームを舐めるのはやめられない習慣だが、ファさんには顔を少し顰められる。子どもっぽいととるようだ。中国人らしくそんな冷たいモノを食べてというのもあるかも知れない。栗とのミックスだぞこれは。澀いだろ。上りの守谷には野菜直売所があり、彼女がそこで買い物をしている様子を附近のベンチに座りソフトをぺろぺろしながら悠然と眺める。

f:id:guangtailang:20201122095927j:imagef:id:guangtailang:20201122095939j:image偕楽園で買ったお菓子。これは彼女の好物。パッケージのデザインがわりかし良いと思う。この会社はアントラーズサブレも製造しています。

帰りはさすがに渋滞したが、流れるやつだからまだしも。黄金色に滲む日の入り。午後5時過ぎ帰宅。

f:id:guangtailang:20201124092937j:image