川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

何者

松浦寿輝『秘苑にて』(書肆山田)より 川勝徳重『電話・睡眠・音楽』(リイド社)。この表紙は表題作に関わるものだが、他にも13の短篇が収められており、それぞれに表題作とはかなり毛色の違う劇画だ。私にはむしろそちらの方がおもしろかった。いちばん好…

ザ・ヴェランダ

布引ハーブ園、ロープウェイ。施設の祖母の部屋で談話している時、母親が妙なことを云った。自分抜きで、祖母と私と弟の3人でハーブ園に上ったことがあるというのだ。祖母は、憶えてないと首を横に振った。近頃の祖母は弱って、ぼんやりもしているから、母親…

立ち漕ぎ

3日、晴天、風強し。年明けから尾籠な話になるが、2階の便所で『細雪』を読み進め、大水害(1938)のくだりまで来て、これは去年の倉敷真備町の光景を思い浮かべるような描写だなと思いつつ、用を足した。と、しばらく収まっていた痔核の脱出がまたぞろ始ま…

元旦、実家、柴犬の置物

元旦、実家。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。柴犬の置物。非常に精緻に出来ているが、制作者は意外にも欧米人なのだと母親が云う。かえって日本犬の特徴をよくとらまえるのかも知れない。それと日本はとかくディフォルメしが…