川の照り

隅田川沿いに住む壮年が綴る身辺雑記

渋滞に遭わない連休

連休といって僕は暦通りの休みでそこまでの連休でもなかったが、今年はまったく渋滞に遭わなかったのがなによりよかった。去年おととしと違いなんの自粛や制限もない中、出かけるなりに渋滞を極力避けようとして、それでもこの時期は遭うものだと思っていたから。

f:id:guangtailang:20220508172931j:image3日晴れ。クルマでの移動を避け、電車で京成バラ園に行く。西船橋から東葉高速線というのに乗ったが、たぶん初めて。車窓からベッドタウンらしい街並みを眺める。バラ園は八千代緑が丘という駅が最寄りだが、途中飯山満という駅がある。いいやまみつるじゃない、はさまと読むのだ。

八千代緑が丘で降りるとバラ園まで整備された遊歩道がある、そこを歩いていけばよい。ただ、1km以上の距離がある。それでも車道の脇を歩くのと緑陰の専用歩道では全然違う。受付で園内のバラの咲き具合が十分じゃないことを告げられるが、構いませんと入園する。ひとりびとりにこれを言っているのだとすれば、全然咲いてないじゃないか、金取るんなら半額にしろやなどとクレームをつける輩がいるのかもしれない。入園料変動制にしたとしてもこればかりはむつかしい問題だ。

それほど広い敷地ではないが、温室あり、池あり、若干の高低差ありでコンパクトにまとまっている印象。園の向こうに建つ青と白とピンクに塗られたマンションが視界に入る。Hさんはここを気に入ったようだ。見頃の5月下旬だかにまた来たいと言うから、その時は混雑を覚悟せねばと思う。

バラ園に併設されたレストランのウェイティングボードに10名くらい先客の名が記されていたので、駅前まで戻りイオン内の韓国料理屋で遅い昼飯を食う。ここがなかなかよかった。韓国人の父ちゃん母ちゃんでやっている店で、壁中に貼られた韓流アイドルのポスターが一瞬不安にさせるが、でてきたチヂミやチャプチェはボリュームがあり、うまかった。突き出しのキムチをおいしいとHさんが言ったら、サービスしてくれた。それで気をよくした彼女は帰り際に販売されているキムチを買い、次に来た時もここでお昼にしましょうと言う。

f:id:guangtailang:20220508172935j:image4日晴れ。クルマでの移動を避け、電車で光が丘公園に行く。池袋まで行き、東武東上線で成増へ。Hさんが初めて降りたと言うから、おれも2回目だと言う。公園に向かいながら板橋という文字を見つけ、そういえば彼女の同僚の成功者が板橋に住んでいたねという話をする。その人が最近さらに一軒家を買ったというから、あなたもがんばってね(你也加油!)とHさんを横目で見ると、わたしは今金を掘っている最中(正在挖金呢)だと真面目な顔で答えた。

光が丘公園は広い。23区にある公園では4番目の面積らしい。老若男女さまざまなひとびとがさまざまなかたちで憩っていて、僕たちは人気の少ない芝生広場の端で少しだけフリスビーをした。初夏のような陽気で、すぐに汗ばんだ。どこからか音楽が聞こえてくる。なにかしら民族的な趣きを感じたので、Hさんに行ってみようと言う。音に誘われ向かう途中、がっしりした体格のアジア系の男たちやチャイナドレスのような民族衣装を纏ったやはり骨組みのしっかりした女たちとすれ違う。その言語に触れるまでもなく、モンゴル人だと思った。向こうにテントの連なりが見えてきて、その区画は人でごった返していた。話は少しずれるが、ハルピンに行っていた頃、日本では感じないのだが、向こうで自分は小柄なのだと幾度も実感した。アジア系民族(中国北方人)ではこんなに大きい人たちがいる。モンゴルの男たちに混ざると、自分は小柄というか華奢なのだと思う。

入場の行列ができていたが、検温と消毒を済ませ区画の中へ入る。Hさんがテントの店を見回り、いちばん並んでいる場所が羊肉串だと教えてくれる。そして、ここで食べるのはよしましょう、わたしが池袋で羊肉串と蘭州拉麺をおごってあげるからというので、額の汗を拭いながら二度三度頷く。人の流れに乗って大江戸線の光が丘まで歩き、練馬で西武池袋線に乗り換えた。

池袋蘭州拉麺火焔山。たしかにここの羊肉串は先程のモンゴルフェスのよりうまかったと思う。しかし、Hさんの露店・屋台(小摊)嫌いも筋金入りだな。上海にひとりで遊びに行った時、ガイドが当時30半ばくらいの女性で、すでに友人Jに羊肉串のうまさを教わっていた僕が露店でそれを食おうとしたら彼女が顔をひん曲げて、やめた方がいいですよと忠告されたことがあった。翌日、小ぎれいな食堂で羊肉串をたのむ時はにこやかで何も言わなかった。要するに露店(小摊)は不衛生、下手すりゃ肉も鼠やその他が混じっているかもしれないとか。

f:id:guangtailang:20220508172928j:image5日晴れ。ここでクルマに乗る。鉾田の鹿島灘海浜公園へ。午前9時出発。下りの常磐道に渋滞はない。Hさんは昨日池袋で買ってあげたレイバンのサングラスを車内でもかけている。到着して、これがこの連休中いちばんの混雑だったが、駐車場に空きがない。何度も来ているが、こういうことは今までなかった。グルグル回るが、一向に出るクルマがない。どころか、次々と新たなクルマがあらわれ、駐車スペースでない場所に駐め始めている。気持ちはわかるが、僕はあまりやりたくない。そこへ先に降車したHさんから電話があり、空いたから来いと言う。導かれるまま行くと、彼女が1台の駐車スペースの真ん中に仁王立ちして待っていた。麦わら帽子にサングラスといういでたちで。かっこいいと思った。168cm。

帰りはカシマサッカースタジアムの脇を通り過ぎ、潮来から東関東道で。こちらも渋滞はなかった。午後4時半帰宅。

f:id:guangtailang:20220508172924j:image8日晴れのち曇り。この日もクルマに乗る。石岡のフラワーパークへ。友人Sの奥さんが茨城出身ということもあり、この素晴らしい八郷地区のことは僕たちのあいだで何度か話題に上っている。朝日トンネルを抜けたところですぐにいちご農園の看板が目に入る。あ、ここだ!と思わず声が出た。それでサングラスの顔をこちらに向けたHさんに、Sの奥さんの同級生がやっている農園だと説明する。Hさんも驚き、今度いちご狩りの時にそのことを伝えたらサービスはありますかと笑いながら言う。

茨城フラワーパークはいばらきフラワーパークとしてリニューアルされて、園内が様変わりした。以前を知っている者からすれば、ここまでやったかと感嘆する。昭和から令和の感性へというところか。女性受けするようになったと思う。園内施設の服務員も若い女性が増えた? 入園料は多少値上げされたのかもしれないが、気がつかないほど。大人900円だ。広さはおよそ30ヘクタールというから京成バラ園と比べれば文字通り桁がひとつ違う。花の咲き具合はまだだったが、周囲をなだらかな山に囲まれているからそれらを眺めているだけで気持ちが落ち着く。Hさんもリニューアルを絶讃している。以前には大温室があったあたりの黒い屋根の建物に入り、束の5品セットというのを注文する。メインは僕がサーモンとそら豆の豆乳キッシュで、Hさんが低温調理した豚肉(常陸の輝き)と八郷古代米のリゾット。テラス席で八郷の空と山と空気を存分に楽しみながら食べた。