川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

川からの風

f:id:guangtailang:20170918202336j:image川風が気持ちいいのう。

同業者のKさんが遠近両用眼鏡をつくったというが、実のところ私も最近は眼鏡をはずしてスマホを弄る有様だ。それに老人がよく言う例の、顔は浮かんでいるが名前が出てこないというアレを、我が身において体験するようになろうとは。厄年というのもよくできている。その頃から如実に心身の衰えが始まるのだ。ウレタン敷きのジョギングコースを跳ねるように走る若者たちから隔たってしまった感はある。といって老いに抗わず恬淡と生きていく境地にも全然達していない。ことによっては若者と取っ組み合い、芝生の斜面を転がるくらいの気概はまだあるのだ。記憶力にもまだ自信がある。それでも衰えつつある己の心身をどう撫で付けていくか。人生も半ばを過ぎて、ベンチに座り川風に吹かれながらそんなことを考えた。