池袋新文芸坐で『非行少年 陽の出の叫び』(1967)と『非行少年 若者の砦』(1970)の二本立て。前者は藤田監督のデビュー作。主役平田重四郎の面構えが全編通していい。白黒画面が余計精悍にみせているのか。ナイフで腹を刺され、這う這うの体で部屋にたどり着くと、古新聞をちぎって仰向けの軀に纏っていくシークエンスは秀逸。後者は珍妙な映画。喧嘩やパーティ、小松方正の出歯亀のシークエンスはとりわけ珍妙で笑った。あと、南田洋子の唐突過ぎる事故も。マンションの駐輪場入口にでかい蜘蛛が巣を張っていて、危うく突っ込むところだった。今朝、こんなものはあったか。初めて気がついた。