ついでに寄ればいいやという気持ちで来た中田島砂丘が意外に良かった。これは私の心理が作用している。つまり、掛川でさわやか、花鳥園を諦めて車中でぶーぶー言って機嫌を損ねたまま海辺(かいへん)にたどり着いた。だだっ広い砂浜を歩いていく。向こうからやってくるなかの幾人かは、靴を脱ぎ裸足になってじかに砂を踏みしめている。Hさんが先に裸足になり、私もつづいた。これがとても気持ちいい。歩きやすいのもあるが、何か童心にもどったような屈託のない心持ちになってくる。それで波と戯れでもすればもうおっさんが子供になっているのである。
暮れ泥む浜松市街。
雲が多く快晴ではない。が、汗ばむ陽気。浜名湖といえばこれ、という景色。日本で湖上をわたるロープウェイはここだけらしいので乗った。ロープウェイの中で聞こえてくる会話は半分くらい関西弁だった。
浜名湖ガーデンパーク。橋の上から眺めると中国風の建物がある。Hさんが近寄ってきて、「あれは西湖の附近にあるでしょ?」とさらっと言う。その建物のある地点まで行ってみると、果たしてそうであった。さすが、いや、当たり前かもしれないな、彼女の故郷なんだから。
浜松市、人口およそ80万。アクトシティの上層階から眺めてみると、大きな都市なんだけど、なんとなく建物の建ち方に余裕があるんだよな。うろ覚えだが、名古屋の4倍以上の面積の場所に3分の1の人口という表現があったような。まあ、天竜区とか山だろうけど。どうでもいい話だが、Hさんがビンソン、ビンソンと浜松を中国語読みしていて、音がかっこいいなと思いました。