川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

歯痛

15日の晩くらいから左下の奥歯が痛み出し最初は気のせいかとも思ったが横浜で飯を食う時にも痛みがありしばらくするとその歯周辺でモノを噛むのを無意識に避けるようになった。昨晩もズキズキと鈍痛がし眠るのにも差し障りがあるのでさすがにこれはやばい傾向だと思い朝一で近所の歯医者に電話を入れた。午前中は予約制じゃなく順番制だというので行ってみるとすでに待合室の椅子は老男老女でいっぱいで問診票も直立して書いたがしばらく待っていると優先的に呼び出されたようだった。

その奥歯には大部分クラウンを被せてありたしか昔に神経も取ってしまっていると思ったがレントゲン写真でみればやはりそうで今回の痛みは神経を取った歯の周辺に炎症が起こり膿が溜まって逃げ場がないことで圧が高まっているのだった。極端にいえば膿の上に歯が浮いているようなものである。処置としては被せ物をはずして穴を開けまず膿の出口をつくってあとは消毒し薬を入れて蓋をするということだ。抗生物質と痛み止めを貰いながら洞を舌の先で触った。歯痛と横浜の誕生日として後年思い出すかも知れない。

※横浜滞在中、歯痛がもっとも強かったのが上海料理の店で昼飯を食べた時で目の前のHさんに渋面を覚られぬようなんとなく右側のカーテン越しに向こうの座席に目を遣った。そのカーテンは紫ともくすんだ桃色ともいえるような半透明のものでところどころに刺繍やスパンコールが施してあり服務員や客が行き来するたびに起こる風でピラピラと揺れていた。シックなオフィスレイディのような佇まいのふたりの女性が愉しそうに笑いながら食事する様子がカーテンを透してみえる。その光景がやけに艶麗で非現実的なものに思えて私はしばし見惚れた。