川、照り映え

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

川越

川越、人口35万3千余人。県内でもさいたま、川口に次ぐ第3位の人口を擁するが、なにより「小江戸」と呼ばれる歴史的な街並みで知られる。

2016年11月の日曜日、早朝の高田馬場駅に同業者有志が集まって、特急レッドアロー号で向かったのだった。車内は半分も埋まっていなかったと思う。時間が早いと休日でもこうなのかと思った記憶がある。本川越駅で初老のガイドが迎えてくれた。

埼玉初の百貨店、旧山吉ビル。エレヴェーター、屋上庭園もあったという。つい皆「レトロ」、「大正浪漫」といった言葉を脣にのぼらせてしまう。川越と縁の深い保岡勝也設計。f:id:guangtailang:20180414225157j:plainf:id:guangtailang:20180414225314j:plain和洋折衷、太陽軒。目抜き通りに面してではなく、路地にある。細い路を歩きながら、ガイドと辯護士のS先生が「日本三大夜戦」のひとつ、河越夜戦について喋っており、他の人が横でうんうん頷きながら、話が一段落したところで、「ヤセンていうのは夜の戦なんですね。てっきり野の戦だと思って途中まで聞いてました」と言った。f:id:guangtailang:20180414225414j:plain旧山崎家別邸。設計者の保岡勝也は、「東京帝国大学辰野金吾日本銀行本店・東京駅を設計)に師事し、建築学を学びました。卒業後、現在の三菱地所に勤めましたが、中小住宅に関心を持ち、三菱地所を退社し、住宅や数寄屋設計者として活躍しました」(川越市役所ウェブサイトより)。数寄屋造りに控えめなステンドグラス。個人的にこういうのは好きである。f:id:guangtailang:20180414225502j:plain児童室。たしか子供が庭から直にこの部屋に上がれるようにこういう造りにしたと言っていた。サンルームの意味合いもある。机の上の奇妙な物体はなんだっけな。

f:id:guangtailang:20180414225557j:plain日本聖公会川越キリスト教会。川越大火で一度失われたため、煉瓦造りの重厚な佇まいとなっている。f:id:guangtailang:20180414225646j:plain今でも同業者のあいだで、川越で食べた鰻重、あれはうまかったね、と語り草になっている。予約するのが大変だったと当時の幹事が言っていたが、その価値は十分にあった。感謝しております。鰻を食べに川越に、ついでに街をぶらぶらして、というのは個人的にまたやりたい。

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