川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

アパートの姿見

f:id:guangtailang:20171228143914j:plain出がけに「晚上不用收进来啊(夜、取り込まなくていいから)」と言われたので、洗濯した衣服が乾ききらないとかなんとなくそういう意味に受け取ったのだが、昼飯を食べに帰った時ベランダをみると、肉が天日干しされていた。地面には中文の新聞が敷いてあり、端を鉄アレイで押さえてある。

f:id:guangtailang:20171228144708j:imageこの姿見の下部には「昭和三十七年二月」と書かれている。1962年。木造2階建アパートの1階入口に貼ってある。前回の東京オリンピック(1964)よりも前に取り付けられたわけだ。しかしこのアパートは2020年の東京オリンピックの頃には無い。来年の4月以降の取り壊しが決まっているのだ。1階4部屋、2階8部屋。今ではもう全体で3所帯しか居住していない。「建築後、相当の年月が経過しており、建物の老朽化が著しく進み、部分的な修理では追い付かなくなっております。また、耐震的な強度の不安もございます」。10月の終わり、こういう文言を入れた書面を居住者の方に配り、部屋の明渡しにご納得頂いた。

f:id:guangtailang:20171228151822j:image神戸の祖母の家から持ってきた記念風呂敷。躍動感の汪溢する。